2022-08-08
村田沙耶香『生命式』を読んでいる。
最近では珍しい連作でない短編集である。芥川賞を獲った作家は、特にエンタメ性があるわけでもない短編集を刊行できてしまうくらい商業力(しょうぎょうぢから)があるらしい。素直に羨ましい。
まだ、途中までしか読めていないのだが基本的に倫理や世界の歪さを様々な角度から切り込んでいく話が多い。それから、『コンビニ人間』にも言えることなのだが、いい感じに文学的アイロニーを描くのがめちゃめちゃ上手い。『素晴らしい食卓』なんかは流石に喝采してしまった。こうい