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情緒支援級に入るまでと入ってからの支援級体験記


我が家には現在情緒の支援級に通うこどもがいます。
支援級というのは、特に【地域・学校・学級】によりかなりの違いがあります。特にこの地域の差(違い)についてはとても大きいものがあり、まず地域から支援級の考え方や、どんなこどもが支援級に在籍することが出来るのか、その判定の目安も大きく異なってきます。
またわたしはXで保育士の観点からの保育園ツイートをしていますが、支援級に関してはいくつも見てきた経験してきた訳ではなく、ひとつの自治体とひとつの学校でしか通わせる経験をしていません。

なのでこれからの話はn=1の前提で見て貰えたらと思います。



🦥こどもについて
・場面緘黙症+ASD
場面緘黙症とは、特定の場所で話せない、体が動かず行動ができない症状です。

・年中から特に園からの帰宅後の癇癪(メルトダウン並)が酷く、毎日2~3時間泣き叫ぶ日々を送っていました。
行事前だから疲れたかな、幼稚園頑張ってるから疲れたかな、など思いながら対応していました。
色々対応してみて、安全な場所を確保したら泣き止むまでそっとしておくことが1番でした。癇癪ならなにか要求を満たせば落ち着いてきますが、パニックに陥った状態なので何を声掛けても逆効果でした。
一時期部屋の中にテントを用意して、そこをクールダウンスペースにしていました。
癇癪が酷いと、そのまま体力の限界で眠ってしまうまで泣き叫び続けます。(小学校4年生現在まで、紆余曲折ですがこの症状は続いています。)




🦦支援級を考えるきっかけ
年中秋、自治体の発達センターへ
・年中秋に白目が浮腫んでゼリー状になるまで泣き叫び続け、それをきっかけに発達センターへ。
園では大人しい状態で先生の指示は聞けていたが(発達センター行くにあたり先生と面談し確認した)、家での反動が凄すぎるので通うことに。

年長夏、WISCを受ける
結果は凸凹50以上でした。
凸凹の数値だけでは決まらないけれど、凸凹の差が大きければ大きいほど本人の困り感が出てくるそう。
発達センターの先生からは「普通級でついていけるとして小学3年生まで。ワーキングメモリー(凹)の数値が低いので、板書も難しいでしょう。」とのことでした。

数値を見てみて、わたしはとても納得して、凸凹の得意不得意も今までの生活に当てはめて考えると謎が解けたような気がして、噂の占い師さんにみてもらいました系のスカッとした感じと不思議な気持ちが混ざるような感じでした。

発達センターの先生から、場面緘黙症のような様子もあるし(当時未診断)支援級の説明会や見学に言ってもいいのでは無いか?と聞き、説明会へ行くことにしました。

🦦支援級説明会へ
※コロナ禍だったので、夏に説明会でしたが現在は年長の春をも通り越し、年中の秋か冬に説明会を行っているそうです。現在は時期の違いがありそうです。

支援級説明会は、支援学校、知的支援級、情緒支援級まとめた形での説明会でした。
わたしは情緒だけど他のも聞かなきゃいけないんだ~と軽く考えていましたが、支援級と支援学校どっちがいいかな?知的と情緒どっちがいいかな?と考える方にとってとても良い説明会でした。

説明会では、
みなさんの中にメガネをかけている人がいますよね?視力が弱いからメガネをかけて見えるようにする。それが支援級です。」
と言われて、そのわかりやすさに脱帽しました。

他にも普通級と支援級どちらを選ぶか迷った時には、「保育園や幼稚園で集団指示のときに、児童に対し追加で声をかける必要があるかどうか」が見極める材料になると言っていました。これもわかりやすいですね。

情緒支援級は、支援級で全ての時間授業を受ける子や、〇曜日は普通級へいく、この教科は普通級へいくというこどももいます。
勉強も一斉授業を取り入れている学校もあるとは思いますが、基本的に学年はバラバラなので個人個人で用意したものを行います。
感覚過敏の子も多いから、空調の細かい設定、パーカーなどの羽織ものを持ってきても良い、など場面緘黙症で申請しても他のこだわりでも配慮を受けることができます。と説明を受けました。


🦦支援級見学会へ
・学区の小学校へ支援級見学会に行きました。複数の家庭合同でした。
わたしはこども無しで行きました。

あくまでこの学校は
・極力黒板の方(前)に掲示物を張り出さず視覚支援を取り入れている。
・個人のこの時間は支援級、この時間は普通級などの時間割はクラスの後ろに掲示されている。
・机ひとつひとつ離れている。
・クールダウンスペースとバランスボールがある。
・30人程入るクラスのスペースを9人くらいで使うのでとても広く感じる。
・支援級が複数クラスある。

という感じでした。

心に残ったのは

「在籍が決まったら入学式前に体育館の下見と入学式の予行ができますよ✨」
と言われたことがひとつめです。
2つ目は、前にも書いた「メガネをかける=支援」の話でした。
30人ギチッと座っているより人との間に感覚があり、我が子には合っているかもとは思いました。


🦦入学手続き
・入学に際し、支援級で手続きしたいとなると書類を用意して審査がありました。
審査の前に先生方と面談をして書類を作りました。
審査は状況を伝える係として、園の先生が話してくれました。

ここでわたしは自治体が【手帳や診断が必要とは限らない自治体】でしたが【手帳や診断が絶対な自治体】もあります。

手帳や診断書があると良いのですが、無くて、手帳や診断が絶対な自治体に当たってしまうと急に忙しくなるかもしれません。
後ほど手帳や診断書についても書きます書けたら…!

