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オープンソースと真逆の中国の国家体制

中国企業が、中国国内向けのGitHubのようなサービスを始めるそうです。

中国が国内用のGitHubとして代替サービス「Gitee」を構築中
https://jp.techcrunch.com/2020/08/22/2020-08-21-china-is-building-its-github-alternative-gitee/
中国がGitHubの代替として国産サービスの「Gitee」を基にしたプラットフォームの構築を目指している
https://gigazine.net/news/20200824-china-building-github-alternative-gitee/

上記記事中にはテンセントが関わっている、似たようなサービスが既にあるとの記述もありますが、オープンソースに関する情報へのアクセスは、自由と戦う中国にとっても重要であることは間違いありません。

中国共産党のポリシーから言って、オープンソース界隈の思想とは相容れないはずなのですが、それを抜きにすると自国のIT産業が成り立たないことは分かっているのでしょう。

以前、こんなnoteを書いたことがありましたが、

開発者同士がコミュニティを通じて活発にやり取りすることで、高レベルな情報共有が効果的に行え、かつ無駄な開発工程も減るのだと思いますが、それが中国国内に閉じこもってしまったら、結局はあまり発展が進まないのではないかと思います。

もちろん、中国政府にとって便利、有益な分野はどんどん進歩していくでしょうけれど、それこそGAFAみたいな新しい概念のサービスやソフトウェアなどは生み出せないのではないでしょうか。

じゃあTikTokはどうなのかというと、その創業者は中国国内からは売国奴と罵られるほどアメリカが好きな人ですので、結局アメリカ的な自由なやり取りがサービス開発には重要であることの別方向からの証拠になるはずです。

反米オープンソースホストサービスとして、中国だけではなくロシアやイランなども加えてもいいのかも知れませんが、人的リソースや経済規模を考えると結局中国中心になるのは間違いないですから、反米連合も結局どの国にとってもあまりメリットはありません。

米中経済戦争の矢面に立たされているTikTokやHUAWEIにとっては、腹立たしい情勢なのかも知れませんし、トランプ大統領に問題が全く無いとは言いませんが、中国企業が中国政府に対しては少なくとも大っぴらには批判や要求はしていません。あくまでアメリカ政府を非難しているだけです。

かつてAppleがテロリストのiPhoneロック解除についてFBIからの要求を拒否したように、TikTokやHUAWEIその他中国企業は中国政府の圧力をはねのけられるとは思えません。だからこその中国企業外しが世界的に始まっているのですから、中国政府や市場の閉鎖性を変えない限りは、世界の自由市場やオープンソースのタダ乗りをしているという中国企業への批判は結構妥当なものだと思います。

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