見出し画像

週刊オールライター第76号「16年ぶりの東京ダービー その裏で起きた事件」

 2024年4月13日土曜日、サッカー・J1の舞台で実に16年ぶりとなる
「東京ヴェルディVS FC東京」
の対戦、つまり「東京ダービー」が開催されました。私は当日、アルバイトとして携わらせていただいたのですが、面倒ごとに巻き込まれて就寝するまで機嫌を損ねました。
今回は、この東京ダービーの裏で起きた事件と私の心境をお送りします。


1. 大前提として 「ダービーマッチ」とは

本題の前に、サッカーにおける「ダービー」とはどういう意味かわからない方もいらっしゃると思うのでここで説明します。
サッカーにおける「ダービー(ダービーマッチ)」とは、同じ市町村・都道府県をホームタウンにしているチーム同士の対戦を指します。

〈例〉
・さいたまダービー(浦和レッズVS大宮アルディージャ。さいたま市をホームタウンとするチーム同士の対戦。)
・横浜ダービー(横浜F・マリノスVS横浜FCなど。横浜市をホームタウンとするチーム同士の対戦。)
・静岡ダービー(ジュビロ磐田VS清水エスパルスなど。静岡県にホームタウンを置くチーム同士の対戦。)
・大阪ダービー(ガンバ大阪VSセレッソ大阪など。大阪府にホームタウンを置くチーム同士の対戦。)

また、ダービーマッチの特徴として、以下の点が挙げられます。

・どの試合よりも盛り上がりやすい
・盛り上がりやすい分、敵意剥き出しになるためタガが外れた一部のサポーターによってトラブルが起きる

今回取り上げるのは、東京ヴェルディとFC東京の対戦
「東京ダービー」
です。上記2点の特徴を踏まえた上で以下の本文をお読みになってください。

2. 当日起こったこととは

当日は朝から恐怖でした。私はヴェルディのホームゲームのアルバイトをたまにさせてもらっていますが、この日のヴェルディの対戦相手がFC東京と知った瞬間に怖くなりました。私が小6の頃、小学校の大先輩で浦和・大宮などに在籍していた某選手が講演会に来てくれたのをきっかけとして彼の「追っかけ」を中2でサッカーから野球に転向するまでやっていました。その中で見ていた情報番組などでさいたまダービーと浦和サポの過激さは知っていたこともあり、その当時の記憶からダービーマッチの勤務はキツくなると覚悟しました。

上司の態度も、警備員さんに
「そこ荷物置くんじゃねぇよ」
と当たりが強かったり、仕事の説明の際に
「ヴェルディサポーターには昔なんとかさんって人がいたんだけどヴェルディのこと相当憎んでて今FC東京のサポーターになったのよ。だから面倒ごとが起こりやすいから気をつけて。」
と注意を促していたほどだったので、今思えば
「上司も相当怖かったんだろうな」
と思っています。

その予想は、残念ながら的中することとなってしまいました。
仕事に関係のない話題を振られたり、仕事の邪魔をするようなちょっかい発言を浴びせられたり、本当に散々な目に遭いました。
ここまでちょっかいを受けるのは小学生の頃以来で本当にショックを受けました。

このせいで、「FC東京サポーターは民度が悪い」という第一印象がつきました。第一印象は変えられるものではありません。一度そのように思ってしまうとなかなかイメージを変えずらいですからね。
そして交代要員と交代してトイレに向かう従業員エレベーターで誰もいないことをいいことに
「あーーーーーーー!!!」
と叫んで怒りを露わにしました。
その後の勤務ですが、自分でもわかるくらい顔が死んでいました。

そしてハーフタイム頃にようやくバイトが終了。バイト終了後にLINEを覗きましたが、私の好きな野球でも、応援しているライオンズが大嫌いな某選手にホームランを打たれる有様だったことがわかり、怒りは限界突破。ライオンズファンの友人がさらに話を広げようとするので、怒りが限界突破した私は

「ごめん
今日はもうしんどい」

とこちらから話の骨をボキッと折ってやめさせました。流石に友人も焦ったのか

「すまん
今日はゆっくり休みな」

と返してくれました。
さらに、親へ帰宅する旨を伝えるメールに至っては

「帰る
機嫌悪い」

と余計なひと言を送ってしまい、心配をかける有様でした。
今すぐにでもリュックを蹴っ飛ばしたり、大声を出したり、この不快な状況から逃げたかったのですが、逃げ場がなく、分倍河原駅で南武線を待っていた際に持ってた麦茶の空きペットボトルを踏み潰すしかありませんでした。

3. 「第一印象が確信に変わった」瞬間

帰宅途中、お世話になっている鉄道ライター・栗原景さんのX を見ると、今日の東京ダービーについて

「ほんと平和にやってほしい」

と苦言を呈している投稿を見ました。私は栗原さんのおっしゃっていることをほとんど信用しているので、この瞬間
「栗原さんがそう言うなら本当にヤバい」
と確信を持ち、より感情がマイナスになりました。後に栗原さんとお話ししましたが、その際に

「FCサポにーーーーーーーーーのーーーー氏がいるので、我こそはJサポって意識が強いんです。東京ガス時代からの長いサポーターも多いですから。」
(団体名も氏名も出すのもキツいので伏せ字にさせていただきました。上司の注意喚起の際にで出てきた「なんとかさん」に該当するのはこの人です。有名ですのでご存知の方も多いかと思いますが、誰かわからない方はご自身で調べてください)

と解説をいただき、やはり上司の言っていたことは本当だったのだと感じ、より怖くなりました。
自意識過剰を人に差し向けて何の徳があるのだ、と余計にむしゃくしゃして、帰ってきて横になった瞬間頭が痛くなり、吐き気もしました。

これまでのアルバイトで、炎天下の中働いて痛み・火照りを伴う日焼けをしたり、重い物を運んで筋肉痛を引き起こしたり(重度の帯状疱疹のトリガーが引かれた原因でもあります)と、体にダメージを与えるようないわゆる
「物理的にキツかった」
ことは何度かありましたが、精神的にダメージのくる
「精神的にキツかった」
ことは初めてだったのでショックでした。

4. ヤケの焼肉

私は寝ればある程度スッキリする人間ですが、側からみれば打たれ弱すぎる人間でもあるので、過激な一部のサポーターによって負わされた心の傷は完全には癒えませんでした。ですので、翌日の夕方に父から
「晩飯何がいい」
とリクエストを要求された際に私は
「(やけ食いしたいから)焼肉が食いたい」
と一点張り。結果的に近所の焼肉きんぐに行くことになり、ごはんも冷麺も肉もイカもたこ焼きも・・・ありとあらゆるメニューを胃に詰めて詰めまくり、うざを晴らしました。これでようやくスッキリできました。

むすびにかえて

ダービーマッチが荒れやすいのは、同じ地域で優位になりたいからです。それはわかります。だからといって、相手やスタッフに対して悪口や罵詈雑言を浴びせたり暴行を加えるのはスポーツマンシップ違反を通り越して犯罪になります。

純粋に楽しみたい人への配慮をしてください。それが本当の「オタク」「ファン」というものなのではないですか!?

それではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?