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#短編小説
(終われない人たちに)タイトル未設定
「メダカの学校は川の中……メダカ以外の学校はどこにあんすか」
「川の外じゃない?」
「ふうん」
担任の先生はちょっと笑いながら答える。保健室の隅。保健室の先生がベッドで休養している生徒に話しかけている。一ヶ月前から保健室登校を繰り返している。べつに何かあったわけじゃない。先生たちは私が急に教室に行かなくなったことを心配しているらしい。繊細そうにも、友人関係に不和があるようにも見えないからだろうか
カンガルーについての一考察
高校二年生の冬に書いた小説
以下本文
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カンガルーについての一考察
有袋類は、はたして形態から自由なのか、不自由なのか。思考のうわべの部分でずっと考えている。膝を掻く。血が出る。左膝だけに茶色いカサブタが増えていく。カンガルーについて考える。それも、本当に考えているわけではない。小学生が将来の夢を考える程度に儚い。何分、何時間こうしているんだろうか