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週刊オールライター第7号 「世界に一つだけの花」の歌詞が持つ力 〜私の経験談〜

 こんにちは。HISASHINJOです。前回の臨時特別号、ゲリラ配信的な感じになって驚かれた方もいらっしゃったのではないでしょうか。あまりにも悲しくなったのでこの思いが伝わって欲しいという一心のもと配信しました。
さて、今回は定期配信としては7号目になります。少し重い話にはなってしまいますが、私の感じたことをわかっていただければ嬉しいです。日本が世界に誇る名曲「世界に一つだけの花」についてのお話をします。

0. おことわり

 まず本編に入る前に「おことわり」を添えないといけません。この記事に書かれている情報、特に「3. 歌詞に込められた意味と社会的形容」に書かれている情報に関しては不確定または事実と異なると思われる情報があるかもしれません。ライターになるという目標に向かってこの配信を続ける身ではありますが、事実と異なる記事を書いてしまうのは全くもって言語道断であります。もし、違和感を覚えたり、事実と違うとはっきり感じた場合は遠慮なくnoteのコメント欄やTwitterのDMから遠慮なくお申し付けください。
それでは本編に入ります。

かつて京急の羽田空港第3ターミナル駅では「世界に一つだけの花」が接近メロディーとして使われていました。

1. 「世界に一つだけの花」とは

 そもそも「世界に一つだけの花」ってどんな曲なのかわからない人もいらっしゃるでしょう。というよりそのような世代が産まれてきています。なのでここで概要を説明しましょう。

 世界に一つだけの花は、元々かつてジャニーズ事務所に所属していた男性アイドルグループ「SMAP」が2002年7月24日に出した14枚目のアルバム「SMAP 015/Drink! Smap!」に収録されていた曲でしたが、メンバーの木村拓哉さん
(今後、私の記事でSMAPメンバーを次のように表記します。
中居正広→中居さん
木村拓哉→キムタク
草彅剛→剛
稲垣吾郎→吾郎ちゃん
香取慎吾→慎吾ちゃん
森且行→森選手または森且行選手
森選手は私の尊敬する方であるため、普段から「選手」という敬称をつけています。ちなみに私はプライベートでの会話でも「さん」「選手」などの敬称をつけて呼ぶ人は中居さんと森選手だけです)

「この曲をシングルとして改めて発売したい」
と申し出たことで2003年3月5日に改めてシングルバージョンが発売された曲です。

 作詞作曲は槇原敬之さん、振り付けはKABA.ちゃんが担当しています。この振り付けも実はキムタクがKABA.ちゃんに
「みんなが一つになれるような振付をつけてほしい」
と要望したものです。

 こうしたキムタクの尽力もあって、平成で最も売れたシングル曲であるのみならず、宇宙飛行士の野口聡一氏が紹介したことで世界にも名前が知られることになりました。中国では中国語版も発売されています。

2. 「世界に一つだけの花」と私

 歳がわかってしまうかもしれませんが、私は「世界に一つだけの花」と同学年です。
幼稚園の時にはすでに中居さん(火曜)、慎吾ちゃん(月曜)、剛(金曜)の3人が「笑っていいとも!」という、かつてフジテレビで放送されていたお昼の番組に出ていたことなどでSMAPの存在は知っていました。そんな時に母から
「世界に一つだけの花とあなたは同い年だよ」
と教えられてから幼稚園児の身でありながら私は同い年であることを強く意識するようになりました。
きっと仲間を手に入れたような感覚だったのでしょう。
私は「世界に一つだけの花」と同い年であることに誇りを持って生きています。平成で最も売れて社会現象まで巻き起こしたほどの曲と同い年であること自体、奇跡と思うようになりました。もっとも、それに気がついたのは「6人目のSMAP」であり、オートレーサーである森且行選手のことを尊敬してからSMAPのことをより強く意識したからなのですが。

3. 歌詞に込められた意味と社会的形容

 槇原敬之さんが作った素晴らしい歌詞。その背景にはこんな事情がありました。
1999年に槙原さんは覚醒剤取締法違反で1度目の逮捕を受け、それで自分を見つめ直す機会に仏教に出会ったそうです。槙原さんは大きな影響を受け、これまでの私小説的な作風とは異なる人生をテーマとする作品を手がけるようになり、その成果が本曲だったそうです。冒頭と最後に歌われる「ナンバーワンにならなくても良い もともと特別なオンリーワン」という歌詞はこの曲の主題になっています。これは、「天上天下唯我独尊」という仏教の教えが念頭にあるそうです。この「天上天下唯我独尊」という教えは、お釈迦さまが生まれた時に言った言葉とされます。摩耶夫人の右脇から産まれたお釈迦さまはその直後に七歩歩いて右手で天を、左手で地を指差してそのように言ったという逸話があり、しばしばお釈迦さまを崇める言葉として多用されます。つまり、この意味を現代語に置き換えた言葉こそ

「ナンバーワンよりオンリーワン」

になる、ということなのでしょう。
 また、浄土教の根本たる教書の一つ、「仏説阿弥陀経」に「青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光」という一節があり、それが元になったとも槙原さんは言います。これは

