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女子部が廃止されて本当に良かった

昨日付けで女子部が女性部に統合され、30歳未満の女性は「池田華陽会」、30代と40代は「ヤング白ゆり部」に再編された。

個人的には、タイミングがここまで遅くなったのはどうかと思うが、ひとまず良かったと思っている。理由は3点ある。

女子部卒業問題

男子部は40歳前後になると壮年部に移行する。それに対して女子部はこれまで、結婚したら自動的に旧婦人部(以下、婦人部)に移行することになっていた。

そうするとどうなるか。

20代早々に婦人部になる人もいれば、50代になっても女子部のままの人も出てくる(もちろん独身でも婦人部にいけるが、女子部に拘って結婚しない人もいる)。

女子部が結成された1950年代は、社会における男女での役割がハッキリと分かれており、この制度で機能していたのかもしれない。

しかし、1990年代以降は共働き世帯の増加に晩婚化や生涯未婚など様々なライフスタイルが見られるようになった。

2000年代に入るとジェンダー平等が叫ばれるようになり「結婚したら女子部卒業」の制度は、「時代遅れの産物」と見られるようになっていたのではないか。少なくとも、男子部は年齢で移行するのに女子部はそうでないという比較でも異常さが分かるのではないか。

こうした時代の流れを鑑みると、時代遅れのジェンダー観丸出しの女子部婦人部の見直しは当然とも言える。

幹部育成が追いつかない

2点目の理由は1点目に関連する。結婚したら婦人部に移行するとなると、女子部幹部の年齢層が自ずと低くなってしまう。

以下のリンクは、厚生労働省が公表している「都道府県別にみた夫・妻の平均初婚年齢」だ。

その統計を見ると2021年の全国の平均初婚年齢は30.4歳となっている。つまり、女子部卒業のタイミングもそれと同様と言えるだろう。

それを鑑みると、女子部の最高幹部は30歳そこそこだと推測できる。

最高幹部でさえその年齢なら、地元幹部(本部や区・圏)などは更に若い年齢で登用される。実際に地方都市に赴任した私の大学同期の女子本部職員は25で区女子部長、27で総区女子部長となっている。

一方男子部はどうか。私の地元組織で言うと、今の区男子部長は32の時に就任している。総区男子部長は34の時だ。

当然男女ともに区の前に地区リーダー(華陽リーダー)や地元組織の部長、本部長を務めた上で区幹部に登用されるのが一般的だ。

そうなると必然的に女子部は幹部への登用のサイクルがどうしても男子部より早くなることに加え、その影響で時間をかけての育成が難しい。

本人としても、登用されて右も左も分からないのに、いきなり現場に放り出されて、上から打ち出しや会合が山のように降りてきて、家庭訪問や会合実施などを行わなければならない日常は地獄であろう。

先輩がいなくなる

女子部の構造的な問題として大きく挙げられるのはこの点であろう。

男子部であれば、区男子部長経験者が総区幹部として形だけ昇任して、実際は地元幹部のヘルプに入るケースが多い。そうした先輩たちに支えられて新規に就任した幹部たちは、じっくりと育成されながら経験を積むことができる。

しかし女子部はそうはいかない。はっきり言って、結婚して抜けた幹部の穴を埋める形でどんどん昇進していくのだ。

そうなると、相談する相手もいなくなるし、いたとしてもほぼ同年代で経験もそこまで変わらない。男子部のように自分と相性の良い先輩に相談できるという選択肢を持つことができないのだ。

そうなるとどうしても1人で抱え込んでしまう。それでは学会活動も義務感でしか行うことができないであろう(男子部でさえそうした問題がある)。

卒業した先輩は先輩で婦人部として、また新たな人生のスタートを切っているためこれまで通りには相談できない。


以上、「年齢構成の歪さ」「女子部幹部の負担の大きさ」「相談相手がいない」という3点の問題点を簡単に指摘した。

実際20代の幹部が50代の女子部の先輩に家庭訪問に行く場面を想像して欲しい。

自分はそんなこと気にならないのであまりピンと来なかったのだが、やりにくいことこの点この上ないらしい。

こうした慢性的な問題を抱え女子部は活動してきた。上述した問題は地方に行けば行くほど、思い問題としてのしかかる。

私は半年間地元で就職していたのだが、そこの男子部の本部長は酷かった。御書は開かない。報告のための連絡だけする。相談しても生返事ばかり。

八王子学生部が恵まれた環境と言えばそれまでなのだが、めちゃくちゃ失望した。その後地元を離れ今の組織に行き着くのだが、今から見てもその本部長はおかしいし、組織は腐っていた。

男子部でさえその有様なのだ。地方の女子部がいかに大変かは想像するに容易い。


以上の理由で、女子部と婦人部が「女性部」として発展的に解消されたのは喜ばしいと思える。

ただ、長年女子部婦人部でやってきて、いきなり上手く稼働するとは思えないので、現在の女子部幹部は苦労が絶えないであろう。が、女性部となった強みを活かして、しぶとく生き残って、可能な限り今までより楽をして欲しいと願う。


少子高齢化が進み、青年部員が少なくなる中でこうした変化は避けられない。男子部もいつかは今の形態と変わる時期がやってくる。

創価学会は巨大な団体で、簡単に変わることはできないし、上層部と現場の乖離が生じることは仕方がないとこの1年でいろいろ諦めがついた。

だからこそ、地元は地元のやりやすいように、歓喜が伴う活動ができるように、地元から創価学会を変えていけるような活動をしていく主体性が求められていると感じる。

……まあ、上手く言えばそうなんだけど、実質は現場に丸投げという大企業病と変わらんなあという印象。幹部の当たり外れも多いし。

ただ、外からギャーギャーいうことは簡単だけど、実際に汗水垂らして信頼を得て中から忠言しないと変わらないので、自分が無理なく活動できる範囲で活動していくことは変わらない。

今まで苦労が絶えなかった女子部幹部の苦労が少しでも解放されることを切に願う。