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【開催レポート】ファースト読書会 朝井リョウ『武道館』(Promotion Edit)

女性アイドル集団「Hello! Project」、
通称ハロプロは、25年もの長い歴史の中で、独自の文化を育んできました。彼女たちを推すハロヲタにも、他の推し文化とは少し異なる独特な文化が醸成され、ハロヲタ脳とでもいうべき、独自のモノの見方があるように思われます。

そんなハロヲタだけが集まって読書会を行なえば、独自のユニークな意見が交わされて、盛り上がるのではないか。そのような思いで立ち上げたのが「ハロヲタ読書会。’23」です。

この記事では、2023年7月15日に開催した、ハロヲタ読書会。’23のファースト読書会の開催レポートをPromotion Editでお届けします。 


課題本は、朝井リョウ『武道館』

ファースト読書会は、課題本形式。
課題本は、朝井リョウ『武道館』
参加者全員が事前に、課題本を読了して、集まりました。

『武道館』は、ハロプロのユニットJuice=Juice主演でTVドラマ化され、BOOKSTAND. TVアンジュルム川村文乃さんがおすすめした本。
著者の朝井リョウさんも、ハロプロのファンを公言し、作中には、ハロプロを想起させる叙述が多数、散りばめられています。単行本・文庫本の解説を、つんく♂さんが執筆している点でも、ハロヲタにとっては必読書といえます。

ハロヲタ読書会。のルール

直前のキャンセルが相次ぎ、参加者は3名と少なかったのですが、読書会後の懇親会を含め、4時間話し続けても話し足りないといった盛り上がりでした。 

①他の参加者の意見を否定しない、
②ハロプロメンバーを否定しない、
③ハロプロメンバー間で、または他のアイドルと優劣を付けるための比較をしない、
というハロヲタ読書会。のルールを確認して、読書会のスタートです。

次の写真のあとからは、ネタバレがあります。
『武道館』を未読の方はご注意ください。

ハロプロFCバスツアーでおなじみ。マイクロファイバータオルで窓を装飾。

読書会前半戦

『武道館』の主人公は、女性アイドル・ユニット「NEXT YOU」のメンバー日高愛子。無名だったNEXT YOUが、日本武道館での単独公演を実現するまでの物語がストーリーの軸ですが、努力をすれば夢が叶う、という単純な成長物語ではありません。アイドルと恋愛、セカンド・キャリア、ファンとの関係性、アイドル・ビジネスの在り方といった辛辣な問題提起をする作品です。

読書会前半戦は、フリートークでしたが、話題の中心は以下の3つのテーマでした。

【ハロヲタの在り方】

参加者の皆さんの第一声は、
「アイドルからヲタクはこう見られているのか」、
「ハロヲタとしての自分の立ち居振る舞いについて再考を迫られた」
というものでした。

本書では、NEXT YOUのメンバーが彼女たちのヲタ、通称「ネクス中毒」たちに対して抱いている複雑な感情が随所に描かれています。 

握手会で励ましの声を掛ける常連ヲタには、感謝の念と共に、
「まるで先生のように話すこの人は、私たちのなんなのだろう、と。」(
朝井リョウ『武道館』(2018年、文春文庫)125頁
と思う。
またヲタは、恋愛禁止、大学進学は逃げ道など、アイドルはかくあるべき、というルールを勝手に作り出し、その理想像に自分たちを当てはめようとする。 

最近のハロプロは、ブログやSNSでヲタがコメントを返すことができ、また個別会などメンバーとの接触の機会も増えています。そうした中で、ハロヲタとしてどのように行動し、発言すべきか。朝井先生からヲタに対する痛烈な問題提起なのだと思います。 

【アイドルと恋愛】

いわゆるガチ恋勢の方が参加していなかったので、恋愛絶対禁止、という意見はありませんでした。
アイドルだって恋をすることは止められない。ただアイドルとしての活動中は隠してほしい、という意見が多数でした。その理由も多岐にわたり、「夢を与える人なのだから」、という意見もあれば、「アイドルとしての活動に全力であってほしい」という意見も。 

【アイドルのセカンドキャリア】

ハロヲタは卒業メンバーを推さない、ということがしばしば指摘されてきました。『武道館』でも、NEXT YOUのエースだった尾見谷杏佳が、卒業後、女優に転身して伸び悩む姿が描かれています。
しかし近時のハロプロについては、M-line Specialが卒業メンバーのセカンド・キャリアとしてよくできた仕組ではないか、というのが参加者の総意でした。 

読書会も後半戦

読書会後半戦は、テーマトーク。参加者の皆さんそれぞれに「2023年のNEXT YOUメンバー」を考えていただきました。

『武道館』は2016年にTVドラマ化されました。その際のキャストは以下の通りです。

2016年2月からフジテレビ系列で放送されたドラマ「武道館」でのメインキャスト。

5名の内、4名はハロプロを卒業し、現在、ハロプロ・メンバーとして在籍しているのは、堂垣内碧を演じた、植村あかりさんだけです。
今、ドラマをリメイクするなら、誰をキャスティングするか、をフリップに書いていただきました。

悩みますよね。でもこの時間がいちばん楽しい。

結果はこちら。

皆さん絶妙なキャスティングです。安達真由のキャスティング被りもありました。

推しメンから考える方、オリジナル・キャストの後継者を考える方、原作のイメージから考える方、ハロプロ・メンバーの関係性から考える方など、参加者それぞれの発想方法も異なっていて、とても興味深かったです。
どのキャスティングでも観てみたいです。ドラマのリメイクも切望しますし、ゲキハロで舞台化していただきたい、という意見もありました。 

「楽しい時間は…」、「えーーっ!」

楽しい時間はあっという間に過ぎ、エーイングを受けながらも、読書会は終了。
アンコールに応えて、懇親会。
八木メシ風サラダや、川村文乃さんの故郷の味・土佐巻き寿司などをいただきながら、ハロプロ三昧の楽しい時間を過ごしました。
ご参加、ご支援いただいた皆様、ありがとうございました。

八木メシ風サラダ。土佐巻きやき。

セカンド読書会は

セカンド読書会は、8月末から9月に、児玉雨子『##NAME##』を課題本として開催予定です。

以上
文責 いいの

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