21世紀の牛首馬肉を地で行く中国金融業界

中国では贅沢を見せつけるSNS投稿をしてはいけない雰囲気とのニュースがありました。

これを見てパッと思い出したのが、「羊頭狗肉」の故事成語の元にもなった「牛首馬肉」の故事です。

「牛首馬肉」については、私が好きなエピソードなためにnoteでも2回、取り上げています。

古代中国春秋時代、斉の国に晏嬰という名宰相がいました。その彼が子どもの頃に、当時の君主が世間の女性に流行していた男装を禁止したのに一向に民衆が従わないということがありました。悩んだ君主が側に使えていた晏嬰に意見を求めたところ、
「民衆には禁令を出す一方で、君公のご妻妾には同様の男装をさせているから禁令を民衆は真剣に捉えません。高い牛の首を店先に掲げて中では安い馬肉を売っているようなものです。後宮にも禁止させれば民も従うでしょう」
という痛烈な皮肉のこもった諫言を行いました。そしてその通りにするとあっという間に男装の流行は収まったという逸話です。

今回は、本家本元である中国でのニュースですので敏感に反応せざるを得ませんが、派手な生活をするな、目立つことをするな、という禁止令を上から言われても、言われた下っ端(といっても15億人の国民全体から見ればハイクラスですが)にしてみたら、お偉いさん方が贅沢に暮らしているのを見たら、やってられないでしょうし、守る気にもなれないでしょう。

「上に政策あれば下に対策あり」
も中国のことわざです。お上がアレコレ規制したところで、民衆はなんとかしてやり方を見つけるという意味ですが、今回の金融業界における倹約令も同じ、どうせ大した効果は発揮しないでしょう。

この21世紀においても牛首馬肉の実例が出てきそうなのは、さすが本場だと言わざるを得ませんが、中南海にいる国家中枢の御仁たちは、贅沢せずに暮らしているのでしょうか?

共産主義時代はぶっちゃけ全員貧乏だったものの、改革開放後は両極端になりました。だからこそ、習近平が締め付けを強化して「共同富裕」の理念を掲げているのですが、実現不可能性としては共産主義思想と大差ないような・・・。

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