つい人を怒らせる「嫌われ行為」がやめられない深層心理とは⁉
可視化されている状態の現象ほど、わかりやすいものはない。
これは人間の行動においてもそうで、例えば遅刻ばかりする人間がいたとする。
学校や職場で遅刻し続けると「ちゃんとしなさい」と注意される。
注意された当人も「遅刻はいけない。明日こそは」と考えるはずだ。
しかし遅刻は一向に改善されない。
全てに該当するわけではないが、深層心理や無意識が「遅刻されることによって〇〇される」といった旨味を感じていれば遅刻は続くだろう。
心理学で、キックミーゲームという言葉がある。
最後に自分をキックするように持っていくような、コミュニケーションがキックミーゲームに該当。
例えば、何を言っても「でもね、だけどね」とひたすら否定語を連発し相手をいらだたせて「もう君とは話したくない!」と怒鳴られる続けている人間は、キックミーゲーム中毒だ。
こういったネガティブなコミュニケーションを重ねる人ほど、心の奥底で疎外感を感じていたり、ぬぐいきれない虚しさを抱えている。
ずっと人から無視されたり、関心を払ってもらえなかった人も少なくない。
ブルーハーツの歌の歌詞ではないが「見えなくなるより笑われていたい」といった調子で、人から認識されていないことは、とてつもない苦痛なのだ。
多くの依存症者が、慢性的な生きづらさを抱えており、それを一瞬でも忘れるために薬物やアルコールに手を出すように、人間は刹那、苦痛を和らげるために様々なことをする。
人が感情を荒げざるをえないような行いによって、得られる他者の関心自体が、苦痛を緩和していることさえあるのだ。
これを交流分析では、ネガティブなストロークの報酬と呼ぶ。
ネガティブなストロークを求める人の根っこにあるのは欠乏だ。いつも心が凹状態で、何かを使って凹んだところを埋めたいという根強い欲求がある。
もちろん、この事実に当人はなかなか気づけない。
なぜなら無意識は意識できないからだ。
こういった深層心理の問題は、疾病利得にもつながるのでかなり複雑だ。
しかし表面的に見えているところではなく、深層を想像して接し方を変えると根本原因にアプローチできて、表層の問題自体が収まることもある。
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