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【読書】推しも育児もプロセスエコノミー

こんにちは。今夜ちょっと予定がありますので、移動時間を利用して、今日はサクッと読んだ本の紹介をしようと思います。昨日読んだのは、こちらの本です。

これまでは基本的には、良いものを作って売るというアウトプットエコノミーの一択でしたが、いまはその製作過程に詰まっている価値を伝えられるようになりました。プロセスそのものを商品にすることもできるし、プロセスによってファンの熱量を高めてヒット商品を生み出すことができるというのがメインテーマでした。

参考になる概念がいくつも書かれていました。Googleのような「グローバルハイクオリティ」の経済と、コミュニティのなかで話題化して動く「ローカルロークオリティ」の経済に分かれるというのも、面白い考え方だなぁと思いました。

つまり、あえて「ハイクオリティ」に突っ込んで玉砕しなくてもよいのです。いまの時代は物質的に豊かですから、昔みたいに商品の品質がお客様の財布の紐を開けたときに消費が生まれる、と考えなくても良いのです。

一番大切なのは、お客様の「欲しい」という意識です。コミットメントなどによってその熱量が閾値を超えたときに消費が生まれるのです。どの商品も一定レベルの品質が期待できるのであれば、誰が作ったものを何処で買うかというのがとっても重要になるのですね!

あと、プロセスを共にすることの意義について、わかりやすい例として「ハイネケンの最高すぎるCM」をあげてました。右翼と左翼、フェミニストとアンチフェミニストなど、意見が食い違う二人が一緒に椅子を組み立てる作業を行います。

作業のプロセスを共にしたあと、二人がそれぞれの意見を語るインタビューを見せて「部屋から出ていくか、それともビールを飲むか」を選ばせると、「そりゃ、ビールだよな」と乾杯するというCMです。実際にYouTubeでもご覧いただけるようなのでぜひ観てみてください。

次世代の推しをチラチラと登場させて成長のプロセスを一緒に体験してもらうという、ジャニーズの戦略の話しも紹介されてました。僕なんかは、保育園の運動会でいつも泣いてたのですが、子供たちが練習の様子を日々話してくれたこと自体がプロセスエコノミーだなと思いました。

最終章では、『片づけの魔法』のこんまりさんの話が出てきますが、こんまりさんは生き方そのものがプロセスエコノミーだというのです。お母さんが楽しく主婦をしているのを見て、自分も楽しく家事をする人になりたいとおもってたそうなのですが、どうしても片づけが苦手だったそうです。

ときめくものだけを残せばいいんだ、と気づいてから、人生が一変。自分の部屋では飽き足らず、友達の部屋や、知らない人の部屋まで片づけるようになったそうです。結果、半年先まで予定が埋まる片づけのプロフェッショナルになり、いまや世界のこんまりです。

「正しい」ではなく「楽しい」を追求し、あらゆる過程にエンターテイメントを加えプロセスに夢中になることで、周囲を巻き込み自分を高みに押し上げたということですね。この話の後に「夢中になる3条件」というとっても大切なお話が書かれています。ここは必読ですよ!

これ以上書いてしまうと書きすぎになってしまうので、あとは是非、本書『プロセスエコノミー』を読んでみてください。アウトプットまでの過程を楽しんでもらうのが、プロセスエコノミーですが、もしかしたらアフターもあるのかなと思いました。変な意味じゃありません。

映画について語り合うとか、本について語り合うとか、スポーツ選手やチームのファン同士で語り合うとか、商品になっているものを消費した後にも、また消費の可能性があるんじゃないかと思ったのです。そうすると、またロイヤリティがあがるじゃないですか。

と思ったところまでが、本書の感想です。

本を読むって、面白いですね!バイバーイ!



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