美人とは憧れである。
太腿がジンジンと痛い。筋肉が悲鳴を上げている。頑張れ。できるはず。だってまだ、歩きはじめて30分だし。
次の土曜日に控える友人の結婚式までに少しでも痩せたくて、残りの五日間はひたすらウォーキングをすることにした。
とはいえ、天気予報じゃ今日の夜から暫く雨続きなので、どうしたものか悩んでいる。その日だけランニングマシンが使える施設があると、いいんだけどなあ。
家から数分歩いた先に公園がある。まわりを一周するのにだいたい15分はかかるような広さである。そこをグルグルと周回していれば、森林浴にもなる。まさにウォーキングやランニングを楽しむのにうってつけの環境だ。
平日の昼頃に行ったので人寂しいかと思いきや、やっぱりスポーツウェアを着たランニングマンは結構いた。
私みたいなウォーキング派は少ないか。なんて苦笑しながら歩き始めたが、どうやらそんなこともないらしい。私と逆回りに歩いている私服の方々と、何度も何度もすれ違う。
確実にいる。私と同じ、私服ウォーキング派が。
ちょっとだけ、嬉しくなった。
ランニングをする女性が颯爽と私を追い越していく。綺麗な水色のウェアをなびかせて、前を見据えて走る姿。かっこいい。
美人だ。
私が「美人だなぁ」と思う女性って、大抵ランニングをしている。専門学校に通っていた頃にいた真っ直ぐのブラウンヘアーとネイビーのパンツスーツが良く似合う教師が、皇居ランの楽しさを語っていたのをよく覚えている。
(その方は在学中に退職されて、恋人の転勤を追いかけ東京から大阪に移住した。そういうアグレッシブさも含めて、私は美人だと思う)
そういう方達って、自分で決めた目標にストイックに攻めることの出来る女性なのだ。
私、美人になりたいなぁ。
そう思いながらも、まだウォーキングが精一杯だ。しかも確信している。明日は筋肉痛だと。
でもいつかはあんな風に、軽やかに、力強く、前に進める人になりたいと思うのだった。
明日は家で、踏み台昇降でもやろう。
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