怖がらずにSNS発信をつづけるには、バッサリと断言せず、発信をメモ代わりにし、したたかな戦略をもつこと:『「普通」の人のためのSNSの教科書』レビュー
ぼくたちは、SNSを使うときに
いろいろなリスクを気にしてしまいがち。
とくに会社で働く人は、炎上したり
秘密を漏らしてしまうのではないかと心配になりますよね。
しかし『「普通」の人のためのSNSの教科書』の
著者である徳力基彦さんは、
あえて本名をつかってSNSでの発信をすることで、
キャリアを充実させることができると断言。
この本は、会社で働く人のためのSNS入門書です。
バッサリと断言しない
おおくのSNS攻略本は
「バズる」ことを目標としています。
しかし本書では
「バズらなくてもいいし、ビビらなくていい」と、
普通の人が発信していくための心構えを説いています。
というのも、いきなりバズを狙うような
バッサリと断言する内容を発信すると、
炎上するリスクが高まるから。
そしてなにより、バッサリと断言すると、
ビジネスパーソンは確実に敵を増やしてしまいます。
代わりに、この本では以下の基本形を紹介。
・インプットした情報を紹介
・それに対する自分の考え
・でも、違う考え方もありますよね
また、バッサリと断言せずに、
知らないふりをしていると、
求めていた情報や、それ以上のことが自然と入ってくる
というメリットもあります。
自分のためのメモと考えて発信
本書では
発信をつづけるためのコツが紹介されています。
それは、読書、イベント、ニュースなど、
自分が興味を持ったことを
とりあえずSNSにアップすること。
仕事で役立ちそうな情報を
インプットしたときも同様です。
最初は、毎日投稿する必要はありません。
自分のペースを見つけて、
無理なく続けられる時間帯に
発信するのがポイントです。
したたかなアウトプット
ここまで読んで、
ただの備忘録のようで終わってしまう
のではないか、と思われるかもしれません。
しかし本書の真骨頂は
「SNSを徐々にビジネスに活かしていく」
というしたたかさ。
ビジネスマン向けの本なので、
当たり前といえば当たり前ですが。
自分ためのメモから、
コミュニケーションを生むコツは次の10個です。
意中の人や、企業に探される準備
運営元に選ばれる話題や切り口で書く
流行りものには飛びついておく
未来に価値を置き、ポジティブに書く
ニッチに絞って「深さ」で勝負
正論よりも、不完全を残す
リアルを組み合わせる
横のつながりに目を向ける
無理のない範囲で背伸びをする
量より質、数より熱量を重視する
これらのコツは、誰もができることですが、
ほとんどの人ができていないことなので、
実行するだけで価値があります。
とくに印象深いのが
「3. 未来に価値を置く」という点。
将来的に社会を変える可能性のある話題や
今後面白くなりそうな分野を選び、
その情報から未来を考える発信をすることが
勧められています。
まとめ
『「普通」の人のためのSNSの教科書』は、
会社で働く人が安心して
SNSに発信できるように書かれた入門書。
バズることだけを目的とせず、
自分のペースでインプットしたことをアウトプットし、
徐々にビジネスにつなげていく方法が紹介されています。
まずは自分のためのメモから始め、
将来的な変化を見据えた発信をすることで、
自然とキャリアアップにもつながるでしょう。
炎上リスクを恐れてSNSを敬遠している人や、
SNSの使い方に迷っている人は、
ぜひ本書を読んでみてください。
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