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たけとりものがたり 2枚目
「あそこは、大昔火葬場だったけん、行かんやに。」
正蔵坊第19代目の坊主は、里のみんなに言っていた。
秋になって、坊主と僕はキノコを採りに山へあがった。
僕にも坊主が言った。
「あそこは、大昔火葬場だったけん、近寄らんがいい。」
「分かった」
「お前はここで待っとけ」
「分かった」
坊主は、ぐるーっとまわってなんとなーく
その火葬場だった所に行ったようだった。
もう何百年も経っているから、
誰も足を踏み入れないところにいつの間にかキノコが生えて。
実は坊主はキノコの城をそこで見つけていた。
僕は、こっそりあとをつけていた。
松茸、香茸、しめじ、おおはぎ、こはぎ。
ウワアァァァァァっと一面に。
すごかった。
その日、家と山を3回往復した。
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