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2024年5月28日

20時から大雨が降るらしい。今年最初の台風が近づいている。そういえば2日前に行った銭湯で、今夜から明日にかけて大雨と暴風に警戒するようにとのニュースが流れていた。休みなく仕事を捌いて、退勤時刻より30分遅れで職場を出る。すでに風が強い。

家とは反対に向かう電車に乗る。今日は映画を見に行く。数か月前から見たいと思っていた作品で、思い出すたびに上映館を探したが、気づいたころには上映館がそもそも少なく、探す日に限ってどこも前日に終映していた。昨日終わったのかというのが2回ほど続き、東京の上映館はなくなった。それから作品のことをすっかり忘れて1ヵ月ぐらい経ったのだが、昨日別のことを調べていた最中に、たまたま今週から上映しているという映画館を見つけた。もう映画館では見れないと思っていたので、これはミラクルだとすぐに見に行く。今日訪れた映画館は上映終了まで残り3日だった。上映時間まで少し時間が余ったので、暇つぶしにこの日記を書いている。

数日前から巨大な吹き出物が口の上にひとつできた。口のまわりにできるのは、消化器官が弱っているかららしい。消化器官がものすごく弱っているのはこの数か月ずっと感じている。口の上に何かができるのも、これだけ大きい吹き出物も見たことがない。比較的肌トラブルは少ない方で、ニキビに困ったことは10代の頃すら一回もなかった。大抵吹き出物ができるときは疲れているか化粧品が合わないときで、それらの対策を講じるか皮膚科に行ってすぐに薬を処方してもらうことでさっさと治してきた。

この前兄とご飯を食べたときに、吹き出物を見せながら困ったわあと言っていると、口まわりの吹き出物には誰よりも詳しいという兄曰く、「それは膿んだりせえへんし、ずっと痛いやつ」らしい。兄は髭剃りなどでよく口周りのトラブルが起こるので、そこらへんのプロと言っていて大笑いした。たしかに、たまに会うとトラブっている。どうしたらいいんかなあと聞くと、ほっとくのが一番と言われた。そんなん私でもわかるわ。

それから数日経ったが、膿んだりもしないし、小さくもならないし、ずっと痛い。昔皮膚科でもらったニキビの薬を毎晩塗っているが全然直らない。毎日鏡で吹き出物をみていると、よくもこんなに同じ大きさで同じ痛さを維持できるなと不思議な気持ちになってくる。病状が悪化することも回復することもない。いつも口の上に鎮座しているそれを見ながら、ホクロみたいにずっと顔にあったらこの先の人生変わるのかなとか意味不明なことを考える時間ができた。ちなみに、吹き出物ができるときは眉間の真ん中であることが多く、それを見る度に白毫みたいやと若干テンションがあがる。白毫とは、仏の眉間にある本来1本の長い毛がぐるぐる巻きになったものだけれど、仏像に彫られるそれはただの吹き出物にしか見えない。

そんなことを書いていると段々上映の時間が近づいてきた。自分の日記を見せると決めてから、これは見せてもいいかというものを公開している。時差で日記を公開することについて思うところがあり、それはまた別で書くつもり。要は選別された日記が公開されているわけだが、その基準でみるとこの日記は公開されない部類に入る。かなり散漫としているし、一体なにがいいたいのか自分でもわからない。ぼーっとしながら意識の流れるままに書くということをしてみたが、こんなことが出てくるのか。最近吹き出物のことしか考えてない。

いろんな人に絶賛された映画をこれから見るのがとても楽しみ。映画を見る前と後では自分の認知領域が変わる。旅や読書と同じだ。今日、映画館から出た後の私はどうなっているのだろう。そして、大雨の中を帰れるのだろうか。電車が止まり、帰れなくなってしまったら何をしようかな。そんなことをわくわくしながら考える夜があってうれしい。台風の夜に私が何をしたって誰も知らないし咎めてくる人もいない。この瞬間の私を知っているのは世界で私だけ。そんなたった一人の今が人生でいかに特別か、そのことを本当の意味で知り得るのは未来の私だけである。

最近撮った仏像がないかアルバムをみていたが、これしかなかった。5月に京都の展示で見た河井寛次郎の「愛染鳥子」。


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