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誰得でもないドット絵『猫背』
いつも猫写真ストーカーをしているくせに、自分で撮った猫写真を資料にしてドット絵を描くことはありませんでした。意図して避けていたわけではないのですが、「昨日見かけたチャトラくんを描きます!」みたいなのは、なにか"しっくり"来なくて。
「猫を見て、猫を描く」というのはなんとなく焦点があわない気がしたのです。わかりますかね? ぼくはわかりません。
な~んて考えながら猫ストーキング写真集を見ていたところ、ピン! と来たので今日は初めて猫写真を資料にしてドット絵を描きたいと思います。
タイトルにもしたように、テーマは『猫背』です。
資料写真を選ぶ
猫はみんな猫背なので猫背写真自体は多いのですが、「絵になる」ものは意外と少なめです。猫背のラインがきれいに見えるときは、体が横を向いちゃってたりしますからね。
でも、ありました! 背中を見せていながら、振り返って顔もこちらを向けているハチワレ・パンダちゃんの写真が。これです、これで決まりです!
![](https://assets.st-note.com/img/1709075941200-ZheyPy5U9i.png?width=1200)
さくさく描く
あまりリアルに模写してもおもしろくありませんから、24x24ドットのキャンバスに描いていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1709083453458-S4pFJx8GB3.png)
敢えて曲線にはせず、直線のみで描きます。
![](https://assets.st-note.com/img/1709083489728-ZCpJiyYNP3.png)
シルエットを浮き彫りにしますよ。
![](https://assets.st-note.com/img/1709083516612-czZbrf9AQo.png)
肝はここです!
「猫背」がテーマといっても、今回の資料写真では"体左側の丸いライン"は背骨や背筋ではなく、実は"横腹"。きれいな曲線になっているので「猫背」のイメージにぴったりの構図ではあるのですが、背筋は画面手前を向いているのです。なので、この背筋のラインを強調するのを忘れないためにグレーのラインを引いておきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1709084293758-mIkDU8Yjny.png)
目はあまりリアルにせず、デフォルメキャラ系の"縦目"にしました。
ここまでが下描きという感じですね。もう白猫としてはできたも同然なので、あとは着色していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1709084645681-gGslbnXGzN.png)
先程のガイドラインにあわせて明暗をわけることで、背筋の存在を強調します。今回の主役ですからね。
![](https://assets.st-note.com/img/1709084984562-BsP0HELEul.png)
テーマは「猫背」であってパンダちゃんのドット絵化ではないので、本来なら転々とした細かい白毛部分は描かなくてもかまいません。ただ、今回はせっかくモデルになってもらったわけですから、可能な範囲でオリジナルを尊重しようと思いました。
猫はけっこう模様で差別されるところがあって、人間の美的感覚で「整った」模様の子は大切にされ、「ちょっとヘン」と言われてしまうような模様の子は見捨てられがちなんですよね。時には命にかかわることも。
パンダちゃんは人間が違和感を持つような模様ではないのですが、「この白い部分はない方が絵的には良い」なんて言い出すと、なんだか良くないことの入り口に立つ感じがありますから、要注意。ありのままで良いのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1709085717003-0ouCrqK3zv.png)
立体感をつけつつ色の境界を馴染ませます。
なお猫の黒い毛は光に当たるとけっこう赤いことがわかります。できるだけ明るめにしたかったのですが、やりすぎると三毛猫と勘違いされるので難しいところ。ギリギリのラインを攻めていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1709086008337-v6kKbKv0B2.png)
最後に、パンダちゃんの特徴的な金目とピンク色の鼻を描き込み顔を整えたら、ドット絵『猫背』の完成です!
実在の猫をモデルにした猫絵は難しいかなと思っていたのですが、さすがに子猫のころ、8年も前から見ているのでサクサクと描けました。とはいえ、細かい模様を描き込むときには「う~ん」と唸りながら、つい猫背になってしまうのは不思議なものですね。
「いや、このドット数にしてはけっこうがんばって似せた!」と胸を張り、背筋を伸ばしたところで今回の記事はおしまいなのです。
(おしまい)
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