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読書 『海外の有名大学に、リモートで留学する』

42 Tokyoではほぼリモートで学習できるので、海外ではどんな大学が、リモートで学位を取得できるのかが気になり、本書を手に取りました。

おもにアメリカとイギリスの大学のリモート課程がとりあげられており、まとまった情報が整理されており、理解しやすいです。

この本を手に取り、気になった大学のオンラインコースがあれば、インターネットで最新の情報を調べてみるという使い方をすれば、とても役に立つはずです。

いま高校生で、リモートで英米の大学の学位取得を考えている方や、授業を受けてみたいという方にはもちろん、コロナで自宅時間が増え、海外のリモート学位の取得により、キャリアアップを目指す社会人の方にもオススメ。

リモート留学は「安く、時間の融通がきき、場所を選ばない」ため、貯金が少ない、働いていて時間がとれない、コロナでビザがおりない、こういった理由で海外留学をあきらめている人には有用です。

そして、リモート教育は海外のほうが充実しているので、可能性が広がります。

本書の特徴は、著者自身が、社会人としてのロンドン大学の通信課程で学んだ経験をもとに、英米のリモート大学の選び方や、メリット、手順をくわしく解説していることです。

入学のための英語や費用といった基本的な情報だけでなく、通信制の学生生活、MOOC、MBAコース、海外の放送大学、アメリカの大学とイギリスの大学の違い、ディプロマとサーティフィケート、課程学位と研究学位、GPA……

こういった英米のリモート大学の情報が幅広く提示され、概要を知るのにうってつけです。

本書を通じてはじめて知ったことの中で、ロンドン大学の通信課程が「7人のノーベル賞受賞者を輩出した」という事実に驚かされます。

しかも、南アフリカの英雄ネルソン・マンデラも、ロンドン大学の通信課程で学んでいました。

また、世界大学ランキングにおいてトップ50に入り、リモートで学位を授与する大学(インペリアルカレッジロンドン、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、ミシガン大学、ジョージア工科大学、テキサス大学オースティン校)もとりあげられており、ランキングを気にする方にも役にたつはず。

さらに、ライフハック的な情報も入手できました。

それは、日本の大学に入りつつ、アメリカかイギリスの大学にイモート留学し、ダブルディグリーを目指すこと。

さらに、ピープル大学の編入制度を使えば、成績な優秀で準学士号をとることで、世界トップレベルのカリフォルニア大学バークレー校などに編入することも可能です。(現地人優先らしいですが、不可能ではありません)

もし編入できなかったとしても、日本の大学を卒業し学士を取っていれば、就職にもひびきません。

ただし、大学が「二重学籍」を認めていることが大前提なので、事前に確認をとる必要があります。

著者の姫松冬紫(ひめまつとうし)さん自身、国内大学卒業後、働きながらロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)が監修する、ロンドン大学の通信課程コースでグラデュエート・ディプロマを取得しています。

彼の受講したコースの「LSEが監修する」という不思議な意味も、本書を読めばわかるようになります。

著者の体験にもとづく本書は情報がもりだくさんで、意外なことに「リモート留学」や「オンライン留学」を扱った類書が他にないので、入門書として貴重だと思います。

30年のあいだ、経済成長していない日本は、海外留学する人が減り続けていますが、コロナの影響で、今後はリモート留学が増えていくと思われるので、タイムリーな内容でした。


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