2022年3月24日W杯アジア最終予選第9節オーストラリア対日本DAZN観戦の感想

勝てばカタールワールドカップ本大会出場決定、負ければ最終節次第だが自力突破が無くなるという、まさに運命の一戦として、オーストラリアとのアウェイ戦がやってきました。

決められるならこの試合で決めたいものですが、引き分けなら最終戦のアウェイでのベトナム戦で負けなければ突破確定という状況になりますので、最悪引き分けということを頭に入れながらの戦いとなります。

大迫、酒井、冨安ら不動のメンバーが怪我で抜けたものの、第4節のオーストラリア戦からの中盤3人は変わらずで、フォーメーションも戦い方もこれまでと変わらないことは間違いありません。

対するオーストラリアも主力メンバーが怪我や家庭の事情で出られないこともあり、日本以上に苦しいメンバー編成のようですが、オーストラリアとしても2連勝すれば自力突破出来るわけですから日本以上に勝ちにこだわってくるはずです。

1トップとして出続けていた大迫の代わりは浅野が入りましたが、前掛かりになりそうなオーストラリアに対してスピードで優位に立てる浅野の先発起用は結構当たりかも知れません。5年前のワールドカップ出場を決めた試合でも先制ゴールは浅野でしたし、第4節のオーストラリア戦での決勝点のオウンゴールを生んだのも浅野でした。非科学的かも知れませんが、浅野の対オージー適性はあるでしょう。

今日の試合会場では朝からずっと雨だそうですが、キックオフ時点でも画質の悪い映像越しでも分かる大雨っぷりです。

最初の5分の試合の入り方はどちらも慎重でした。どちらかというと日本が悪くない展開でしたが、10分には左SBの長友がイエローカードをもらいました。もったいないと言えばもったいないですが、ほぼ毎試合中山と交代していますので、そこまで2枚目をもらわなければいいのです。

日本は自陣でボールを持っているときに相手のプレッシャーがあれば大きく蹴る、という無理なつなぎをしないことは意識しているように思えます。15分には今度はオーストラリアのメトカトーフにイエローカード。早くも両チームに警告が出たというのは、それだけお互いに厳しく当たっている証拠です。

19分には浅野、南野とつないで長友がクロスかシュートか、GKのブロックに遭います。ここまでで一番のチャンスでした。

オーストラリアの攻撃はそれほど良さを感じませんが、コーナーキックなどセットプレーでの怖さは依然としてあります。ただ、キッカーの質がそれほどではないかなとも思えますが。

23分にはオフサイドになりましたが浅野が裏を取る動きもあり、今日の攻め方の一つはこれだというポイントはハッキリしています。

24分にはコーナーキックのボールを権田がパンチングできず、後ろにいた山根に頭に当たってまさかのオウンゴール、と思いきや、その前のオーストラリアのファウルを取ってノーゴールとなり助かりました。

28分には相手PA内で南野がシュートを放つも左に外れました。直後にはオーストラリアのシュートを権田がキャッチ。

32分には伊東のクロスを南野が頭で合わせるも、クロスバーに当たって真下に弾かれてしまいました。立て続けに南野のチャンスが出てきましたが、お互いに結構攻め合う展開になってきました。チャンスはありますが決めないと嫌な予感もしてきます。いっそのこと膠着状態で90分過ぎてしまった方が良いかもしれません。

個人的予想ではオーストラリアが攻めて日本がカウンターを狙う展開になるかと思っていましたが、前半はむしろ日本がボールを保持して攻め、オーストラリアがカウンターで一気に攻めてくるようなサッカーになっています。

37分には左サイドを完全に突破した長友がシュートを打たずにクロスを入れ、南野の当たり損ねたシュートがまたもやクロスバーに当たってしまいます。

チャンスはあるしテクニックもあるけれど決められないという今日の南野のプレーには、代表とセレッソでの先輩に当たる香川の悪い時に重なります。

40分にも南野のヘッドもGKキャッチ。直後に右サイドからのクロスをデュークがどフリーでヘディングシュートを放ちました。これは権田の真正面だったから良かったものの、決めるべき時に決められないためにオーストラリアにも同数近くのチャンスをカウンターで与えてしまっています。

43分には吉田が一人で素晴らしいタックルを決めてピンチになる前に防ぎました。

その後も結局得点は決まらず0−0で前半終了。ポゼッション率もシュート数も日本の方が上回っていましたが、決定機そのものには大差なかった前半でした。

展開も内容も事前の予想とは誰もが異なっていたと思いますが、後半に日本側から戦い方を変えるのは難しいところです。オーストラリアの方が先に動いてくるでしょうけれど、そこをしのげればチャンスが来るはずで、そこで決めてしまえば後は楽な試合になります。

