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哲学を図解・図説で読むならこれ一択!「哲学用語図鑑」感想・書評

先延ばしになっていた哲学の勉強

今年は哲学の勉強をするぞー!と意気込んでいたのですが、気がつけばもう9月。
さすがに、そろそろ着手しないと格好がつかないなと思い、本棚からこの本を引っ張り出してきました。

図説が多めで、取っつきやすい

図が7割、文字が3割みたいな感じなので、抵抗感なく読めました。
絵が三頭身くらいで、かわいい感じなので、哲学のちょっと堅苦しい印象を和らげてくれて良かったです。

文章も良く、本格的

文章も多すぎず、かといって少なすぎもせず、いい案配でした。
図が多くなると、ぼんやりとした説明にしかならないと思っていましたが、予想を大きく越えて、なかなかに本格的でした。
わかりづらくなりすぎす、押さえるべきところは、ちゃんと押さえてくれているなと感じます。

構成や視線誘導も心地よい

年代別に分け、それからキーワードごとに、1、2ページに分けて書かれているため、毎日ちょっとずつ読み進める方法で、読めました。
だらだらとした説明が続くと、この話だけ異様に長いなと感じたりするものです。

本書は、ページをまたがないような作りになっているので、一目で何となくの内容をまず把握できます。
ページをめくったら、「まだ続くんかーい」みたいなことがなくて良いです。
気配りが行き届きすぎていて、ページをまたがないことに気づかないまま、すらすら読み続ける人も多いんじゃないでしょうか。

「絵→文章→絵→文章」みたいに、直線的に流れるままに視線を持っていけば、読めるようにもなっていました。
あいだに絵を入れてくれるのは、視線があっちこっちしなくて済み、助かりました。
雑にこういうことをやると、逆に読みにくくなったりもするはずなんですが、そういうこともなかったので、本当にすごいと感じました。

難しい内容もキーワードで区切ってくれている

哲学の入門書といっても場合によっては、重要な内容なので説明が飛ばせないようなところもあります。
そういうところでもキーワードごとに区切りをつけてくれているので、
「この部分はわかった」「この部分はまだわかってないから、もう一回読もう」みたいに、段階的に理解度が把握できました。
もしキーワードによる、ページごとの区切りがないと、
「全部わからん! もう一回全部読み返さないと!」
みたいな感じになっていたと思います。

値段も手頃なので、手が出しやすい

図が多くなると、どうしても手がかかる分、高価になりがちです。
しかし、この本は2000円未満に抑えてくれているので、結構手が出しやすかったです。
もう千円、二千円高かったら、値段的に手が出せず、読めていなかったと思います。
単行本で、めちゃくちゃ手が込んでいる本なのに、この値段というのは、なかなかに良心的だと感じました。

おわりに

哲学を漏れなく、通しで学びたいと思ったときに、こういう本が、手の出せる値段で存在してくれているのは、めちゃくちゃありがたかったです。

意外と図解系の哲学本ってないので、正直これ一択なんじゃないかなと、個人的には思っています。

調べたら、続編の、中国・日本・英米(分析哲学)編も出ていたので、自分は次はそっちも読んでみようと思います。

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