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三島由紀夫のツイート集:現代を生きるヒントが詰まった刺激的な言葉たち

読書好きなぼくにとって、三島由紀夫は特別な作家の一人。

その鋭い洞察力と美しい文章でつづられる作品は、いつ読んでも心を揺さぶります。

先日、彼の名言を集めた書籍『三島由紀夫の言葉 人間の性』を手にとりました。

309個もの名言が収められたこの本は、まさに三島由紀夫の魂に触れることのできる一冊です。

短い言葉も多く、まさに、三島由紀夫の思想を凝縮したツイート集と言えるもの!

今回は、この本からとくに印象に残った3つの名言を紹介したいと思います。

心の死:現代社会の病巣を突く

われわれは心の死にやすい時代に生きている。しかも平均年齢は年々延びていき、(中略)「心の死するを恐れず、ただただ身の死するを恐れる」という人が無数にふえていくことが想像される。肉体の延命は精神の延命と同一に論じられないのである。

p.116

この言葉は、現代社会の病巣を突いているように感じました。

確かにぼくたちは長寿化社会を謳歌していますが、心の豊かさや充実感は必ずしも伴っていません。

かつてぼく自身も、会社員として働きながら、心身ともに消耗している時期がありました。

ただただ目の前の仕事に追われ、心の中は空虚な状態だったのです。

まさに、「心の死するを恐れない」という状態だったと言えるでしょう。

しかも、心が空虚だったがゆえに、健康もおろそかにしがちで、平気でチョコパイを晩御飯にするような生活をおくっていました。

心がすさんでいると、体の死もどうでもよくなってしまいます。

三島由紀夫の言葉は、自分を客観視するのに役立ち、どうあるべきかを考える「主体性」を呼び覚ましてくれるものです。

誘惑に打ち勝つ方法:善悪の二元論を超えて

人を悪徳に誘惑しようと思う者は、大ていその人の善いほうの性質を百パーセント利用しようとします。善い性質をなるたけ少なくすることが、誘惑に陥らぬ秘訣であります。

p.60

この言葉は、人間心理の深い洞察に基づいていると感じました。

確かに、悪意を持った人は、相手の善意を利用してたくみに誘惑しようとします。

では、どのようにすれば誘惑に打ち勝つことができるのでしょうか?

三島由紀夫は、「善い性質をなるたけ少なくすること」が秘訣であると説いています。

つまり、自分は善人でも悪人でもない、という中立的な立場を意識することが大切なのだと解釈しました。

これは、一見矛盾しているように思えます。

しかし、人間は誰もが善悪の両面を持ち合わせている存在。

だからこそ、自分がどちらかに偏ってしまうことなく、常に客観的な視点を持つことが重要です。

小説家になるには:唯一無二の才能を見つける

なぜ自分が作家にならざるを得ないかをためしてみる最もよい方法は、作品以外のいろいろの実生活の分野で活動し、その結果どの活動分野でも自分がそこに合わないという事がはっきりしてから作家になっておそくはない。
 一面からいえば、いかに実生活の分野でたたかれきたえられてもどうしてもよごれる事のできないある一つの宝物、それが作家の本能、つまり詩人の本能とよばれるものである。

p.137

この言葉は、小説家を目指す人にとって、大きな指針となるはず。

三島由紀夫は、作家になるためには、まずさまざまな分野で活動してみることを勧めています。

そして、どの分野でも自分がうまく適応できないと感じたら、はじめて作家として歩み始めるべきだと述べています。

これは、作家という職業が特別な才能を必要とすることを意味していると捉えました。

どんな分野でも通用するような一般的な能力ではなく、唯一無二の才能が求められるのです。

まとめ:時代を超える魂の言葉

三島由紀夫の言葉 人間の性』は、時代を超えて読み継がれるべき名言集。

三島由紀夫の鋭い洞察力と深い思想は、現代社会を生きる私たちにおおくの示唆を与えてくれます。

今回紹介した三つの名言以外にも、この本には心に響く言葉がたくさん詰まっています。

ぜひ手に取って、三島由紀夫の魂の言葉に触れてみてください。

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