この書類をつくる作業があるので、支援級に決めた!という瞬間から園と面談の日程を組んだり、先生に書類を書く猶予を残します。


・入学までに
支援級の先生や、支援コーディネーターの先生との面談をしました。
WISCの数値と予備欄(コメントが書いてある)を提出して特性も話しました。
当時は、外で頑張りすぎた分を家で発狂している感じでしたので、それを併せて伝えました。
・人気で予約がなかなかとれない発達外来の予約を取っておきました。



🦦いざ、入学!
・いざ入学!して生活を進めてみると…あれ?と思うことが結構ありました。
当時、未診断でWISCの結果のみある状態だったのですが、どうにもこうにも話が噛み合わず…。
わたしが辿り着いた答えは【小学校には診断書と医師の所見が必要】でした。(※個人差があります。)
あくまでわたしが学校の先生とスムーズに発達の話をするうえで診断書が必要だなと感じました

通っていた発達支援センターでは診断がつけられなかったので、発達外来(初診6ヶ月待ち)に行きました。
運良く幼稚園の間から発達外来を予約をしていたので良かったのですが、話が噛み合わなくなってから半年待っていたら大変でした💦

そこですぐに診断書を貰いました。
場面緘黙症で、所見に無理やり声を出すような指導を避けるなど医師の方に書いて貰えました。
それを学校に提出したところ、診断書としてちゃんとした(?)発達障害だということが理解されたのかすぐに対応が変わりました。
それまでは朝の会の返事などを声を出して行うように指導されていましたが、手を挙げるなどのジェスチャー、何かを伝えたい時の絵カードや「どこに行きたい(トイレなど)」カード、YES・NOカードをすぐに作って対応してくれました。
このように診断書と医師の所見があったことで、こどもの環境を整え、無理しすぎないけど集団生活で過ごしやすいように対応していくことができました。

周りでも合理的配慮など受けられなかった、など話を聞きますが診断書があることによって先生たちのこどもへの期待のハードルを下げてくれるので、特性が出ていて学校で叱られて自己肯定感を下げてしまう…ということが減るそうです。
診断書が、自己肯定感を下げたり、自分自身が「出来ない」と思ってしまうことを未然に防いでくれると思います。

わが子も支援級で少人数でよく見てもらえること、また支援級在籍児童ということで校内全体で子どもに対して受容的に関わってくれます。
良い方向の"丁寧に関わろう"というバイアスがかかってくれているのを感じます。

一人ひとりに合わせての中に、クラス単位や学年、学校単位の活動もあり
どこまで参加できるのか、どこまで普通級に混ざるのかなどひとつひとつ情報を先生と家庭で共有しながら行っています。

例えば、学校行事では、パーソナルスペースが広すぎで近くに人がいることが苦手なので列の1番後に並んでもらうことで人が近くにいるのが嫌で不機嫌になることや、触れ合ってしまって手を払い除けてしまうなどの行動を回避しています。
また、合唱コンクールのようなものも、列の端にしてもらったり、練習出来る日もあれば練習に参加できない日もありますが、参加できない日は静かに座って見学という形で学校のみんなと関わりを持っています。
また、支援級から交流級に行く時も、学習でない部分(給食、音楽、図工、体育)から慣らしていき、学習にも入って行けるように対応してくれています。交流級(普通級)に行く時には、支援級の先生が見て回ってくれて不安や困ったことがないかを逐一聞いてくれるそうです。

通わせている学校では、無理しすぎないけど少し頑張ったら出来そうなことを頑張ってみる!くらいの感じで考えてくれています。

全てを普通級と同じように!というと出来ないか、出来ても爆発してしまうので、この考え方を持ってくれているのは助かるなと思います。

我が子は低空飛行気味ですが、支援級に支えられて学校生活を安心して送れています😊
場面緘黙症ですが、学校で困ったことがあったときなどしっかり声を出して伝えることが出来るようになってきています。
学校では、絶対に受容的に関わってくれる!というのが分かっているので、そこは本当にこどもの精神的安定に繋がっているなと思います😊
少人数で手厚く関わってもらえる支援級を選んだことは本当に良かったなと思いました!

