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AKB48の紅白落選についての所感 〜大切なことに気づいてほしい

いつものです。

表記の件についてなんですけど、いろいろと思うことがありました。
いくら坂道グループや他のアイドルグループが好きとは言っても、私はAKB48とその姉妹グループが大好きです。
最初に好きになったグループだからこそ、愛着やその他の並々ならぬ感情があります。
とは言っても、そんな重いものでもなかったのでここまでこの記事を執筆するのに長引いてしまったんですけどね。

紅白落選、仕方ない

正直、今年はギリギリ出られるんじゃないかと思っている自分もいました。
私の予想では今年は「大人気チューン10周年メドレー」とか称して、ポニシュとヘビロテの2曲。
懐メロ枠にねじ込まれるのでは、と思っていました。甘えでしかない、完全にあぐらをかいた形ですね。

実際他の歌手を見ても、コロナ禍で世にリリースされた楽曲はかなり限られていました。
明確に特定可能な流行った曲は瑛人の「香水」、LiSAの「炎」、YOASOBIの「夜を駆ける」、NiziUの「Make you happy」くらいのもので、AKBまわりの出場枠って去年と変化ないように思えたんですよね。

瑛人はもちろん、Snow ManやSixTONESは白組ですし。
あと、欅坂46が改名し櫻坂46になったことで最速で世に出る曲は12月なので、間に合わないのだろうとも思っていました。表面上は解散したグループは出ないだろうと。

とまあ、かなり後退寄り・消極的な理由で今年もAKB48が出場するだろうなと思っていました。
そして蓋を開けたらこの結果。初めは驚きこそしたが、考えれば当然とも言えます。

今年、AKB48がリリースしたシングルは1曲だけです。これは出場歌手の半分程度と同じ条件ではありますが、AKBの新曲の世間への浸透具合と話題性はどうだったか、と。
曲自体は、とってもいい曲なんですよ?

AKB48の今年唯一リリースしたシングル、「失恋、ありがとう」。確かにパンチのある曲ではないかもしれませんが、歌詞が秋元康イズム全開で、AKBらしくて、聴く人の心に残る良曲です。
流行るか流行っていないかでは間違いなく流行っていませんが、曲の良し悪しだけで占うことはできなさそうです。

曲以前に何より、現在のAKBの持つ求心力がもはやほぼないと言えばそれまでになってしまうんですよね。現在のAKBの求心力は、他の紅白落選してしまった歌手と比べれば同レベルだと客観的には思えるんですよね。
何か言おうとして、何も言えなかったんです。

本当に、今のAKBには例えば坂道グループみたいな求心力にあるとは思えません。
今年、AKBが3月以降に新曲を歌うことはほぼありませんでした。歌番組にはほぼ懐メロで出ていましたよね。
それを真っ向から否定するつもりはないんですけど、今年のAKBってここ数年でも屈指の受動的な動きでしたよね。明確な試行錯誤を感じられませんでしたし、歌番組では昔の曲しか歌わない。

オリジナルメンバーがほとんどいなくなった名曲を歌うことは、曲の良さの再確認と同時に新旧のメンバーの比較も行われてしまいます。

「ヘビロテや紙飛行機はやっぱりいい曲だね。今のAKBのメンバーはこんな感じなのね。今日出てる◯◯はめずらしい、かわいいね。」って私みたいに世間の人は思ってくれない。

「この曲はいい曲だけど、また同じ曲歌ってる。昔は●●がいたのに。今のAKBってよくわからないし、面白くない。」って思ってしまうことが多いと思います。

それが繰り返されると何が起きるかって、ファン以外には「飽き」と「無関心」の感情しか集まらなくなるんですよね。
「飽き」と「無関心」の先に未来がないとは言いませんが、少なくとも紅白出場に結びつくことはほぼないと思います。

私はファンですが、私のような価値観を持つファンだけではありません。ファンは一枚岩ではなく、いろいろな感性を持った人がいます。
ファンであっても、ファンじゃなくても。この「紅白落選」という結果はどこか受け容れられようなものでした。

私は先述したように、仕方ないと思っています。
出なかったことは寂しいことです。
でも出たら出たで世相を表すような、失われた1年を年末に総括するような複雑な気持ちでAKBを見ていたと思います。
この結果を受け容れる心のゆとりは、私の中に大いにありました。

AKB48のメンバーは謝らないでほしい

あともう一つ気になったことがあって。
AKBの紅白落選が決まった後に、AKBのメンバーが大量に「ごめんなさい」の意思表明(ツイート等)をしましたよね。それはファンであったり、卒業していったメンバーに対してであったり。

