2022年6月14日日本代表対チュニジア代表テレビ観戦の感想
ナショナルマッチデーウィークにおいて、日本代表はパラグアイ・ブラジル・ガーナと戦ってきましたが、最後はチュニジアとパナソニックスタジアム吹田にて強化試合4連戦の締めくくりとなりました。
本日の大阪は朝から雨模様で、湿度の点では良いコンディションとは言えませんがその代わり気温はそれほど高くなく、試合中に本降りにならなければ選手への影響はそれほど無かったでしょうけれど、試合開始時には本降りとなってしまいました。
雨ではありますが観客席で濡れるのはピッチ際の5列分くらいですので、現地で観る人はあまり辛くはないでしょう。多分、最寄り駅との往復や、満員の観客を捌けない交通機関の方がよっぽど面倒なスタジアムです。
パナスタでの代表戦はアジア最終予選初戦ではオマーンにまさかの敗戦を喫して以来です。それを思うとあまり良い気はしませんが、二次予選ではキルギスやタジキスタン相手に勝ってますのでたまたまと思っておきましょう。
個人的には堂安がこのスタジアムで躍動するのを見てみたいのですが、テストマッチはテストをするためのものですので、テスト的にお試し的起用もある先発メンバーとなりました。一応、この試合はキリンカップサッカーというタイトルマッチではありますが。
前半、試合はちょっと低調な入りをして、時折どちらもヒヤッとするかどうかという程度の決定機未満の場面がある程度です。どちらかというとチュニジアペースでボールを支配し、日本は浅野や伊東のスピードを生かすロングボール・カウンターが多目でした。
日本が劣勢というよりも志向するサッカーの違い、今のメンバーでの戦い方の違いによるものでしょう。お互いに最後のところでミスがあってなかなか本格的な決定機までは至りません。
前半半ば過ぎから日本もキープする時間が増え、サイドアタックも増えましたがゴールには至らず前半終了。
後半からは原口が田中碧に交代しました。さあ後半こそ得点を、と思っていたらロングボールからサイドを攻められて吉田がPA内で相手を倒してPKを与えてしまい、失点。相変わらずベテランさを感じさせない吉田の守備でしたが、それはともかく攻めるしか無くなりました。
ブラジル戦でも同じですが、こういう状況からの攻撃に課題があります。それはアジア最終予選でも同じで、失点しないことが強みのチームが失点した後にどうやって得点を取るか、という問題を今の森保ジャパンは抱えています。
60分、鎌田・浅野に代えて三笘・古橋が入りました。
これで伊東のいる右サイドに偏りがちだったサイド攻撃が、三笘の入った左からも出来るようになりました。
さらに70分に伊東・南野に代えて久保・堂安を投入。さあいよいよ行くぞ!、という体制になりましたが、76分に吉田と板倉・シュミットの呼吸が合わずボールを奪われて失点。
この失点はちゃんとしていれば防げるものでしたが、本大会ではなく強化試合でやらかしたことは不幸中の幸いです。1点ビハインドの状況で攻撃に気が行って、守備の乱れから2失点目、というのは非常に良くあるパターンです。
81分に長友から山根に交代。
0−2になってからは日本が攻めてチュニジアが時間を潰す展開になりましたが、なかなか得点は奪えず、むしろアディショナルタイムにチュニジアに3点目を奪われてしまい、そのまま試合終了。
パラグアイ・ガーナには大勝したものの、ブラジル・チュニジアには完敗を喫しました。良いところと悪いところがハッキリでた4試合となりました。
今回の4試合では、本大会でドイツ・スペインと同組の日本にとっては直接的なサッカースタイルのテストとはなりませんでしたが、マッチメイキングがそうなったのはJFAの問題ではありません。UEFAネーションズリーグがある以上はそもそも欧州勢と対戦できる国は欧州勢のみです。
UEFAネーションズリーグによって、欧州各国同士の対戦が増えた代わりに、欧州とそれ以外の地域との対戦はかなり減ったはずです。かつてはキリンカップで南米勢と欧州勢、あるいはアフリカ勢から1ヶ国ずつ呼ぶということはよくあったのですが、今後は今回のように欧州勢抜きのテストマッチばかりになってしまいそうです。
UEFAにしてみたらUEFA内での試合を増やして、放映権料とチケット代でこれまで以上に稼げるでしょうが、ワールドカップ本大会で他地域の代表勢との試合で欧州勢が苦しむことが増えるような気がします。どこの地域でも代表のトップクラスの選手は皆、ヨーロッパでプレーしていますから個別のプレースタイルには対応出来ても、チーム全体としての戦いとなるとまた丸っきり違います。
まあ、UEFAネーションズリーグへの愚痴はともかく、2勝2敗となった日本代表の強化試合としてはそれほど悪くないマッチメイクだったと思います。本大会入りのメンバーもほぼ決まったはずです。この4試合に出ていない選手でメンバー入りするとしたら、7月の東アジア選手権でとんでもないパフォーマンスをした選手くらいでしょう。
長い間、サッカーファンやメディアから集中砲火を浴び続けている森保監督ですが、前回のような直前の監督交代は無いでしょう。9月に強化試合が2つありますが、そこで負けても解任は無いはずです。協会や主力選手との仲が悪くなった分けでもないですし。
思えば、2010年の岡田ジャパンは本大会直前の強化試合で連敗続きで非難されまくっていましたが、腹を括って守備的に戦うと決めて結果的にはGL突破。2018年も直前で就任した西野監督が、オッサンジャパンと揶揄されながらもそのベテラン選手の活躍もあってGL突破。
もうここまで来たら、関係者やメディアはともかくサッカーファンは腹を括って楽しむつもりで代表戦を観た方が良いんじゃないですかね。悪口言うためにサッカー観るのもあまり楽しいものではないですしね。
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