『「子供を殺してください」という親たち』に登場する毒親には共通点が…「親が子供に無関心だと家庭が地獄になる理由」
昨年の夏頃に、こんな記事を投稿した。
僕の友人の父は、国から表彰されるほど、ある研究で功績を収めた人だった。しかし自分の子供には徹底的に無関心を貫いた。彼は子どもに目を向けることなく、研究に没頭した。
その結果、子どもは精神の状態がどんどんすさんでいき、やがて刃物を振り回す騒動を起こすにいたる。家庭の崩壊に反して、この父親は仕事でどんどん評価されていった。
家族の幸せな顔を見るよりも、自分が研究で対外的に評価されることばかりを優先し続けた友人の父親を、僕は激しく嫌悪した。
さて最近『「子供を殺してください」という親たち』の漫画を読んでいたのだが、子どもが歪な形で成長する家の親は総じて何かがおかしい。
多いのはやはり子供への無関心。血のつながった子供であるのに、まるで自分とは無関係な人間のように扱う親も少なくない。
トキワ精神保健事務所・所長の押川剛さんは、社会と関われなくなった子供たちを、社会へのつなげる仕事に、日夜従事しておられる。
こちらが実際の押川さんの動画だ▼
彼は非常に迫力ある人物だが、人間の闇や地獄を知悉しているため、きれいごとを言わずにひたすらとるべき行動をとる。
「人間関係をしっかり結べれば、それが自己防衛につながる」というのが押川さんの持論である。
だから彼は初対面の相手と、たった数分で関係を築く。
本気と覚悟が伝わるのだろう。それまで親に関心を向けられなかった子供の心を、押川さんが一瞬で掴む様は圧巻である。
人間には自分のことばかり考える性質が備わっている。家族を持つことは、そこから脱却することだ。自分以外の人間に心からの関心を抱く。
生まれてきた子供が、最初に接する他人は親だ。
その親が人に関心を抱けないパーソナリティの持ち主だった場合は、往々にしてその家庭は地獄と化す。
『「子供を殺してください」という親たち』は、そんな現代の地獄を克明に教えてくれるリアルな作品である。