Jリーグ春秋制に限界が来ているのかも・・・

一人のサッカーファン・Jリーグファンとして、これまでずっとJリーグの現行の春秋制を支持してきました。

これまで何度も欧州などの秋春制にシーズンを合わせる話が持ち上がっては消えていきました。その都度、選手の移籍のためにシーズンを変更するのはおかしいと思っていましたし、そもそもドル箱の夏休みと、雪国での試合の問題があるので端から無理だろうとは思っていました。

実際、直接影響を受けるJリーグの各クラブからの反対が多く、結局実現はしませんでした。

ただ、昨今の酷暑・ゲリラ豪雨・巨大台風の到来を考えると、日本の真夏や台風シーズンは屋外で人が集まるイベントを開くのに向かなくなりつつのではないかと思います。

酷暑は言うまでもありません。夏場は必ずナイトゲームになるとはいえ、その時間帯もまだ暑いですし、キックオフ前から観客は集まります。試合前イベントも今ではほとんどのクラブでやっていますが、酷暑の中で行われます。そして、たいていのイベントは輻射熱のあるコンクリの地面の上で行われます。小さい子どもにとってはかなり厳しい環境です。

ゲリラ豪雨も最近の日本では社会問題化しています。ただの雨であれば、そしてスタジアムそのものはそれほど問題ではないですし、そもそもサッカーは大雨の中でも実施されるスポーツです。問題は雷です。雷があれば試合は中断・中止されますし、屋根のないスタンドにいる観客はスタンド内に避難しなければなりません。それにスタジアムへの行き帰りで使用する交通手段にもゲリラ豪雨は大きな悪影響を与えます。

台風に関しては言うまでもありません。毎年のように多くの地域で大きな被害をもたらしますし、試合開催の有無そのものにも大きな影響を与えます。

秋春制に移行したところで、8月や9月に全く試合を行わない、ということも難しいでしょうが、ここまで気候変動が大規模になってくると、Jリーグも無縁ではないでしょう。秋春制に移行することで避けられるトラブル・不確実性は避けるべきかも知れません。


選手の移籍に関して言うと、昨年夏にガンバ大阪のスタメン3人がヨーロッパにシーズン中の移籍を行いました。ファン・ウィジョ、中村敬斗、食野亮太郎の3名です。

過去、西野監督時代のガンバでは2006年から毎年のようにシーズン中にブラジル人フォワードが移籍していきました。

2006年 マグノアウベス
2008年 バレー
2009年 レアンドロ
2010年 ペドロジュニオール
2011年 アドリアーノ
2012年 ラフィーニャ
2013年 レアンドロ

これらの移籍には契約終了やそもそも成績不振だったケースもありますが、ここまで来ると笑うしかありません。

そんなわけでシーズン中の移籍にはガンバサポーターは慣れっこだったのですが、さすがに日本人含めて3人も移籍したのは衝撃的でした。実際、宇佐美・パトリック・井手口と古馴染みの選手が戻ってきてもチーム状態はなかなか良くならなかったですし。確か鹿島アントラーズも3人移籍したはずで、無冠はその影響もあったはずです。

J1でスタメンの20歳前後の日本人選手は間違いなく欧州のスカウティング網に引っかかっています。シーズン中の移籍が多いクラブと少ないクラブが同じ土俵で戦うのも厳しい話です。


これら二つの理由、気候変動と選手移籍によって、改めて秋春制も考えた方がいいのではないか、と宗旨替えを考えるようになってきました。いつ移行するのか、移行時はどういうシーズンの組み方にするのか、シーズンオフはいつにするのか、雪国での降雪時はどうするのか、などなど、問題はいくらでもあります。しかし、今の春秋制でも問題はあるのですから、総合的に検討し判断することも必要でしょう。

まだ秋春制には反対の人も多いでしょうね。それは認めます。少し前まで私も絶対反対でしたので。ただ、これこれこういう理由と状況があって、解消や改善が出来るので移行します、移行するに当たってこのような対策と配慮を行います、ということをバッチリ決めれば、クラブにもサポーターにも理解は増えていくのではないでしょうか。


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