在宅医療における集金方法

こんにちは利確と申します!私は在宅医療専門のクリニックの院長をしています。まっさらなところからクリニックを作り、経営もしているものです。専門は赤字経営と終わらない婚活です。

Twitterではいつも全くタメにならないこと、赤字で苦しんでいること、婚活に失敗していることをつぶやいていますので、是非フォローしてみてください。間違いなく時間の無駄になることをお約束いたします。

今回、在宅患者さんにおける集金方法についてのお話となります。在宅クリニック・訪問看護/介護さんなどでお役に立つ話になれればと思っています。そうです、またお金の話なんです笑。

お金の話って、なかなか本には書いていないし、人にも聞きづらいですよね。実際に在宅を始めたけど、どのように集金すれば良いのかわからない・・・そんな迷える方々に届いて欲しいと思っています。

在宅クリニックと通常の外来クリニックでは会計方式が異なります。外来クリニックは都度払い、在宅クリニックは月払いのことが多いです。在宅医療では外来クリニックと異なり月末にならないと確定しない料金がいくつかあるため、そのような方式となっています。

集金には、いくつか方法があります。その事業所毎にマッチしたやり方で宜しいと思いますが、私が一番おすすめするのは「集金代行業者を介した口座引き落とし」です。それでは、それぞれの集金方法をみていきましょう。


①訪問時に直接回収

太古から存在する、もっとも原始的なやり方です。メリットとしては、お互いに手数料なく回収できることです。
デメリットは患家で直接金銭のやり取りをしなくてはならないことです。「診療」と「お金」というのは、なるべく切り離したいものです。医者が目の前でお金を数えたりするのは避けたいと思います。同行しているスタッフに受け取ってもらう・労力となりますが、事務スタッフが別日に行くなどになります。

請求書を渡す(郵送する)→次の診療でお金を貰い、同時に領収書を手渡す。

渡し間違いがあっても記録に残りませんので、患家を出る前に「大変失礼ですが確認させて頂きます」とお声かけしながら目の前で数えましょう。患家を出た後に間違いがあっても、入れた・入ってなかったの水掛け論になります。


②患者さんから振り込んでもらう


メリットとしては業者を介さないので、手数料は最小限となることです。デメリットとしては、銀行振込み手数料・患家の振り込み忘れ対応です。

例えば患者さんでその月の自己負担が6000円だとします。振り込み手数料は銀行間によっては600円程度かかる場合があります。本来の料金の10%程度の手数料が発生するのはかなりバカバカしいですよね。さて、この手数料はどちらの負担になるのでしょうか?クリニックが毎月負担は嫌ですし、そういう患者さんが100人いたら数百円とはいえチリツモになります。患者さん負担も申し訳ないですね。

そして、一番の問題は患者さんの振り込み忘れです。お金を催促することはお互いにストレスになります。また、いつ振り込んだのかの確認作業・事務労力も必要です。在宅医療の対象となる方は振り込みなどスラスラとできない方もいるので、誰に頼むかも要チェックですね。

請求書を渡す(郵送する)→振り込んでもらう→振り込みを確認したら、次の診療で領収書を手渡す。


③預かり金から引き落とし

施設の診療では預かり金システムを使っているところはありますが、居宅ではあまり馴染まないと思います。ちょこちょこと不正事件が見られますので、預かり金システムを使用するなら、高い倫理感のある人間が透明性を持って運用するべきでしょう。


④銀行引き落とし

お待たせしました。最後になりますが、一番のオススメです。お寿司では一番最後に一番好きなネタを食べるタイプの利確です。メリットとしては、一度契約すれば銀行口座がカラにならない限り引き落とし損ねがなく、事務負担が激減します。
デメリットとしては、個人間での契約は基本的には難しいので、中間業者を使用しないと行けないため、手数料がかかります。

請求書を渡す(郵送する)→引き落としを確認したら、次の診療で領収書を手渡す。

さて、引き落としの手数料は一件いくら程度が妥当でしょうか。居宅で月2回診療の人の自己負担金は1割で約6000-8000円です。毎月かかる金額ですので、可能な限り抑えたいですね。あまりあてにならないと評判の利確調べになりますが、価格感としては「1件あたり200円以下なら悪くない」となります。回収金額の3%程度でしょうか。しかし、落とし穴に注意です。

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こちらは、某業者の料金表になります。振り込み手数料はまあクリアですが、それ以外に何かと理由をつけて金額がかかります。特に、口座振替依頼書にお金がかかる場合があるので要注意です。とある業者では、一件の振り込み手数料は安く設定しているけど、月額料金を高額にしたり口座振替依頼書だけで100円とっているところもあります。

つまり注目するべきは、一件あたりの振り込み手数料は当然として、その他の月額費用や謎の料金など合計となります。諸々合計で「振り込み件数×200円程度」ならokです。ちなみに私は「振り込み件数×130円」で契約しています。直接払い時の手渡し時のお釣り用意、もらった後の銀行への預け入れ作業の事務労力などを考えると、この程度の手数料なら余裕でペイします。

いくつもの集金代行業者のサービスがありますが、多くの業者では自社HP上では料金体系を明示していません。これは、他社との競合を避けるためもあると思いますが、「利用者によって金額を変えている」と考える方が妥当でしょう。お寿司屋さんです。時価です。なんとなくの利用料は決まっているけど、交渉可能な余地が十分にあります。「振り込み件数×200円程度」のルールを守れば、ハズレは引きませんが、一番良いのは人からの紹介です。

「〜さんから紹介を受けました。値段までは聞いてないけど(ホントは知ってる)、宜しくお願いします」

こう言われたら業者も下手なことはできません。なんでもそうですが、紹介は強いですね。

ちなみに銀行引き落としの名義は誰にするべきでしょうか。患者さん本人でも良いと思いますが、死去後は引き落とせなくなります。「引き落とし口座は患者本人でないといけない」と思っておられる方もいますが、家族さんならどなたでも大丈夫です。娘さん・息子さんがいらっしゃるなら「ご家族名義でも大丈夫です」とお伝えすると良いと思います。

できればクリニックで引き落としに統一できると良いですよね。患者さんへなるべく口座引き落としにしてもらいたい場合、私はこのように言っています。

「一番のオススメは、お互いの負担が少ない口座引き落としです。手数料は当院が負担しますので、患家にとって一番お得です。銀行振り込みも可能ですが、その場合の振り込み手数料は患家負担となります」

このように説明すると、銀行引き落としを選択してくれる場合が多いと思います。まずは自院にとってどの支払い方法にしたいの考え、場合によっては上記の手数料負担を逆にしてもいいと思います。

いかがでしたでしょうか?今回は費用回収のお話でした。色々な業者がありますし、出ている金額から交渉の余地は十分にありますので、相手の提示金額を鵜呑みにしないようにしましょう。今回は特別に最後までお読みになった方限定で、20利確ポイント差し上げます。100ポイント貯まった方は教えてくださいね😉

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