採用ブランディング作成手順③STP分析_セグメンテーション前編(採用ブランディング講座:vol.10)
あなたは商品を売るとき、人を採用するとき
どうやってターゲットを決め、
他社との差別化を図っていますか?
この悩みを解消するためには
STP分析を理解すると非常に有効です。
STPとは、以下の3ステップあり、
S:セグメンテーション(市場を細かく分けて)
T:ターゲティング(自社のターゲットを決めて)
P:ポジショニング(どこのポジションで戦うか?)
で構成されています。
なぜ、自社のポジショニングを決めて戦う
必要性が出てきたのか?
それは市場が大量生産大量販売から、
少量多品種でかつ、ニーズが多様化していること
が理由として一般的によく言われています。
企業の資源(ヒト、モノ、カネ)は有限です。
まして中小企業の場合、それはとても少ないです。
だからこそ、自社のポジションを明確にして
他社との差別化を図っていく必要があります。
そのために、今回はSTPを学んでいきましょう!
「STPなんて、もう知っているよ」
という方も多いと思いますが、
実は、意外な落とし穴に気づいていない
と思いますので、ぜひ最後まで読んでください。
今回はSTPの中で
セグメンテーションについて詳しく解説します。
1.セグメンテーションとは?
まずセールスにおいての
セグメンテーションからご説明します。
冒頭で、セグメンテーションとは
「市場を細かく分ける」と定義しました。
市場の分け方が上手くいかないと
この後のターゲティングもポジショニングも
的外れなものになります。
市場を細かく分けたものを
「セグメント」と呼び、
分け方にはいくつかの視点があります。
地理的変数(ジオグラフィック変数)
国や都市、地域といった地理的な条件に関連する特性。
・千葉県在住
・勤務先が東京都
人口動態変数(デモグラフィック変数)
年齢、性別、家族構成、職業、収入等、人口動態に関連する特性。
・年収が900万円以上の男性
・20代で子供が1人の夫婦
心理的変数(サイコグラフィック変数)
価値観、趣向、性格といった心理的な状態に関連する特性。
・趣味は月に1回程度のアウトドア
・普段部屋にいて動画を見るのが好き
行動変数(ビヘイビアル)
人の行動パターンに関連する特性。
・自社商品の購入経験あり
・1か月以内にサービスに関する資料をダウンロードした実績あり
これらの変数はすべて使用するという訳ではなく、
商品・サービスの性質や戦略によって異なります。
一般的には、複数の変数を組み合わせて
グループ分けをすることが多いです。
そして、もう一つ
セグメントを成立させるために判断要素となる
6R(※)を解説します。
※一般的には4Rですが、
現在では6Rを提唱する方も増えてきました。
Rank(優先度)
自社の事業戦略に沿って優先度付けが行われているか?
世間が注目している市場か?
Realistic(有効性)
十分な売上・利益を見込めるだけの市場規模があるか?
Reach(到達可能性)
自社の製品・サービス、宣伝広告などのメッセージを
ターゲットへ的確に届けられるか?
Response(測定可能性)
対象市場の規模や特徴などを測定できるか?
マーケティング施策の効果を測定できるか?
Rival(競合)
競合となる企業は多すぎないか?
参入障壁が低いとレッドオーシャンになりがち。
Rate of Growth(成長性)
今後成長していく市場か?
衰退産業(斜陽産業)へ新たに参入することは避けるべき。
かなり簡略化しましたが、
以上が世間で一般的に知られている
セグメンテーションの解説だと思います。
2.上手く分けれない理由
さて、先ほどの解説をみて、
「セグメントに分けてターゲットを決めてください」
と言われて、あなたは市場を分けられますか?
絶対に無理だとは言いませんが、
間違った細分化になる可能性が高いです。
これだけでは情報が足りないからです。
まず意識して欲しいことは
先に『属性』で分けてはいけない
意外だと思う方もいるのではないでしょうか?
例えば
30代の女性でこどもが2人いる主婦なら
きっとこのニーズに違いない…
それは想像力豊かに
「思い込み」と「決めつけ」によって
主観で分けているに過ぎません。
これでは、ずっと間違った切り口の元
ターゲティング、ポジショニングへと
進んでしまうことになります。
では、正解は何かというと
先に『ニーズ』から分ける
これを意識して欲しいのです。
なぜ、そう考えているのか?
次に具体例を挙げてご説明します。
3.セグメンテーションの具体例
あるハンバーガーチェーンで
普段は低価格帯のバーガーを提供している店が
中価格帯のバーカーを模索していたとしましょう。
当然、材料費も普段より使えますから
ボリューム感のあるハンバーガーが想定されます。
では、このハンバーガーは誰が買ってくれるか?
顧客のニーズから、形や中身のトッピング等を
考えていくことになります。
今回はその内の一つとして
「肉が二重に乗った大型のハンバーガー」
のニーズを想像してみてください。
【想定されるニーズの例】
①ガッツリした満腹感が欲しい
・体育系の大学に通う学生
・体格の良い訪日外国人
②インスタ映えするハンバーガーが欲しい
・10代の女子学生(一部男性もいるかも)
・SNSで食べ物を投稿している人
③ハンバーガーが大好物だが、夕食としては
ボリューム感が足りないと感じていた
・会社帰りの独身サラリーマン
・休日のファミリー層(夕食をつくるが面倒なお母さん)
このように、先にニーズを表に出すことで
後ろについてくる属性のイメージが
鮮明になることが分かるでしょうか?
これは普段の事業の中でお客様に触れて
様々な情報を見聞きしていると
自然と養われていく感覚のようなものです。
そのため、急に無機質なデータの話から
入ってもイメージできないのです。
だから、教科書通りに
地域、人口、購買データといった数値から
先に入って迷走してしまいます。
さらに、
市場の位置づけが変わるケースとして、
もう一つ事例をご紹介します。
商材が「ビール」だとしましょう。
売っている場所はどこでしょうか?
・コンビニ
・スーパー
・ネット(箱買いする人)
この場合、競合は
ライバル会社のアルコール飲料が筆頭で
次に近くにある清涼飲料が該当します。
これが中元や歳暮になったらどうでしょうか?
普段買いの「最寄品」と
年に1~2回しか発生しない「買回品」とでは
マーケティング戦略が全く異なります。
競合を考えた時に
面子が違うことにお気づきでしょうか?
【代表的な中元や歳暮の贈り物】
・お菓子、ゼリー、フルーツ等
・アルコール飲料(←「ビール」はここ)
・洗剤、石鹸
・ソーセージやハム
・地域の特産品 等々
普段買わないけど、送られると嬉しい。
最寄品でも大量にもらうと生活費が助かる等
顧客のニーズが異なるため、
当然セグメントも変わってきます。
また、ビール市場の意味合いを
「大人のお風呂上りの贅沢」と定義したら?
この場合、
競合には高級アイスクリームも選択肢に入り、
ハーゲンダッツのマーケティング戦略が
成功事例としてあります。
最近では「自分へのご褒美」
というベネフィットに変化しているそうです。
そうなるとまた違う市場へ変化していく…
競合も異なる企業が出てくる可能性もあります。
このイメージを忘れないでください。
(次回へ続きます)
最後まで読んでいただきありがとうございます。
セグメンテーションの話はとても長いため
2つに分けさせていただきました。
今回はセールスにおけるセグメンテーション
をご理解していただく回と位置付けました。
次回は、採用におけるセグメンテーション
のコツを詳しく解説します。
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