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サッカーのサポーターは確証バイアスを利用した娯楽活動なのかもしれない

認知バイアスについて調べてた中で、最もキーワードとして出てくる確証バイアスについて調べていました。

(注意:私は心理学の専門家ではないので、ご留意の上で読んで下さい。)

自分の考えが正しいと思い込む「確証バイアス」

確証バイアスとは、自分が「正しい」と思っている考えを信じ込む現象を言うそうです。確証バイアスに陥ると都合のいい情報に目を向けやすい一方で、都合の悪い情報を遮断してしまうそうです。

例としては血液型占いやFXトレードといったのが目に付きました。血液型占いは科学的根拠がありません。実態は大抵の人に当てはまるようなことを告げているだけです。しかし血液型占いは当たると思い込んでいると、告げられた内容と自分の性格を都合よく合致させて、改めて「血液型占いは当たる」という思い込みを先鋭化させます。

ツイッターなどで議論していて、都合が悪くなると論点をすり替えたりブロックして逃げる人を稀に見かけます。この行動も確証バイアスによる行動だと思いました。

確証バイアスはマーケティングや詐欺の手法として用いられることもあります。広告などに都合の良い情報を散りばめておくと、顧客を確証バイアスに陥らせて購買行動に結び付けられるようです。マーケティングを仕掛ける側としてはぜひ知っておきたい知識です。

一方で、マーケティング等を仕掛けられる側としては人間の思考における欠点としても扱われているようです。いかに確証バイアスに陥らずに客観的に物事を見るかという回避策を提言する記事も多く見られます。

ビジネスを行う場面では確かに確証バイアスは邪魔な存在です。重要な判断をしなければならないとき、確証バイアスによって大きな判断ミスを引き起こす可能性があります。

確証バイアスを克服してみる

どうやら確証バイアスは人間の欠点そのもののようです。確証バイアスを克服することで私たちはより生産性の高い生活を送れるかもしれません。

確証バイアスを克服するためにはどうしたらよいでしょうか。それはとにかく「疑ってみる」のが重要なようです。どれだけ正しいと思っても、疑ってみることで確証バイアスによって無視していた情報に着目できるようになります。その結果として、客観的に物事を見れるようになり、確証バイアスから開放されます。

それではやってみましょう。私はいま1つの確証バイアスにかかっています。それは『確証バイアスは人間の欠点そのもの』という考えです。

サポーター心理は確証バイアスそのもの

確証バイアスは人間の欠点でしかないのでしょうか。確証バイアスが自らを豊かにする例もあるはずです。

そう考えた中でひとつ、例を見つけました。それはサッカーなどの「サポーター」です。野球やバスケでも同様かと思いますが、私が説明しやすいようにサッカーに限定します。

Jリーグなどサッカーチームを応援する熱狂的なサポーターの行動は確証バイアスの塊です。

サッカーの試合はかならず決着がつきます。しかし、両チームのサポーターは両方ともが我チームが勝つと思い込んでいます。戦力が拮抗する相手であればまだ分かりますが、どんなに戦力差があっても我がチームが勝つと思い込んで試合観戦に臨んでいます。

勝つと思い込む根拠は非常に曖昧です。

・ストライカーの調子が良い
・ホーム戦は勝つ確率が高い
・対戦相手との勝率が良い
・雨の日は負けない
・相手の主力選手が出場停止
・自分たちのほうが相手より順位が上
・俺が来たから勝つ

色々と浮かびます。一見してそれっぽい根拠も紛れてますが、残念ながら全部思い込みです。特にサッカーは比較的に戦力差を覆されやすい競技です。どんなチームであっても絶対に勝てる試合などありえません。それ故に、どんな根拠を並べても自チームが目の前の試合に勝つ裏付けになりません。

さらに言うと、例に上げた根拠は対戦相手が勝つ可能性は一切排除しています。都合の悪い意見を排除する行動は、確証バイアスが引き起こす行動そのものです。

サポーターはこうして適当に都合のよい情報を寄せ集めて勝つと思い込んで勝手に盛り上がっているのです。

サポーターは確証バイアスを楽しんでいる

この例が面白いのは、確証バイアスに陥っているサポーター当人たちは自らの非論理的な考えに気がついています。なぜならサポーターは「絶対に勝てる試合など無い」というのはよく知っているからです。

そのうえで、試合までに応援するチームの情報を得てはポジティブな情報を都合よく集め、勝つ気満々でスタジアムに向かいます。勝ったらお祭り騒ぎをし、負けたら現実から目を逸らしつつ、次の試合こそ勝つと思い込み始めます。

サポーターのこのような行動は欠点でしょうか。私は決してそうとは思いません。

サポーターは「確証バイアス」という単語は知らずとも、意図せずこの非論理的なサイクルを平和的に楽しんでいます。

サポーターの行動を確証バイアスだけで説明するのは無理があるかもしれません。より多用な心理現象が絡んでいると思います。今後も心理学について学んでいこうと思うので、別の切り口で同じ例を使う時があるかもしれません。

とりあえず、確証バイアスが娯楽として成立している例もあるというのは示せたと思います。自らの脳内では確証バイアスというのが起きうるというのを認識しつつ、上手く付き合っていきたいですね。

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