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「営業力」の3文字にどれだけの要素が詰まっているのだろう。

初めまして。ひろんたと申します。かれこれ6年ほど法人営業に携わってきまして、今年の10月より3社目の転職先で勤務が決定し、ちょうど良いタイミングなのでこれまでの振り返りをしています。

簡単に経歴を記載すると、
 サイト・SNS分析SaaSの営業(3年)→ワークフローSaaSの営業(4年)→シフト自動作成SaaSの営業(NEW!)←イマココ
と、ありがたいことにSaaSに携わってきました。一般的にThe Model型の営業フローを整える会社が多いのですが、不思議とこれまで分業化されていない環境でアポ取り〜CSまで全工程に関わってきました。
次の会社は20名ほどのスタートアップになるのでこれまで以上にストレッチしてスーパーサイヤンになりたいと思っているのですが、「あれ?ここまで営業してきたけど、そもそも営業力って何?自分ってどこを伸ばせば良いか分かってるんだっけ?」という問いが出てきました。
部分的に振り返りはしてきているものの、自身の営業の言語化、可視化は意識して取り組んで来れていなかったので、このnoteをきっかけに自分の営業の捉え方や、どのような能力を伸ばせるかを可視化する材料を記載していきます。

営業力って何を指すの?

営業力=「売り上げを作る能力」、とここでは定義します。営業力の大きい構成要素は何パターンかあると思うのですが、今回は、新規・既存の2つから分解してみました。

ざっくり分解してみたの図

これまでの経験が直販に比重を置いているため、偏りがありますが、ざっくり説明すると、
・商談機会を創出し、
・契約に至るまでに必要な事実を把握しつつ、
・自社を選んでもらう理由づくり
というのが現在の自分の営業力の捉え方になっています。(もちろん賛否両論だと思うので、最近は書籍を読み漁って再勉強中です)

ざっくり分けると3つの要素

もう少し拡大してみたの図

商談機会の創出

さっき記載した要素のうち、まずはこれがないと始まらないよね!というのが商談機会の創出。ありがたいことにこれまでFS(フィールドセールス)寄りの活動が多く、自分もお客様から自社を選んで貰う経験に嬉しさを感じていたのでそちらに重きを置いていたのですが、商談創出をメインに活動されるIS(インサイドセールス)の皆さんにはリスペクトしかありません。
限られた情報を頼りに仮説を構築、関係性をしっかり作って商談を創出していく(基本、メールと電話で)仕事は高度な活動ですよね。
自分も少しはISの真似事をしていた身として、商談獲得のために大きく2つの能力が必要ではと考えています。

・仮説の構築
恐らく、テレアポとISを分ける能力の一つがこれではないかと思っています。

ざっくりの解釈

テレアポの場合はアポ数を追うケースが多いため、オペレーションで求められるのは、
・コール数
・Noと言わせない切り返し
だと感じています。学生時代に少し齧ったことがあるのですが、取得したアポが成約に至ったか、商談化したかは考慮しないため、質は気にせずに数を追う業務と認識しています。
一方、ISの場合はアポ数を追うこともあるかもしれずですが、トスアップした商談が成約、商談化したかを重視する傾向が強い思います。
そのため、いたずらに電話やメールを繰り返しても商談化するはずはなく、仮に数を重視したアプローチでトスしても、お客様は良い印象を持っていないかもしれないので、FSは非常に対応しづらい。
じゃあ商談化するための質をどう保つか、ここに仮説構築が関わっていると思います。
ここでいう仮説を「もしかしたら〇〇について困っているかもしれない」と、見込みの業務や生活に思いを馳せながら、想像する能力とします。
自社で解決できる課題をお持ちでなければ、商談をしても前進する可能性は低いのは想像に難くありません。その前提に立つと商談をトスする側としては、「自社で解決できる課題を持っている/これから発生しそうな企業の方が商談化しやすそうだ」と考えられるので、どのような条件、事実があれば自社にマッチしそうかと想像する能力=仮説構築、は追う目標の特性故に磨かれると思います。
そして、商談の構築にもう一つ必要になるであろう能力が、
・見込みを見極める能力
だと思います。

FSが対応したがる商談基準を可視化してみた

やはり営業としては理想をいうと、今すぐ客が欲しいもの。
全ての商談を上記で満たすのは難しいですが、基本的な考えとしては、
自社で解決できる課題をお持ちで、出来るだけ解決時期が近いもの、から優先して対応をしていくものかと思います。
特に昨今はどの企業でも人手不足ですし、リソースに限りがあるわけですから、受注からの距離が近いものを優先して対応したいですよね。

