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ドット絵メイキング『ひまわり(絵画)』

さて今回のドット絵メイキングは……昨年9月に書いた芸術について考える良記事(自分で言う)のタイトル絵のために描いた『ひまわり』です。

このひまわりは、もちろんゴッホの絵画『ひまわり』ですから、ゴッホになったつもりで語尾を「~ッホ」とかにした方が良いかもしれませんがあまりにクレイジーすぎるのでやっぱりしないッホ。

まずは、どの『ひまわり』にするかを選ぶ

ところでゴッホは『ひまわり』を7回描いたとされていまして、まずはどの『ひまわり』をドット絵にするか選ぶ必要があります。

(画像はWikipediaより)

今回選んだのはこのうちもっとも古く1888年に描かれたという1枚目の『ひまわり』です。

全体の色バランスがはっきりしているのと、描かれているひまわりの本数が3本と少ないのがドット絵向き。7枚目もすっきりしていて好みなのですが、全体の色差が少なめなのと、ひまわりの本数が12本もあってドット絵で描くには混み入りすぎなのでやめておきました。

1. 額縁を描く

どの『ひまわり』を描くか決めたので、32x32ドットのキャンバスに額縁を描きます。

なお、額縁のサイズは以前描いた百人一首からの流用です。同じサイズで描いておけば、いずれカードゲームを作るときに使えるかもしれません(遠大な計画)。

2.背景を描く

背景……と言っても絵画のなかの背景部分なのがややこしいですが、とにかく壁と机をざっくり塗りわけます。

3. ひまわりを描き加える

続いて、主役のひまわりと花瓶を描き加えます。

まずはざっくり、バランスを保って納めることを重視します。まだ葉先などの細かい部分は描きません。

いやはや、ほんとにひまわり3本の1枚目にしておいて良かったと思います。これ以上細かいのを描くのはかなり厳しいです。

なお、百人一首のときと同じく、斜めに見る構図になっているからといって、ひまわり本体を斜め(左肩上がり)に描くことはせず、基本的には真正面から見たのと同じつもりで描いています。

4. さらに細部を描き込む

バランスはとれたので、先ほど描かなかった葉先の部分など、細部を描き込んでいきます。

なんだか色的に「ひまわりの木」みたいですが、元がそうなんだからこれは仕方ありません。

5. 花びらに明色を加える

ひまわりの黄色い花びらの部分はこの絵の中心なので、さらに1色加えることで情報の密度を増やします。

絵全体の明るさを引き上げるため、加える色は実際の絵画より少し明るめにしています。

ひまわり本体は、これでできあがり。

6. 背景を整える

あとは、背景を整えます。壁にある色ムラを表現し、テーブルに影を落とします。

なお、この壁の色ムラを塗る作業が今回もっとも"グッとくる"ポイントでした。面積が広いこともあり、ここが一番ゴッホの"筆の流れ"を意識させられるからです。

あくまで推測になりますが、この壁の色ムラはべつに壁にある染みをリアルに描いたものではないでしょう。他の部分とは異なり、ここだけが模写ではなく、ゴッホの意志みたいなものが強く反映されている気がしたのです。

これ、初めて「芸術に触れた」と思えた瞬間かもしれません。

7. 額の色を調整して完成

最後に、額の色を少し明るく"ひまわり色"に合わせて完成です。

うーん。「絵画としての『ひまわり』の存在感を活かして、額の色は地味色のままの方が良かったのでは」という意見もあると思います。特に手順5でわざわざ花びらに明るい色を加えているのだから、なおさらです。

一方、あくまでアイコン的なドット絵としては、全体で目を引くようにしたいのです。

正直に言うと、今こうして見返してみると地味色のままで良かったかなと思うところもあります。でも、その時々の気持ちに正直になっていろいろ描いてみるのもいいのではないかということを、今回ゴッホから学んだような気がするのです。

そして、この記事を見てくれた"あなた"が「派手な方がいい」「地味な方がいい」とちょっとでも迷ってくれたなら、どちらにもそれなりの存在価値があるということですし、「スキ」のひとつでもいただけたなら、生前には評価されなかったゴッホよりぼくは幸せ者なんだろうと思います。

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