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将来のサッカーはヘディング禁止? ヘルメット着用? それともゴールとスピードを減らす?

プロサッカー選手が度重なるヘディングの衝撃によって脳や身体に障害が起きる、ということはちょくちょくニュースになっていましたが、こんなウェブ記事を見かけました。

イングランド代表OBの妻が夫の神経変性疾患を告白 ヘディングによる脳損傷の理解呼び掛ける
https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=370201

この選手は86年に現役を引退しているそうですが、今のサッカーボールに比べて昔のボールは柔らかかったはずです。以前は天然の革で作られていましたが、今では人工皮革製です。より固く、蹴ったときの反発力を大きくすることでボールスビードが上がります。それによってゴールも増え、試合のスピード感も増します。それらはもちろん、サッカーを盛り上げるためではありますが、さらに言うとFIFAなどのサッカー協会や各メディア・広告代理店が高い放映権を売り買いするための理由でもありました。

つまり、現代のサッカー選手は昔よりも衝撃が強いボールでプレーしているはずです。

80年代に引退した選手に大きな脳の損傷が起きているのであれば、現代のカチカチのボールをさんざんヘディングしている現代のプロ選手はどうなるのでしょうか。

脳内への衝撃だけではなく、首の骨、頸椎や神経にも影響があるかも知れません。

今後もサッカー選手にヘディングでの衝撃で障害が出るということが続発すれば、ヘディングを禁止するくらいのルール改正も起こりうるのではないでしょうか。

昔のボクシングでは素手で殴り合っていましたが、あまりに危険だということで拳の何倍もの大きさのグローブを付けるようになりました。それでもパンチの衝撃での死亡事故や重い怪我は起きています。

アメリカンフットボールでもヘルメットやプロテクターはどんどん増えて大きくなり進化していっています。アメフトはボールが頭に当たるわけではないですが、プレーする選手のトレーニング方法が進化することで身体能力が上がり、スピードとパワーが昔のアメフトよりも速く強くなり、その結果として体が受ける衝撃が増え続けている、という問題に対抗するためです。

サッカーも同じことです。サッカー選手の筋肉量や体の大きさあるいはスピードだって昔よりも増しています。その鍛えられた体が蹴ったボールを頭で受けた時の衝撃力は、昔よりもはるかに大きいはずです。さらにボールも固くなっているとしたら、どうなるでしょうか?

サッカー選手のトレーニング方法が進歩・進化しているといっても、頭を鍛えて固くすることはできません。頭皮の下に筋肉をモリモリ付けることは人間には出来ないのです。頭蓋骨の堅さも、例え山ほどカルシウムを取ったところで限界はあります。

ヘディング禁止にしてしまうとさすがにサッカーが変わりすぎてしまう、という非難が絶対に起きます。世界中で猛烈な反対が起きるのは間違いありません。ただ、その一方で選手を守るという大義名分もあります。だからといって商業主義にまみれたFIFA以下の協会・リーグ・メディア・広告代理店そしてボールメーカーが、わざと柔らかいボールを用意するとは思えません。ゴールが減って観客や視聴者が減ることを何よりも恐れているはずだからです。

ヘディングを禁止せず、ボールも固いままであれば、危険を回避するにはサッカー選手もアメフト選手のようにガチガチにヘルメットとプロテクターを頭、もしくは首から上全部に付けることになってしまいかねません。それはそれで結局サッカーが変わりすぎてしまう、ということでもあります。

一番あり得る今後のシナリオとしては、結局これまでと何も変わらず、サッカー選手が危険にさらされ続けるだけのような気がしますが、もし、前述のような選手を守るために大きくサッカーを大幅に変えてしまう変更をします! と言われたときに、サッカーファンはどれだけ受け入れられるでしょうか?

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