後半開始からオーストラリアはカードをもらっていたメトカトーフを交代させました。戦術的な交代なのか、2枚目のカードが怖いためか。多分どちらもあるのでしょう。

後半開始直後に直接フリーキックで狙われましたが権田が落ち着いてパンチング。その後にもデュークのシュートは辛くも枠を外れました。

しかしその後はまたどちらかというと日本ペースで、54分には浅野のボール奪取からのファウルでステンスネスにイエローカードが与えられます。

それでも62分には中央突破から浅野が反転してシュートもGKにキャッチされます。その直後の波状攻撃は実りませんでしたが、解説の岡田氏も言っていたように、前半のオープンなサッカーよりも落ち着いた内容になりました。

63分に日本が動きました。いつもの長友から中山へのスイッチは想定内ですが、結構早い時間で浅野からJリーグで好調の上田綺世への交代となりました。

浅野は得点アシストは無かったものの持ち味を発揮しまして、大迫の穴を埋めたと言える出来でした。

遠藤・守田・田中の中盤トリオはかなりの安定感を見せてくれています。守田は多分今後も代表の主軸になるのではないでしょうか。

69分、日本に次いでオーストラリアも2人交代。

70分には上田がシュートも枠の右。その前にもGKに猛然とチェックに行くシーンがあり、その後にも相手からボールを奪えるシーンもあり、上田の状態の良さを感じます。引き分けを意識しないといけない時間帯には、前線で正確なボール奪取にいける上田の存在は貴重です。

後は疲れてくるはずの伊東と南野を誰に代えるかですが、原口が第一選択肢でしょう。

80分には伊東、守田とつないで南野のシュートもまたブロックに遭って決められず。後半これまでで最大のチャンスでした。

84分には田中と南野を下げて原口と三笘を投入。オーストラリアも4人目の交代です。いよいよ終盤です。オーストラリアは死に物狂いで得点を狙い、日本は失点しないことを最優先にしつつ攻める姿勢を見せつつ、というサッカーになってきます。

気が付いたらピッチ上は雨が止んでいるのでしょうか。もっと前からそうだった気がしますが雨どころではありません。

87分には最終予選の新星、伊東がシュートもGKが防ぎました。

その後も右サイドから攻め続け、89分、守田のパスに山根が折り返して入って来たのは三笘薫! これで日本が先制してワールドカップ本大会出場に大きく近付きました。

残るアディショナルタイムは4分。後は守りを固めるかと思いきや、左サイドの最も得意とする位置から三笘が中に切れ込んでドリブルシュートを決めるえげつないプレーでオーストラリアの心をボキボキに折り、0-2という日本の勝利で試合終了となりました。

三笘の2点目はJリーグで何度も川崎以外のチームがやられたシーンだったので、やられたオーストラリアに既視感を覚えたJリーグサポーターも多いんじゃないでしょうか。

終わってみれば結局は日本とサウジアラビアが一つ頭抜けていたグループBとなりましたが、オーストラリアは何で毎回日本と同じグループにされるんだと思っているでしょうね。グループAは韓国とイランが頭2つ抜けていたグループなんで、結局同じですけどね。ホームでのオーストラリア戦の時にも思いましたが、オーストラリアは4年前よりも選手層が薄くなった気がします。

森保ジャパンは数名抜けても強さは維持できる状況になりましたが、今の中盤3人は結構抜けるとヤバそうな気もしますが、そもそもそのセットを作ったのは森保監督の功績のはずです。

解説の岡田氏が、森保監督を強いですよ、と試合中も試合後も評していたのが印象的でした。批判される人は成長しますよ、批判する人は成長しないけれど、と言ったのも、同じ立場だった人だからこそ言いたい台詞だったのでしょう。

オマーン戦の敗戦、中国戦の辛勝、そしてサウジアラビア戦の敗戦で過去最大級に日本代表や森保監督を非難していた人はたくさんいました。非難と批判は違うよなと思いつつ、サッカーというのは終わるまで分からないもので、目を潤ませながらインタビューに答えるキャプテン吉田麻也にもお疲れさまと言いたいものです。

試合後の記念写真を撮っているメンバー・スタッフの笑顔は良いものですね。

さて、次はホームでのベトナム戦です。試合結果よりも試合内容や選手選考の方が注目される消化試合ですが、ここからが本大会メンバーへの競争ですね。

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