学習の仕方や学習の支援ももちろんですが、とにかくこどもが生きやすい環境を用意することが出来て良かったです。
今は宿題が重荷で家で癇癪の毎日なので、出来るだけでいいにしてもらっています。
コンディションによっては手をつけられない日もありますが、本人が先生に「今日はできませんでした。」と伝えることで、叱られたりはしません。
また漢字の反復練習も苦手なので、他の子よりも少ない反復練習の回数に設定してもらっています。その分、定着するのが難しいので学校で空き時間にやったり家で出来る時に復習をしています。


🏃‍♂️番外編 

・発達支援センターにかかろうかなという話はよく聞くのですが、ではそこから何をしたらいいのか?というのはなかなか教えて貰えません🥲
「様子見しましょう。」が多いこともあるからかもしれません。発達センターで診断書を貰えない自治体もあると思います。

杞憂でもいいから何か進みたい!という場合、
・発達センターにかかろうと決心した時点で同時に発達外来、児童精神科の予約をとる
(約半年待ち、初診がなかなか取れないことが多いです。初診待ちしてる間に落ち着けばそれでいいので杞憂でもいいから動くのが吉です)
・診断書をもらう
・通所受給者証をもらう→児童発達支援や放課後デイサービスなどの療育に通う
・療育手帳や精神障害者福祉手帳をもらう(等級により税金が少なくなるなどあります)
・手帳や診断書、WISCの結果を用いて特別児童扶養手当を申請(申請がおりるかは自治体によりかなりの差があるそうです)

ここらへんを並行して行えると、とても効率的に動けると思います!

特に、小学生前の児童発達支援(療育)は無料で受けることが出来ます。
早期療育が良いとよく言われていますが、やはり療育施設に通い始めた子はその子のペースではあるもののすごく成長します!
放課後デイサービスは所得によりかかるお金が変わるのですが、児童発達支援に関しては無料になっているので通わせるにあたっての親としてのハードルも低くなるのではないかと思います。
通所受給者証を申請したら、見学の予約を入れることをオススメします!
ここに申請したら、と書いたのは、申請から許可まで2ヶ月くらいかかるので、その間に見学を回るのをオススメします!

色々書いてきましたが、
支援級とは「視力が悪い人がメガネをかけるような当たり前のこと」をしていく場所。生きやすくしていく場所。受容的に関わってくれるところ。

また支援級に入れようか考える見極めは、
「集団指示のときに、こどもに対して個別に追加で指示が必要かいなか」
集団指示したときに、もう一声かけなけれらならないときは支援級を視野に入れた方がいいと聞きました。

情緒の支援級は、わたしの通わせている学校では学年相応の授業内容ですし範囲も同じです。
学校行事なども全て同じように経験することができます。
違うことは色々ありますが、自立活動というその子やクラスに合わせた支援があります。
SSTなどは自立活動の中でレクのように楽しみながら行っています!
自分や他人とどう付き合っていくのか、話し合ったり支えあったり、というやりとりのあるゲームやレクを使いながら楽しそうに行っているのを授業参観で見て、支援級で良かったな~と思いました。

普通級に行くのが普通だと、固定概念的に生まれ育ってきたので支援級ってなんだろう?という漠然とした不安や、見えないことによる疑問がたくさんありました。
特に保育園幼稚園は、生活習慣や情緒を学ぶ場でもあるので、保育士は特に根本的に受容的な気持ちや態度でこどもと接しています。
打って変わって小学校には、学習という柱が追加されます。
先生たちは、学習もみながらこどもたちの生活や情緒面もみるのですからそれは多忙を極めると思います。
なので、多忙な先生にどう伝えていくかはかなり大切だと思います!
わたしはこれを診断書に頼り、診断書をベースに一緒に考えていきました。
特に支援級は、先生とのやりとりや話し合いが多くなり、こどもが荒れている時期などはやりとりも多くなりちょっと面倒だなと思ってしまう部分もありましたが(絶対先生には言わないし、態度にも出しませんが)、先生がここまで向き合ってくれるのが幸せだと思い、たくさんやりとりをしました。
ただ、やりとりに対して嫌な気持ちを抱かなかったのも、あたった先生たちが良くてこどもを否定で止まらず次にどう対応したいか、その後どこまでを目標にするか、小さい目標が達成できたらどんな目標を達成したいかまで話してくれるからだと思います。

とにかく、いま就学を考えている親御さんは計り知れない不安と、こどもの将来や学校生活を自分が決めてしまうというどちらに進んだら正解なのかわからない大きな選択を迫られると思います。
本当に大変な選択ですが、わたしはこどもが生きやすくなるような環境を整えられたことを良かったなと思っています。

これから就学に向けて動き出すみなさんへ、
支援級を検討する母数が少ないので集まる情報も少ないと思います。
少しでもお役に立てたら嬉しいです!!
こどもの為に奮闘する仲間ですので一緒に無理せずやっていきましょー!!✨


うまくまとまっていないですが、わたしの支援級経験記でした🧎‍♀️

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