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HUAWEIは死なず? 反米連合なるか

HUAWEIがアメリカ政府から様々な制裁や締め出しを食らう中で、AndroidについてもGoogleから切られたという話の流れで、以前こんなことを書きました。

HUAWEIを中国政府はかばいきるのか、切り捨てるのか
https://note.mu/hrsgmb/n/nc99c0cf5c71c
Androidのプロジェクトそのものはオープンソースとして無償で公開されていますので誰でも利用出来ます。ただGoogleサービスを利用するならお金を払ってね、というのがGoogleのビジネスとなっています。HUAWEIクラスの企業であれば、AOSPを利用してAndroidベースの独自OSを自社スマホに搭載するのは費用を度外視すれば難しいことではないでしょう。

こんな風に思っていたら、まあまあ斜め上な対応をしそうなことがニュースになっていました。

Huawei、Androidの代替としてロシアのAurora OSを試験中か
https://iphone-mania.jp/news-250356/
米政府の制裁により、使用できなくなったGoogleのAndroid OSの代替として、Huaweiがロシアの「Aurora OS」の採用を検討していると報じられています。
Aurora OSは、フィンランド企業Jollaが開発したSailfish OSをベースとしたOSで、ロシアのOpen Mobile Platformが開発を進めてきました。2018年に、ロシアの通信事業者Rostelecomが、Open Mobile Platformの株式75%を取得しています。

AuroraOSなんて知らないなあ、と思っていたら、SailfishOSをベースにしているということで、記憶の片隅になんか聞いたことがあるOSの名前が出てきました。

ケータイ用語の基礎知識 第622回:Sailfish OS とは
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/keyword/607737.html
もとになった「MeeGo OS」は、インテルとノキアが共同開発したスマートフォン用OSです。インテルの「Moblin」とノキアの「Maemo」を統合したオープンソースのLinuxベースのモバイルOSです。2010年の発表当初は、iOS、Android OSに対抗できる勢力として期待されていました。その後、ノキアは、2011年になってマイクロソフトと業務提携を行い、今後のスマートフォンの主軸をWindows Phoneにすると発表しました。そして、ノキアでMeeGoの開発に携わっていたメンバーらはスピンアウトし、このSailfish OSを作ります。

この記事が2013年のものですので、その後どれくらいSailfishOSやAuroraOSが進化しているのか分かりませんが、よくこんなの引っ張ってくるなあと思いました。

Androidのアプリも動くと書いてありますが、この頃と今ではAndroidアプリは動く仮想マシンの仕組みが変わっているはずなんですが(Dalvik→ART)、新しいアプリも動くんですかね。

HUAWEIのエコサイクルが中国・ロシアなどの反米勢力の中だけで成り立つのであればいいんでしょうけれど、欧米での販売がなくても巨大企業としてやっていけるんでしょうか。

珍しいOSを出してくるくらいなら、いっそのことWindowsアプリケーションすら動くようなエミュレータとか積んじゃえば世界中のギークがかえって支持に回ったりするかも。LinuxにWine積んで動くのならいけそう。

マイクロソフトからもWindowsの使用を切られたのですから、Googleだけでなくマイクロソフトへの意趣返しにもなって一石二鳥! まあ動作速度的に無理でしょうけれど。

それはともかく、HUAWEIは色々なリソースをアメリカに断たれた状態ですが、ここで潰れるか独自開発できるか正念場でしょうね。

2010年頃に尖閣諸島問題で中国がレアアースの対日輸出を絞ったことで、かえって日本企業がレアアースのリサイクルや代替手段の開発に成功しましたが、HUAWEIがAndroidやArmの技術を頼らなくてもやっていける企業になるのなら、中国そのものの国際競争力を一層高めてしまうことになります。レアアース問題の時の中国政府が今のアメリカ政府の立場と似たような状況になっています。これからのHUAWEIは、あの時の日本企業のように対抗できるか、あるいは1980年代の日米貿易摩擦の中で磨り潰されたTRONプロジェクトのようになるか・・・。

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