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【ビズリーチがついにマザーズ上場決定】HR業界のユニコーン企業と呼ばれるビジョナルさん。みんな知りたかった事業収益が明らかに!

2021年3月17日、日本にも衝撃のニュースがやってきました。「ついにビズリーチのビジョナル株式会社が東商マザーズ上場」です。2021年4月22日予定、時価総額は1500億円を超える日本全体の上場で見ても有数の大型案件です。

今回は、そんなビジョナルさんの発表した2021年7月期業績予想を細かく解説。「え??なぜこのタイミングで上場??」などいろいろな疑問がでてくる発表も含まれていました。

上場承認のニュース記事について(日経新聞)

さて、まずは実際の上場承認記事を見てみましょう。

人材サービスのビズリーチを傘下に持つビジョナル(東京・渋谷)が4月22日に東証マザーズに上場することが決まった。東京証券取引所が3月17日に上場を承認したと発表した。新株を発行するほか、ジャフコグループなどのベンチャーキャピタル(VC)が持ち株を売り出す。上場で得る資金は既存サービスの販売促進や開発、事業買収などに充てる。

さらに注目すべきはこちら。

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(https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ178N10X10C21A3000000/より抜粋)

こちらの記事には、ビズリーチは6,600社以上が利用すると書かれていますが、直近の他のニュースでみると、ビズリーチの利用は年間で1万5,000社に上るという情報も出ていました。
ということで、ビズリーチは非常に伸びたことが伺えます。

では、ここからビズリーチさんの売上等を発表資料から紐解いていきましょう。発表資料には「ん?」と思うことが沢山あったので、そこも見ていきたいと思います。

2021年7月決算の予測数値を紐解いていくと…

見ていきたいのは、3月17日発表の7月決算です。発表資料では、2021年7月の決算内容が公表されていますが、これを読み解くと、今どういう状況か、既存事業の売上がどれくらいあるのか、ビズリーチってどれくらい売れているものなのか?…等々が分かるようになっています。

https://www.visional.inc/ja/news/pressrelease/20210317-02/main/0/link/202107_gyousekiyosou.pdf

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こちらが、決済資料をもとに、2021年7月期の通期売上収益・営業利益・純利益の予測データを我々の方で簡単にまとめた資料です。
詳しく見ていきましょう。

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資料によると、2021年7月は267億円の予測と出ていました。実はビズリーチ、200億円を超えているんですね。1年前の通期実績が258億円ということですので、3%の増収予測を出されています。

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ところが、営業利益は9億6,000万円と出ています。昨年が21億円あるので、12億円も下がる予測なんですね。前年比で43%なので、57%も下がっていると。

さらに、純利益です。

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純利益は、なんと今期の予測が3億9,000万円に対して、昨年実績が46億円もありました。純利益は42億円下がり、前年比8%という予測になっています。

純利益大幅ダウンには明確な理由が!スタンバイ売却、その驚きの金額とは!?

新規の株式公開だと、普通は上がっていく形が多いかと思うのですが、恐らくコロナ直撃で予想ほど売上が伸びずコストを吸収しきれなかった、というところが営業利益ダウンの要因ではないかと思います。

では、純利益ダウンはどのような原因が考えられるでしょうか?

これは、昨年度の株式会社スタンバイの事業分離が原因のようです。

現在は株式会社スタンバイとなりましたが、ヤフーつまり、Zホールディングス60%・ビズリーチ40%の別会社、別事業にしたことによる移転利益ということで、

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なんとZホールディングスに事業の売却を行った移転利益が、47億9,900万円だったようです。

…そんな事情があり、昨年度の純利益はそれだけ大きく伸びたということなんです。そのため、この上場というタイミングで、今回の発表では売上は微増ですが、営業利益では減収という発表になっておりました。

サービス別の売上と前期比発表

そして、商品別でどのくらい売れているか?ここ知りたいところですよね。
そちらのデータも発表されていました。それがこちら。

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こちらは、今期の予測データになります。

ビズリーチで216億円、前期比で3.4%伸びる予測でした。
HRMOS(いわゆるHRテック、採用・人事関連のサービスですね)で前期比で18%伸びて11億円という予測でした。

ビズリーチの3%というのはコロナ直撃の影響もあると思うのですが、それでもやっぱり去年よりも伸びる予測を出されています。
求人広告サービスが軒並み前期比で70~80%発表ということを考えると、ビズリーチは成長する見込みがある、ということですね。

求人広告業界において売上順位はどの程度か?推測してみました

今回の上場は、HR業界の中でも特に求人広告周りにおいては、久しぶりの大型上場です。これはどのくらいの立ち位置になるのか、推測してみました。

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ビズリーチは、いわゆる求人広告サイトだと思いますので、これを求人広告業界での順位で考えてみると、年商267億円というのは(公開企業のみの比較ですが)業界5位になるのではないでしょうか。

もちろん業界の中で、未上場で大きいところでいくと、アイデムさん、そして更に大きいところでいくとマイナビさんでしょうか、その辺りの企業は入っていませんが、未上場の企業を入れても10位以内には入る、相当大きい企業に値するということになるかと思います。


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■スピーカーのプロフィール
・江本 亮
2005年より求人メディアがASPにて安価で早く提供できるシステム「ジョブメーカー(https://jobmaker.jp/)」にて自社サイト・オウンドメディアによる採用成功を支援、構築実績はこれまで200社以上に及ぶ。「反響があがる求人広告・求人メディア」をテーマに、「indeed対応の自社求人サイト構築システム」の開発などを手がけている。

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