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消渇4

東城百合子氏の自然療法

東城百合子氏の自然療法における糖尿病の治療、養生について基本的に記載した上で、鳳凰堂流の考えを述べていく。

東条百合子氏は、糖尿病の病因病機(病のメカニズム)に関して、肝機能の低下を第1にあげている。

現在一般的にはインシュリンの分泌低下にばかり着目されがちだが、

傷寒論でも厥陰の病としていたように、肝は七情(感情、現世の欲)の源でもある為、あらゆる病の元でもあり、鳳凰堂も大きく同意するところではある。

古典では分散している為、読み取りにくく、現代では標(症状、目先、枝葉)に拘泥して見えにくくなっている部分を表してくれていると思う。

そして、自力で回復していく為の食養生の参考として以下の2点を挙げ、禁忌の食材も挙げてくれているが、細かい面では鳳凰堂とは異なる部分がある。
(1)主食に関して
 東城百合子氏は栄養学と東洋医学を修めている事から、食養生に関しては詳しく又真摯に生活に取り入れやすいように考えている。主食としては、玄米、小豆、あわ、はと麦、胚芽、あわもち、玄米もち、ひしの実としているが、糖尿病にはあわが良いとしている。

 鳳凰堂では、玄米の栄養をどこまで摂取できるかは人によって異なり、栄養が薄いと言われる白米は胃の満足感を主体として存在すると考える為、白米と他の食材で栄養を摂取することで満腹感と栄養を両立させる事を基本的には推奨する。

現代ではパン食が異常に増えた事、昨今の玄米は農薬の含有も危惧される事から玄米の代わりに白米を置く方が妥当だと考える。
 
(2)副食
 副食は基本主食を補填するもの。東城百合子氏は副食に、小豆、昆布、かぼちゃの煮合わせ、山芋、しいたけ、海藻、芽キャベツ、ピーマン、植物性の蛋白補充にごま、豆腐、麩などを挙げ、ごぼう、人参、れんこん、たまねぎ等の根菜と緑黄色野菜、海藻類などで繊維質を多く摂取し、糖分を吸収させる事を推奨している。

これも基本的には同意だが、ここで栄養摂取、糖分吸収を謳っているのであれば、尚更主食は栄養ではなく欲をある程度満たす為と言えるのではないだろうか。
 
(3)飲料類
 番茶、はと麦茶を濃くして飲む。えびす草の種子(決明子、けつめいし)を濃く煎じて飲む。小豆の茹で汁、スギナのお茶、梅肉エキス、青汁、よもぎ茶などを推奨している。この点は全く同意するところである。
 
(4)禁止するもの
 菓子、あらゆる果物、甘いジュース、清涼飲料水、刺激物、白パン、白米、酒類、肉類、油っこい魚、卵、動物性を少なくすること。これに関しても鳳凰堂は同意するところだが、グルテンが入っている小麦系に関しても、消渇では治療に用いているものもあるが、基本摂取しないようにした方が良いと考える。

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