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中学受験の振返り⑤ -中受を始める前に-

中学受験のブログや記事などを読むと必ず出てくる「夫婦間の中学受験に対する認識の相違」問題。
というわけで、中学受験をするならば、始まる前にこれは最初に解決しておくべきです。
この問題のやっかいなところは、放っておくと中学受験がキツくなり始めたときに、問題が発生するというところです。
反対派の親から「やっぱりやめたほうがいい」「ほら、だから言ったじゃん、無理だって」みたいな発言が飛び出す。中学受験を進めてきた方からすれば、この蒸し返しはとても受け入れがたく、溝は深まるばかり、という事態となっていく。

・・・と書きましたが、私の家庭ではこんなことは起きなかったので、他の家庭と何が違うのかなー、と考えたことをここからつらつら書いていこうと思う。

衝突が起こる一番の原因

ブログやら、記事やら読んでいて、なぜこのような衝突や意見の相違が起こるのか、そして、なぜ我が家では起こらなかったのか、を考察してみた。

結論から言うと、衝突が起きているのは、夫婦それぞれが過ごしてきたバックボーンの違い、そしてそれを基にしてみんな一本の軸となる考え方をしっかり持っていることが原因だと思う。みな、それぞれに信念を持っているからと言い換えても良い。
中学受験を目指す家庭は、ある程度経済的に余裕があり、大なり小なり成功体験を持っているもの。それらが中学受験に対する考え方を決定する。
地方の公立から難関大学を合格した人から見れば、私立の中学に行くことに何のメリットも感じないだろうし、中学受験を体験し、中高一貫の中で楽しい青春を過ごした人は自分の子供にも同じ体験を味あわせたいと願うだろう。

これらの過去の自分の体験がどうしてもそれ以外の考え方を排除してしまう、認めることができない。
ここに経済的な問題、すなわちお金・出費という問題が加わり、さらに過去体験への固執は強固なものとなり、そこから離れて考えることができなくなってしまう(出費はリスクそのものなのだから)。

では我が家は?

さて、我が家の中学受験は、既に述べているように子どもたちの小学校生活が上手く行かないということがスタートだったので、最初に言い出したのは妻の方だった。妻は中学受験未経験者で、私(旦那)は中学受験経験者だった。なので、その妻からの提言に対し、私の反応は特に大したものではなく、消極的な賛成だろうか、まぁ、やってみれば良いんじゃない、と。

ただまぁ、ブログに出てくる芯の通った人達と比べると明らかに異なるのは、仮に中学受験に失敗しても、まぁいいやと思ってたことだと思う。
子供ができて20年近くになるけど、子育てで思い通りになったことなんて一度もなくて、失敗ばかり。その中で一つ学んだのは、子育ての成功や失敗なんてのは、終わってみないとわからない、ということだけだった。

そう考えると、中学受験の成功や失敗なんてのは子どもたちが成人してから、判断されるべきものであり、中学受験の結果だけでは何とも言えないのだ。中学に入った息子を見てると、本当に中学受験やってよかったものなのか、日々、苦悩しているし(ホント全然、勉強しやがらねぇ…)。

中学受験とは…

そして、そもそも論となるが、私達夫婦の中学受験というものに対する考え方が他の家庭とはおそらく全く異なる。
我が家にとって、中学受験とは「家族で一丸となって、壮大に、真剣に、無駄なことに金をかけまくるもの」というもの。
「無駄なこと」に「家族一丸で」「お金をかけまくり」「真剣に取り組む」というのが大事で、家族として行う中学受験に意味があるとすれば、受験することそのものと考えていた。
これは子供が小さいときに読んだ松居和さんの著書の影響を色濃く受けたことに起因する。

実際に塾で習ったことが無意味であっても、そんなことは関係ない。親が子供とともに一喜一憂することがあり、涙を流すことがあることに大きな意義を感じるのだ。
(中略)
親子が共に長期間に渡って何をか成し遂げようと努力する機会があるだろうか。そう考えたとき、日本人の親子が受験を通して味わう体験が私にはとても貴重なものに思えてくるのだ。
(中略)
子育てから充実感を感じる鍵は、親子が向かい合うことではなく、ともに一つの方向を見つめること、一つの目標を目指すことなのではないだろうか。

子育てのゆくえ 松居 和

この本には、多分、現在の子育ての潮流からは外れたことがたくさん書いてあるが、それ故に自分(妻も)はかなり共感している。人には言えないけど。
気になった人は是非読んで見てください。私はこの人の本を読んで、子育て観がひっくり返りました。

というわけで、偉そうなことも書きましたが、日常では息子に何度も雷を降らせたり、感情的になったりしてたので、多分、他の家庭と大差はないです。ただ、それでも中学受験で妻と喧嘩をすることは一度たりともありませんでした。
同じ方向を見つめる、これがやはり大事ですね。

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