「浄土の世界には様々な色の蓮華が咲き乱れているが、そこではそれぞれがそれぞれの個性を持っていて何にも変えられない尊厳性を認め合いそこにいる」

という内容です。また、いくら他に沢山のバラがあろうとも自分が美しいと思い精一杯の世話をしたバラはやはり愛おしく、自分にとって1番のバラなのだと悟るという「星の王子さま」のお話も元になっているそうです。

 このような背景もあり、「世界に一つだけの花」が発売された時、ニュースキャスターでジャーナリストの筑紫哲也さんは自身がメインキャスターを務める番組内で
「反戦歌」
と評しました。この当時、イラク戦争が起きていたのです。このこともあってこの年の紅白歌合戦で歌った際には人命の大切さを訴え平和を求めるメッセージがメンバーから発信されました。衣装もこうした世界情勢に配慮し、何者にも与しないという意味だったのでしょう、衣装は全員白色のスーツでした。
なおSMAPはこの2年後にも「Triangle」という曲を出しており、こちらも反戦歌として今、注目されています。

4. 学歴コンプを治した?

 この曲は私にとって大きな問題かと思われていたあるものを取っ払い、くだらないことで悩んでいた私自身を批判するきっかけにもなってくれました。
その問題とは「学歴コンプレックス」でした。

 私は大学受験に事実上「失敗」しています。第2志望だったところに補欠で引っかかり、そこから繰り上がって現役合格したことで現在その大学に通っていますが、大学のレベルは決して高いとは言えません。もっと勉強していれば第1志望の大学も受かったはずなのに私は高校3年間全く勉強しませんでした。完全な自業自得です。
そんな私は、この大失敗を理由にして、私の好きな女性アイドルグループにかつて在籍していて、私と同じ「歴史好き」であることで親近感を持っていたはずのある元メンバーのことを
「直視できない」
と彼女を推しにしていた友人に漏らすほどくだらないことをしていました。彼女は超有名大学卒業。勉強をせずに大学受験に失敗して「実力と運」ではなく「運だけ」であまり有名であるともレベルが高いとも言えない大学の合格を掴み取った私とは雲泥の差があり、これに劣等感を抱いたことで学歴コンプレックスを持つようになりました。彼女には罪もないですし、嫌いなわけでもないですし、そもそもそのアイドルグループ自体嫌いになったことは一度もありません。それなのに、このような身勝手な理由で自分から遠ざけてしまいました。
今考えれば本当にくだらなさすぎることですが、私はそれに気が付きませんでした。ふとしたことで「世界に一つだけの花」の歌詞の意味を考えるまでは。

 剛の担当する1番のサビ手前のパートに

「それなのに僕ら人間は どうしてこうも比べたがる? 一人一人違うのにその中で 一番になりたがる?」

という歌詞があります。
ある時、ふとしたことから私はこの歌詞に私自身を当てはめて考えていました。そしてやっと気がついたのでした。
私は比べてしまっていました。
「私自身」と「彼女」
を。


通っている大学のレベルは高いとは言えませんが、将来の目標を見つけることができたという、とても大きな経験値を得ることができました。それこそ「ライターになる」という目標です。大学のレベルで比べても何の徳もないことをこの時悟りました。
「私には私の夢がある。目標がある。大学のレベルが低くたっていい。夢を(目標を)実現するための努力さえすればこの大学にいてよかったと思える日は必ず来るはず。だから『オレの道をいく』と決めたその道を走れば立派な『オンリーワン』が形成されるはずだ」
という思想に至り、ようやくコンプレックスからの脱却ができました。

5. むすびにかえて

 最後までご覧いただきありがとうございました。
よろしければ「スキ」「フォロー」もよろしくお願いします。
また、Twitterもやっていますのでそちらのフォローもよろしくお願いします。
 次回の配信は12月24日になります。年末も近いので2021年の振り返りをします。
それでは最後に歌詞を書いてこの記事を締めさせていただきます。

HISASHINJO Twitterアカウント

https://twitter.com/HISASHINJO


〈世界に一つだけの花〉 歌詞

NO.1にならなくてもいい もともと特別なオンリーワン

花屋の店先に並んだ
いろんな花を見ていた
人それぞれ好みはあるけど
どれもみんな綺麗だね

この中で誰が一番だなんて
争うこともしないで
バケツの中誇らしげに
しゃんと胸を張っている

それなのに僕ら人間は
どうしてこうも比べたがる?
ひとりひとり違うのにその中で
一番になりたがる?

そうさ僕らは
世界に一つだけの花
ひとりひとり違う種を持つ
その花を咲かせることだけに
一生懸命になればいい

(間奏)

困ったように笑いながら
ずっと迷ってる人がいる
頑張って咲いた花はどれも
綺麗だから仕方ないね

やっと店から出てきた
その人が抱えていた
色とりどりの花束と
嬉しそうな横顔

名前も知らなかったけれど
あの日僕に笑顔をくれた
誰も気づかないような場所で
咲いてた花のように

そうさ僕らも
世界に一つだけの花
ひとりひとり違う種を持つ
その花を咲かせることだけに
一生懸命になればいい

小さい花や大きな花
一つとして
同じものはないから
NO.1にならなくてもいい もともと特別なオンリーワン

ラララ・・・

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