事実の把握

2つ目の要素として、事実の把握と記載したのですが、個人的にはFSの質を分けるのはこのパートなんじゃないかなと思います。

そもそも1回の商談で全て把握は難しい

色々と要素は上げているのですが、よく言われるBANTCHです。
基本的に上司との商談レビューや自身の案件へのアクション考察を行う際も把握したこれらの情報を元に考えるため、この情報が把握できているかに営業の実力が出ると思います。
特に自分も痛感するのですが、予算感や社内プロセスなどは結構突っ込んで質問しづらいもの。それで変に遠慮した聞き方をしてまい、お客様も「何を聞いているんだこの人?」と受け取られかねないので、ここを踏み込めるかどうかで売り上げに差が出るのではと感じています。
営業に関する書籍を目にしていると、これらの事実確認をどうやるかという手法について記載されたものは多いのですが、あまり深くは考えずに、
・何にお困りなんですか?
・それはいつまでに解決しておきたいですか?
・あわせてどちらさんと見ていただいてますか?
・購買までにどれくらいの日数かかりますか?今回の〇〇円なら××さんの決裁で発注まで進められますか?
をシンプルに聞くべきかなと感じています。(※もちろんそれぞれの質問に枕詞をつける工夫は必要かもしれないですが)
上記を確認していきつつ、もう一つ付け加えるとしたら、
・どうしたら弊社でご発注いただけますか?
と聞いてみること。やはり答えはお客様しか知りませんので、素直に聞いてみる。すると意外にお答えいただけることが多いので、ダメ元でも良いからシンプルに聞いてみることは案外おすすめです。

サービスの訴求

3つ目の要素としてサービスの訴求を挙げています。

ただ商品紹介するでは終わらないZE

事実把握で確認できたお客様の課題に対して、自社のサービスがお客様の業務や生活をどうポジティブなものに変えていくのか、これを実感してもらうためにサービスの訴求があると思っています。
特にSaaSのデモという観点でよく目にするのが「テスト」という文言を打ち込んで機能の流れを紹介している光景。個人的にはこれが一番刺さらないというか、ご自身の提案を機能売りレベルに下げてしまっているといつも思います。
説明を受ける側を想像するとわかりやすいのですが、何かしらの業務課題の解決につながる期待を持って画面を見ているのに、画面越しの営業がそれを理解せず、「テスト」の何でもない文言を入れてデモを行う。
そうすると話を聞いている側としては、このサービスが自分の業務にどう役立つのか想像しづらいわけですから、結果的に他社サービスとの機能比較に陥る。機能比較になればあとは単純な○✖️表で○が多いサービスが選ばれるわけで、気づけば失注しているわけです。
仮に「テスト」の文言でお客様に刺さっている場合、デモが刺さっているのではなく、サービスのUIや機能が刺さっている、もしくはお客様が機能紹介から自身の業務に当てはめて想像する能力が高いから好評を得ているだけで、その営業に再現性はないと思っています。
上記を脱するために自社・他社の製品把握、事例を自分ごとのようにはなせるレベルで昇華、あらかじめ特定業務や業種向けにデモ環境を用意しておく、などが必要だと思うのですが、それらの根本になっている考え方が、
通称Feature Advantages Benefitこと、通称FABです。
FABを交えたデモの流れについて非常にわかりやすく語られているのがこちらのnote(拝見した当時は首がちぎれる勢いで共感しました)なのですが、
〇〇が出来る→だから何なの?(お客様にどんな価値があるのそれ?)という問いを持っておくことが大事だと思います。
例えば経費精算システムを例にとると、

機能ベースの説明
行きと帰りの駅を入れたら交通費を自動的に算出します!これまで乗り換え検索サイトで一つずつ検索して転記した作業が削減できるので、業務効率化につながります!

FABを意識してみた例
例えば営業スタッフなら、電車の経路検索をして、出てきた交通費を帳票に1個ずつ貼り付け、捺印して提出と非常に面倒なため月末にまとめてやる人多いと思います。中には面倒なので申請自体行わないから経理スタッフもリマインドしたり、交通経路が適正なものか目視確認していますよね。
そこで交通費の自動算出機能を用いると、営業さんは路線検索とExcelの行き来や転記がなくせるので、隙間時間に進めておく人を増やせます。
そうすると今度は経理さんとしても適正経路か目視確認がなくせて、余計なストレスを向けることなく業務に取り組めますから、営業と経理、双方気持ち良く働く環境づくりにもなりますよね!

と、めちゃくちゃ想像ベースですが、相対する人(商談相手)・サービスを使う人や管理する人それぞれにどんな便益をもたらすのか。機能ごとに存在するはずなので、それを伝えられる営業は初回のデモだけで競合とも差がつけられると思います。(これを組織で取り組める企業は営業が強いと思う)

今回は自身の営業の捉え方を可視化するために書いてみたのですが、各部部分掘り下げるとまた違った角度で記事を書けそうなので、また次の投稿でまとめてみたいと思います。


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