HSPにおすすめの本「心がつながるのが怖い 愛と自己防衛」イルセ・サン
最近、これまでの自分を振り返った際に、重要なキーワードがふたつ出てきました。
・対象喪失の恐怖
・過度な自己防衛
これらについて深堀したとき、今の僕が抱える問題にぴったりの本が見つかりました。
イルセ・サン氏の「心がつながるのが怖い 愛と自己防衛」です。
彼女はHSPに関する深い考察をされており、
こういった著書も書かれています。
感情を完全に意識する
さて先日「長年、感情に蓋をしていた」という記事を投稿しました。
なぜ自分が奥底にある悲しみへ目を向けずに、感じることを回避しようとしていたのかといえば、愛着対象を失う恐怖が大きかったのだと思います。
今でも変わらず、その恐怖心は持っています。
人間の無意識は知らず知らずに作用しますので、悲しみに直面することを避ける行動として、人と感情的な交流を避け仮面をつけて多くの人間と関わることを選んできました。
社会的なペルソナをつけることには、もちろんメリットがあります。
しかし仮面を外して心の交流をしたいときにまで、仮面を脱げなくなっているとしたら、それは問題です。
本書で書かれている「悲しみを避けるために人間関係を避けてしまう人たち」は、自分に該当すると感覚がありました。
イルセ・サン氏は本書の中で「感情を完全に意識する」ことの重要性を説いておられます。
また、いつも大人であろうとする厳格な自分が、自身をコントロールしようとすることにストップをかけることで、起こる退行についても触れておられます。
退行と言うのは防衛機制の一種で、幼少期の精神状態へ戻ることを指します。
「退行からの脱却」として、本書の中で次のように書かれています。
悲しみだけでなく痛みも感じとる
本書で強く印象に残った箇所を、ふたつ引用させていただきましょう。
怒りが二次的な感情であり、一次的な感情が悲しみ、不安、恐怖であることは、これまで学んでいましたが、痛みという視点が抜けていました。
僕はHSP気質ということもあってか、かなりの「痛がり」で、物理的な痛み、精神的な痛みを避ける傾向が強いです。
自分のことを「怖がり」だと自覚していましたが、それだけでなく「痛がりである」という事実を、本書を読むことで理解できました。
苦手な人に痛みを感じていた
また僕がずっと苦手にしている
・常に場の主役であろうとして一方的にしゃべり続ける人
・他者を雑に扱う人
が、なぜすごく苦手で拒絶反応が起きるかも、少しだけわかりました。
信頼していない人に主導権を握られる不安があるのも確かですが、他者へ愛情を向ける習慣がない、自己執着の強い利己的な人とのコミュニケーションの中で、度々、痛みを感じていたんですね。
人と一緒にいるときにスマホばかり目を向け、誰にも関心を向けない人がひどく苦手です(自分と向き合わず、スマホの操作によって、寿命を浪費し続ける人もまた苦手です)。
心の交流を望む僕は、こういう人といるとき、僕の心は痛むのだと思います。
最後に、本書で勇気を得た箇所をご紹介して締めさせていただきます。
と人間の可能性に触れた箇所。
防衛する必要がないのに、過剰な防衛を続けている「不適切な自己防衛」をやめた際、自己を解放でき、また新たな人間関係を育んでいけるのではないか、と感じました。
HSP気質の方は、共感する部分や学びに繋がる部分が多いので、おすすめの一冊です。
とても繊細な筆致で、優しく語り掛けてくるような本でした。
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