私あれ、断固として支持できないんですよね。
各メンバーのその気持ちを否定するわけじゃなく、「本質はそこじゃないだろう?」って。
出場回数という記録はありますが、それは単には大晦日にテレビ、紅白でAKBが見れないというだけなんですよ。
紅白って出ることに意味があるんじゃなくて、「紅白に出ることになった過程・出る必要のあるその内容」に意味があるんじゃないかっていうことを指摘したいんです。
それをAKB48のメンバーはみんな、わかっているのかな。

最近は「固定枠」みたいな大御所歌手、ほとんどいないですよね。だからこそ、そういう過程や内容に大いに意味があるし、重要視されていると思うんですが。
当事者であるAKB48のメンバーがそれを意識しているのかな、わかっているのかなと私は思うことがありました。
メンバーそれぞれの心がありますし、一概には言えないとはわかってはいますが、ほぼ全員が一斉に謝罪する流れは見ていて複雑な気持ちになりました。その謝罪は全然求めてないし、そんな姿を見たくはない。

もちろんいろいろな感情があると思います。どれが正しくてどれが違うはない。
でもあの一連の流れ、五月雨式の謝罪ツイートのタイムラインの中、ひとつひとつに心境を察することはできませんでした。
本当に年少から年長まで、若手からベテランまでほぼ全員でした。ファンとしては単純に見ていて複雑な気持ちになりました。

本当に謝る必要はないんですよ。
メンバーとしての自分の活動に責任を見出してしまったのならそれを否定はしないですが、もう少しほんの身近な「周り」に目を向けてほしいなと思いました。
とにかく、もし思考停止的に謝っているメンバーがいたら絶対にやめてほしかった、という心情がありました。

まあメンバーの言動は置いておいて、これ含めて必要なのはスタッフや運営といった周囲の大人の気づきとアプローチだとも思いますね。
AKBの運営は頑張ってて、いろいろなアイデアを出してここまで紆余曲折やってきたことは何より知ってるんですけど、ここでもういっちょ新しい角度や視点から頑張ってほしい。そう思わざるを得ない。
何もしない、同じことをするよりかは絶対何かやったほうがいいんですよ。
これについては最終項で改めて触れますね。
次項では改めてAKB48とそのメンバーに思うことを綴りたいと思います。

必要なのは「愛」と「誠意」だけ

以下、この項では私が気になったメンバーの意思表明を見ていきたいと思います。
4人とも大好きなメンバーでコメントもそれぞれですがそれに伴って、ここまでにおいて私が主張したいことがハッキリ見えています。
わかっているメンバーは、わかっているんです。

まず山内瑞葵(ずっきー)さん。

最新シングル「失恋、ありがとう」ではセンターを任されましたが、そこから紅白落選の経緯に“私の力不足”なんてことは何一つとしてありません。最新楽曲、ましてやそのセンターのせいでなんてことは無いです。
むしろ側から見れば、こんな状況でつらい責務を負わされた彼女は不遇で悲運なセンターですよ。こんなことを思ってしまうなんて、よほど責任感が強い方なんでしょう。こういう点は、周りの大人がケアしなければいけません。

ずっきーはルックス・キャラクター・パフォーマンス。どれを取っても、アイドルとしてかなり優れたメンバーです。
良心的かつ責任感も強すぎることがこれひとつでよくわかりますが、後半の意見で周りも見えていることがわかって少し一安心。
そう、「今のAKB」で「これからのAKB」を作ってけばいいんですよ。
過去を捨てる必要も大切に持ち続けてる必要もなくて、「ただ新しいものを作ればいいだけ」。
そこがわかっていて安心しました。

峯岸みなみさんにも触れます。

このコメントには、全面的に肯定の気持ちです。
峯岸さんは良いことも悪いこともたくさんあったし、いろいろなことを考える機会が多々あったでしょう。
卒業も長引いてしまったし、こうやって最後の一期生。その分言葉には並々ならない、かなりの重厚さがあります。
このコメントには彼女なりにAKB48の一人のメンバーという、アイドルとしての結論が出ていると思いました。

軽く言っていますがやはり、「まず楽しむこと」は大切だと思いますね。
アイドル側が楽しんでないと、ファンも心から楽しめないと思います。

現役メンバーへのフォローはバッチリですし、自身の一期生からの視点として「また彼女たちが大晦日に輝ける日が来ますように」と先輩側からのコメントもしている。
100点満点の素敵なコメントです。この言葉に救われた後輩メンバーやスタッフも多いと思います。

柏木由紀(ゆきりん)さんはどうでしょう。

ゆきりんは相変わらず「伝え方」が上手ですね。アイドルとして、自分の立場で、そして本心を全てギュギュッと詰め込んだ内容です。
私みたいなファンのツボをちゃんと抑えてます。このあたりはさすがのベテラン、レジェンドメンバーですよね。

ゆきりんも言っているんですが、「またここから頑張ればいい」だけなんです。本当にそれだけ。
悲壮感もなく明るいし、ちゃんと遠くも周りも見えているのが流石だと思いました。ゆきりんは、まだまだAKBにいてほしいです。

