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ネット・ゲーム規制条例という「牛首馬肉」

香川県議会でネット・ゲーム規制条例がついに可決されました。

あくまで家庭内でのルールというか道徳的なものに留まる指針のようなものであって、罰則などがあるわけではなく、あくまで象徴的なスローガンみたいなものです。

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例議案
https://www.pref.kagawa.lg.jp/gikai/jyoho/giketsu/0202_hatugi01.pdf

内容はこちらにあるとおりですが、子どもに対して悪影響があるのがネットとゲームだけなのか、そもそもネットやゲームそのものではなくてその中にある悪質なものを防ぐべきではないのか、といくらでも反論は可能だと思います。ただ、罰則があるわけでもないので、
「お年寄りを大切にしよう」
「一日一善」
レベルの話ですので、それほど目くじら立ててどうのこうのいうほどのものでもないかと思います。

ただ、世の中には法律上は存在できているけれど道徳的には良いものではないものもたくさんあります。そしてそれらに大人が何ら制限無く興じている姿を側にいる子どもがいつでもどこでも見ているわけですから、今回の条例もまず役に立たないんじゃないかとも思います。

いっそのこと、競馬やパチンコとかの博打とか、風俗やキャバクラ・ホストクラブなんかも対象にして大人達もそれらの利用を一日一時間までと規制してみてもいいんじゃないでしょうか?

大人が範を示してこそ子どもも従ってくれるはずです。羊頭狗肉という四字熟語、故事成語がありますがこれは元々「牛首馬肉」と言われていました。

古代中国春秋時代、斉の国に晏嬰という名宰相がいました。その彼が子どもの頃に、当時の君主が世間の女性に流行していた男装を禁止したのに一向に民衆が従わないということがありました。悩んだ君主が側に使えていた晏嬰に意見を求めたところ、

「民衆には禁令を出す一方で、君公のご妻妾には同様の男装をさせているから禁令を民衆は真剣に捉えません。高い牛の首を店先に掲げて中では安い馬肉を売っているようなものです。後宮にも禁止させれば民も従うでしょう」

という痛烈な皮肉のこもった諫言を行いました。そしてその通りにするとあっという間に男装の流行は収まったという逸話です。

今回のネット・ゲーム規制条例についても同じような理屈が通るのではないでしょうか? 大人たちがあまり大っぴらに出来ないことを平気でしておきながら、子どもたちには悪いことはしてはいけないぞ、と偉そうに言ったところで子どもたちが素直に従うとは思えませんよね。

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