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快適な住処の3つの条件『ストリート系都市2022』


コロナでローカルへ目が向いていた人たちも、都市へと戻る動きがあるようです。

というのも、「都市にしかない情報」や「コミュニティ」が都市にはあるから。

そして、これからの都市は、タテに伸びて閉ざされたタワマンや高層ビルとは反対の、ヨコに広がるストリートで、有機的かつ情緒的な街づくりを目指すべき、というのが、著者の主張です。

サブタイトルに「アートから芸能まで 連続起業家によるアフターコロナ新都市論」とあるように、コロナの後の社会が抱えるさまざまな問題に対して、「ストリート的思考」という切り口で、解決へ向けての道筋を示しています。

経済の原動力となるのは、結局は「人と人とのつながり」。

ルールで人をしばるのではなく、人の見守る優しい目が街を安全にし(ストリート)、あらゆるものごとが自浄・最適化されるサイクルが生みだすことが必要です。

主張を裏付けるデータもわかりやすくて納得感があり、随所で偉人たちの言葉が引用されているので、一冊を通して飽きずに読み進めることができました。

この本は「街づくり」に従事する人はもちろん、これから都道府県をまたいでの移住や、海外への移住を考えている人にとって、参考になりそうな視点がもりだくさんでした。

なかでも興味深く読んだのが、後半の「人が快適に感じる場所」について。

そこでは、『バイオフィリア―人間と生物の絆』という本が紹介されています。

「ナチュラリスト」の名著として知られており、本の内容は、人が生命や自然を好む生得的な傾向について論じています。

人間の生得的な本能にとって、いちばん快適さを感じるのは、「きれいな水辺、高いところ、緑」の3つの条件がそろった時とのこと。

世界的な富裕層が住む場所も、この3つの条件がそろった場所が多いそうです。

たしかに、豪邸の写真をみると、近くに海か川があり、高台に建設されており、まわりには緑が溢れていました。

富裕層でしか手に入らない場所以外にも、よく探せば、「きれいな水辺、高いところ、緑」の3つの条件がそろった場所はありそう。

ですので、この3つの条件は、住む場所をえらぶときに判断基準として使えそうです。

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