そして小栗有以(ゆいゆい)さん。

私がここまで述べたことを全部網羅しているような。私の心のモヤモヤを全部晴らして、何を言ってほしいかわかっているかのような。そんな素敵なコメントだと思いました。
大切で伝えたいことを言うことに、140文字もいらないんですよね。

大好きで大切なAKB48
これからも守り続けたい

なんて素敵な最適解でしょうか。
過去も現在も未来、すべての人。もう全部を救ってくれる晴れやかなメッセージです。
「守り続けたい」というボキャブラリー。本心で思ってくれたなら、涙が出そうです。

紅白落選なんて極論どうだっていいんですよ。
アイドルがあって、ファンがいる。ファンがいて、アイドルがある。
突き詰めれば、それだけのこと。
「紅白落選」とか直接的な表現を使わず、一歩踏み込んだ内容を発信できることに、物事の本質を理解している聡明さを感じました。
ゆきりんもそうなんですが、大切なことが見えている感が強くて安心できます。
ゆきりんはベテランだからまあわかるんですけど、ゆいゆいみたいな若いメンバーがこういう発言してくれるのは本当に嬉しい。

ゆいゆいって本当に天性のアイドルだなって思っていましたが、このタイミングでこんなことを言えちゃうのはすごいです。
フワフワ何を考えているのかわからないような子ですが、根はしっかりと自分の意思を持っている強い子だなと思いました。
こういうメンバーが中心になって引っ張っていってくれれば、AKB48は大丈夫です。
もちろん他のメンバーも頑張ってもらわないといけませんが、メンバーさえ揃えばあとは周りの大人だけです。

語彙力がなくなってしまうんですけど、控えめに言ってファンとしては“最高”ですよね。
最高です。嬉しい限り。私は彼女のこの意思表示をもって、「小栗有以がいれば向こう3年はAKB48は大丈夫だな」と思えました。
ベテランに片足突っ込んでいるイメージがあったんですが、まだ18歳。未来明るすぎ。

さて、ゆいゆいが極めて特徴的ですが、この4人が共通して持っているもの。それはAKB48というグループ自身、メンバー、ファンへの「愛」とそれに伴い発生する「誠意」だと思うんですよね。
この2つが何より大切なんじゃないでしょうか?

どんな言葉を並べても、何をしても。
結局はこの2つを自ずと示されれば、すべてが優しい気持ちに包まれるのではないでしょうか。

優しい気持ちは人を幸せにします。
そしてそのことは、アイドルとファンの関係性のひとつの形です。

やっぱり、大切なことってこういう単純なことなんですよね。

結局のところ、紅白落選なんてどうだっていいんですよ。
愛と誠意さえあれば少なくとも私みたいな既存のファンはついて行くんです。
新しい層を開拓したり、というのはまたそれから先の一段階上のフェイズでは?と思います。

一部のメンバーやスタッフは、本当に大切なことを見失っていないか?と問いたいような日々が続いていたんですよね。ずっと。

これからのAKB48の行き先

じゃあこれからAKB48ってどうすればいいんでしょうね。
何をするか?どうするか?どうなりたいか?

考えることだらけですし、これから考えていけばいいでしょう。時間はたくさんあります。答えはまだ誰にもわからないし、それが正解か否かも到底先までわかりません。

ところでAKB48のプロデューサーである秋元康さんは今くらいの時期の6年前、2014年にこんなことを言っています。
まあ私もネットの記事で見たんですけど。

(前略)
““これからも汗を流してほしい。エンターテインメントは汗を流してこそ、人を魅了する””
““君たちには劇場がある。ここからいつでも頑張れるんだから””

そう。AKB48には劇場がある。ホームがある。帰る場所があるんです。
まあこれはかなり婉曲的な表現だと私は思ってますけどね。
どんな時も大切なのは「原点回帰」だと思っています。そのまんまの意味じゃなくて、「初心に帰って考えてみること」
そして、がむしゃらに頑張ること。
落ちる汗はその外観だけじゃなくて、見ている人の心に必ず響きます。

こういうことが大切だと秋元さんは言ってるんだと思いますし、私もそう思います。

大事なのは結果じゃなくて過程です。いろいろ試せばいい。何度間違えてもいい。汗を流して、がむしゃらに頑張ればいいんです。
今までAKB48が、そうして来たようにね。
AKBの歴史って努力と試行錯誤の歴史だと思うんですよ。もう今更正解を導き出そうとして、何も迷うことはないんです。
今まで通り、いろいろやってみればいいと思うんですよね。何もしない、もしくは同じことをずっとやってるよりかは絶対そっちの方がいいです。

とりあえず、新しくて楽しいAKB48をまた見させてくださいね。
それを待ってます。

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