HSPと自他の境界線「バウンダリー・オーバーとは?」
人間関係で最も大事なのは距離感なのではないでしょうか?
僕はドライに、家族は最も親しい他人と捉えて、家族との距離感の近さを基準にして、友人、知人、仕事関係の人との距離を決めています。
先日、投稿した記事で「人との間合い」について触れました。
バウンダリー・オーバーという言葉があります。
バウンダリーとは境界線という意味なので、バウンダリー・オーバーとは境界線を越えることを指すのですが、自他の境界線は可視化しづらいため、踏み込んでから、あるいは踏み込まれてから「あっ、バウンダリー・オーバーだったのか!」となることが少なくありません。
「なんかこの人といると、息苦しくなる」「支配的に感じる」と思う相手は、もしかしたら境界線を越えて、こちらへ侵入しているのかも?
これが国家同士だったら、領空侵犯となり国防のため攻撃に転じるという事態になりかねません。
国家間の戦争も、人間の揉め事も、結局本質は同じのようですね。。
バウンダリーに悩むHSP気質の人は少なくないと感じています。
僕が度々、定義しお伝えしている自己愛さん。
彼ら彼女らの多くは、バウンダリー・オーバーを起こしやすいんですね。
一方的に期待して、その通りに動かなければ腹を立てたり、ときには攻撃的になったりするのは、その時点で境界線の引き方を間違えている証拠でしょう。
自身への「この人と長期的に上手くやっていけそうな関係を築けそうか?」という問いかけは重要です。
ずっとほどよい距離で仲良くできる人というのは、相手に過度な期待をしないですし、今の相手がどういう状態かをしっかり想像します。
またバウンダリーは相手のコンディションや状況次第で引き直す必要があるのです。
ずいぶん前の話ですが、僕がまだ20代の頃に、ある先輩と言い合いになったことがありました。
その先輩は他者に対して過干渉気味で、親しい男性に対して親のように振る舞い「ああしろ、こうしろ」と命令をしていました。
普段なら他人の関係に口を挟まない僕なのですが、ついつい見ていられなくなり「もうちょっと、彼を放っておいてあげたらどうですか?」と意見具申してしまいました。
すると先輩は顔を真っ赤にして「ちがうんだ! あいつは、俺がいないとダメなヤツなんだ」「俺はあいつがかわいい。だからこそ、あいつが失敗する前に、先回りして危険を察知して、セーフティーネットを提供してやる必要がある」と返されました。
「転ぶ前に毎回、先回りして無理やり転ばないようにしていたら、その人は受け身も覚えられないし、転んだ後の起き上がり方も永久に覚えられないですよ」
みたいなことを、ムキになって言い返した記憶があります(この時の僕もバウンダリー・オーバーして、先輩と近距離の打ち合いをしてしまってますね…笑)。
この先輩は率先して、生きづらい人の世話人的ポジションにつきたがる人でしたが、今となってはわかります。
世話を焼く人を見つけて、その相手に依存していただけなのでしょう。
この先輩は、よく人間関係での揉め事を起こしており、最後には「いつも、俺は裏切られる」「あいつのためを思って、世話してやったのにまた逃げられた」と、こぼしていました。明らかにバウンダリー・オーバーを起こしていたのですね。
相手を信頼していれば、バウンダリー・オーバーはそんなに起こさないと思います。
ただし恋愛相手や家族などは、心理的距離がかなり近くなるので、バウンダリー・オーバーを起こしやすいのも理解できます。
人間関係で「あれ、何か心がしんどいぞ!?」と感じたときには境界線の引き直しを意識することで、改善が見込めるかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?