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月記(2023.12)

12月のはなし。

〔写真:Olympus XA2 & Kodak GOLD 200〕



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歯抜けになった日記メモを見ていたら、『自分の感受性くらい自分で守れ』と言われた気がした。




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ユレルランドスケープのワンマンライブ『MASTER PLAN』を見た。ライブは4月の代官山UNIT以来だった。

ユレルランドスケープは「エモーショナルシティポップ」をコンセプトに、オルタナティヴミュージックを表現し続けている4人組ダンス&ボーカルグループ。約2年ぶりのアルバムとなる「MASTER PLAN」は全10曲入りで、ネガティブな要素をちりばめつつ、オルタナティヴ楽曲だけでなくメインストリームの音楽にもアプローチしている。

音楽ナタリー(2023年12月6日)

会場となった渋谷WWWには、僕は何度も足を運んでいる。にもかかわらず、多くの人が集まったこの日のフロアは、いつもより広く感じられた。なんというか、ライブハウスというより、でかいホールっぽかった。オルタナティヴというより、ポップスという印象があった。

単純に久しぶりに見たから新鮮だったというのもある。メインストリームなるものについて無理解だという自覚があるからこそ、意識的にポップネスを見出そうとしていたのも否めない。そのうえでの感想だが、ユレルラは今よりもっと多くの人を揺らすことができる力があると感じた。

2024年の春には名古屋・大阪への遠征が予定されている。もちろんすでに楽曲はインターネットを介してあらゆる人に開かれているし、そのクオリティは高い。俗にいう「曲が良い」という感想を抱いている人はいるだろう。まずは名古屋と大阪で、そういった人たちに「ライブが良い」という追撃をかましに行くのだ。もちろん初撃も大歓迎だろう。ユレルランドスケープのパフォーマンスは、強い。




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エイプリルブルーはかっこいいな。『本番ではやらない曲です』という前置きからはじまったリハで、いくつか好きな曲が演奏されてしまったが、結局本番も好きな曲ばかりなのでオールオッケーだった。

2024年はどうやら色々とアグレッシブに活動するらしい。楽しみだ。


(※ムラカミさんにこの日撮った写真を使って頂きました。ありがとうございました。)




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『suno』という音楽生成AIがあることを知った。実際に触ってはいないが、めちゃくちゃすごいと思った。

とくに驚いたのは「ボーカルも生成できる」点だった。とはいえ、音声合成技術そのものは進歩してきたし、コスト的に一般ユーザーに届けられるようになるかが問題で、あとは時間が解決することだろうとも思っていた。まあ、いざ発表されてみたら「早くね???」と戸惑っているわけだが。

音楽生成AIがどのように使われていくのかは興味深いところだ。素人考えではあるが、BGMとしての音楽はいずれ自動化されていくんじゃないかと思っている。繁華街ではなにかしらの音楽がBGMとして鳴っているが、各所に配置されているカメラの映像データを分析させて、そこにいる人たちの属性に合わせたBGMを生成し続ける、とか。きっと技術的には可能なんじゃないかだろうか。


このことについて考えるたび具合が悪くなるのだが、そんなときにたまたま出会った記事がすばらしくて、たちまち具合がよくなった。




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『推し、燃ゆ。』を久しぶりに読み返したのだが、序盤からグロテスクで驚いてしまった。そして同時に、どうやらきっと初めて読んだときの僕は、このグロさを受け流していたのだろうと気づいてしまった。




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この世には「自分へのクリスマスプレゼント」という言い訳がある。せっかくなのでこれをつかって、ヘッドホンを買ってみた。

音を聴く、ということの次元が変わった。良い音は良く聴こえて、良くない音は良くなく聴こえる。そのどちらにもフォーカスすることができて、なぜそうなっているのかを分析できる。まさに「モニター用」ヘッドホンだ。

これまでもヘッドホン・イヤホンは色々と使ってきたが、「モニター用」を謳うものとしてはこれが最も高価な買い物になった。今のところ、これ以上のものを求めることはなく済みそうだ。たぶん。きっと。




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とんでもないクリスマスプレゼントを受け取った。

名曲は歌い継がれて、名演は語り継がれる。そう思った。




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ZAZEN BOYSが新曲『永遠少女』を発表した。


これまで具体的に言わなかっただけ。それだけだとも言えるし、だから大事なのだというのもわかる。僕が向井秀徳の口から放たれる『1945年』をくらったのは、確か2022年の話だった。

6分5秒、そこで弾けた音が耳に突き刺さり、今に至る。




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陽は沈んで、また昇る。月もまた然り。

僕の心の中には種が埋まっている!






●今月あたらしく知った音楽




●今月なつかしんだ音楽


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