夫婦の読書会『十二世紀ルネサンス』 #10
夫婦で『十二世紀ルネサンス』の後半部分を読み切った。
この本は、『ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊』で薦められている本の中から選んだ、五冊目の本なる。
結論からいうとおもろすぎる!
本書は講義を元に作られているので話がわかりやすく、読みやすいのもポイントだ!
「ギリシャ文明」の約95%が十二世紀のヨーロッパに伝わっていなかった!
一番衝撃を受けたことは、十二世紀まで「ギリシャ文明」の約95%がヨーロッパに伝わっていなかったことだ。
例を挙げると、アリストテレスの主著や、ユークリッドの幾何学体系、アルキメデスやプトレマイオスの著作、そしてギリシャの科学は、ヨーロッパ、つまりローマに受け継がれていなかった。
それらはどこにいったかというと、まずはエジプトのアレクサンドリアへ(前三世紀〜五世紀)いき、次にコンスタンティノープルへ渡った。
そこでシリア語訳されシリア文明圏へ(五世紀〜七世紀)と移り、アラビア語訳されてアラビア文明圏に移入(バグダードが中心地)。
そして十二世紀にそれらがラテン語訳されてヨーロッパへと流れてきた。
ちなみにシリア語訳版の作成に貢献したのは、キリスト正教会から異端とされ追放されたネストリウス派と単性論者。
第二次世界大戦にドイツから逃げてアメリカへ渡ったユダヤ人たちもそうだが、こうした「追放された民」の文化への貢献は凄まじい。
十二世紀ルネサンスの拠点
十二世紀ルネサンスの拠点は主に3箇所で、スペインのトレード、シチリアのパレルモ、北イタリアのヴェネツィアだ。
それぞれの地ではイスラム圏の人々が暮らしているか、またはイスラム圏の商人がよく訪れる場所だった。
おわりに
十二世紀のヨーロッパでは、過去(ギリシア文明)にあったものが一番新しいという時代だった。
現代を振り返ると、ITの発展は凄まじく「過去のものが一番新しい」というようなものはないは少ないように思える。
パッとは思い浮かぶのは、もともとアジアで生まれた呼吸や禅といったものがアメリカに渡り、マインドフルネスとして日本に戻ってきたことだろうか。
書籍の後半は、アラビア世界はギリシャ文明を伝達しただけではなく、発達させた内容についての内容なので、楽しみだ。
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