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なるほどね~!シェアしたくなるのは、「自尊心」と「見せびらかし」のためだったのね:SNSで「いいね!」が止まらない心理を徹底解剖『シェアしたがる心理』

かつては、運動会などの「特別なイベント」のための記録用だった写真や動画。

それが今では「感情や状況を人と共有するコミュニケーションの道具」へと変化しました。

そして、現代社会において、SNSはぼくたちの生活に欠かせないもの。

写真や動画を共有し、友人や家族とつながるだけでなく、情報収集や自己表現の場としても活用されています。

そんななか、『シェアしたがる心理』という本は、誰もが「シェアするような瞬間」を探して生きている現代人の姿を分析しています。

とくにインスタグラムにフォーカスが当てられており、「なぜ人々はインスタグラムにハマるのか?」という疑問に対して、その心理メカニズムを解き明かしています。

今回は、本書から学んだ3つの視点をご紹介します。


人はなぜシェアするのか?

シェアの背景には、大きく2つの心理があります。

まずは「自尊心を保つため」

人は他者からの承認によって自尊心を保ちます。

SNSは、いいねやコメントといった形で、手軽に承認を得られる場となりました。

かつては、ファッションや持ち物を通して自己表現を行っていた人々が、今ではSNSを通して「自分らしさ」をアピールするようになっています。

2つめが「見せびらかし」です。

SNSは、自己顕示欲を満たす場としても機能しています。

ベンヤミンの『パサージュ論』では、都市空間における「見る/見られる」の視線が、見せびらかしをスリリングなものにしていたと分析しています。

そして、都市にかわってSNSは、現代における「見せびらかし」の場と言えるでしょう。

とくに、デジタルネイティブ世代は、SNSを通して自己表現や承認欲求を満たす傾向が強いようです。

シュミラークル型の情報伝播

かつては、テレビや雑誌といったマスメディアから情報を得ていた人々。

しかし、近年ではSNSを通して情報を得る人が増えています。

そんななかで注目されたのが「インフルエンサー」の存在ですが、本書では、新しいSNSにおける情報伝播の仕方を「シュミラークル型」と表現しています。

シュミラークル型とは、オリジナルな情報の発信者が不明なまま、多くの人が共感し、疑似体験するような情報の伝わり方です。

たとえば、SNS映えするイベントやスポットの情報があげられます。

Xとインスタのビジュアルコミュニケーションの違い

SNSには、それぞれ異なるビジュアルコミュニケーションの特徴があります。

インスタグラムでは、上質な写真や加工された写真が好まれます。

ユーザーは、たくさん撮影した中のとっておきの一枚で、自分自身をプロデュースする場としてインスタグラムを活用しているのです。

一方、Xでは、ウケ狙いのネタ投稿や、複数枚の写真を使った投稿が人気です。

インスタグラムよりもカジュアルな雰囲気で、盛り上がることが重視されます。

まとめ

本書『シェアしたがる心理』は、SNS時代の「シェア」という行為について、深く掘り下げた内容となっています。

先行研究や参考文献も豊富で、メディア研究の蓄積や、思想家のアイデアも盛り込まれており、飽きません。

SNSをより深く理解したい人、マーケティングやコミュニケーションに関わる人にとって、興味深い一冊と言えるでしょう。

ぼく自身、本書を読んでSNSに対する理解が深まりました。

とくに「見せびらかし」の視点は、今後の情報発信を考えるうえで重要だと感じました。

本書を通して、SNSにおける「シェア」という行為の心理を理解することで、より効果的なコミュニケーションを図ることができるようになれるかもしれません。

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ホヴィンチ
noteを愛する主夫。クリエイターが万能になるための「3つのユニークな視点・アイディア」を毎日発信中。読書が趣味。42Tokyoでプログラミング・AIを学習中。ドイツへの移住が目標。

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