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誰得ドット絵『椅子なし授業』

誰得じゃないドット絵として「教室」を絵にできるようにと、まずは『床』と『勉強机』を描いていたんですよ。

それらを描き終えて、以前描いた学生っぽい少年少女とあわせてみたところ……ハッ、これは椅子なし授業! 教師によるイジメ!?

となったので、「この瞬間を切り取っておかねばなるまい!」と強い使命を感じたわけです。これぞアートです(超嘘)

懐かしい木の床

ぼくは教室の、あの木の床が好きなんです。縦の流れと横の流れを交互にしたあの木の床……なんて呼ぶんでしょう。

『あの木の床』2x2マス配置

教室でしか見ないわけでもないし、みなさんが学生時代を過ごした時代や地域によっては共感できないかもしれませんが、ぼくは床掃除をしながら「いい模様だなあ」と感じたことを今でも覚えています。

ただ、一度は描いたものの『あの木の床』はけっこう小さいんですよね。このサイズで描いてしまうと、上に机や人を乗せたときに、かなり違和感があります。

机と男子を乗せてみたの図

そこで渋々描いたわけです、1マスに『あの木の床』が2x2で配置されている"小さい版"を。

『あの木の床』小さい版

わかってはいたのですが、つまらないというか、逆に要素がつまりすぎというか。しかも、実はこれ、けっこうたいへんなんですよ!

なんてぶつぶつ言いながら、"小さい版"に机と女子を乗せてみたところ、さすがに絵全体としては「しっくり」くるわけです。くやしい。

机と女子を乗せてみたの図

まあ、仕方ありません。この絵のなかで床が果たすべき役割は「目立つ」ことではないですからね。床が自己主張してどうするんだ、というわけです。あれもこれも目立たせようとすれば無理が出てきて、絵全体のためになりません。

あ~、でもこれって、まさに教室で個性が潰されていく様子そのものなんですよね。「絵全体のため」を「社会全体のため」に置き換えてみれば、なんとも「しっくり」きてしまいます。ぼくらはみんな、名前も知らない「あの木の床」のようなものなのかもしれません。

というわけで、ささやかな抵抗として、ちょっと出番を作ってみたわけでした。ただ「ボツ」にするのは、なんだか良くない気がしたのです。

(おしまい)


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