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幽霊に鉛/とある、地獄/人は人の失敗にどれだけの価値を見出すのか?

 2024年5月19日に開催された、文学フリマ東京38での購入品の感想だとか紹介だとかレビューだとかを勝手に書く回です。多分二回ぐらいに分けると思う。
 これをキッカケに他の人に読んでもらいたいという私のエゴですので、なるべくネタバレしないように書いてはいる。。。つもり!





幽霊に鉛

幽霊に鉛
著・秋曈鋳蔦

 前々から親交のある(といっても私が一方的に好きなだけ)雷吐炉屋さんの別名義の本です。
 相変わらずアートワークが凄いんだよなあ。字も絵もデザインも全部出来るタイプなので本当に尊敬している。
 今回の詩の本だが、残念ながら私に詩を読む習慣が全くもってないので、どうやって読むモノか、どうやって咀嚼するものなのか全くもって分からないまま。読み終えてしまった(良いのか?それで)
 だから私の言葉が正しいかどうか知らないけど、私はこの本を【絵日記】のようだなと感じた。
 もともとの雷吐炉屋さんの【鬼籍に綴る】を読んだ時に感じた、情景の色がずっと同じで絵が浮かぶような世界観。あれはどっちかと言えば、アニメだとか、漫画だとか、脳内で場面が動くけど、
 今回のは【絵日記】というか【紙芝居】というか、【写真】というか。静止画のイメージがある。純粋に物語を書くのとは違って、文章量が圧倒的に少ない所為で私の脳が写真までしか認識出来ないだけかもしれないけどそういうイメージ。
 あっ、勘違いしないでくださいね。内容は【詩】であり、全て活字です。絵も写真も一つもありません。私のイメージの話です。
 私が一番好きなのは138ページに書かれた言葉。
 私にも身に覚えがあるのかもしれない。悪気はないんだ。






とある、地獄

とある、地獄
著・静 霧一&湿度文学。

 まさかの旦那も同じ本買って来るという奇跡が起きたので、家に二冊あるという。。。
 どんな話かというと、地獄です。ええ。地獄です。地獄しかありません。これって、ジャンル的には【カルトホラー】が一番近いんですかね。万人に勧められる本ではないのは確か(尊敬語)
 共作ならではなんですけど、担当した場面を、今度は逆にして筆を取ったら、どんな地獄に変わるのかが気になります。
 湿度さんは読み手側の余白に沁みを乗せるような文章で、静さんの文章は主語が多い文章で余白を作らない文章なんですよね。
 なので、書き手が逆になったら、同じ話でもかなり色の変わった地獄になると思うんですよ。
 舞台がありふれた現代なら、描写の書き込みって気にならないけど、ありふれない舞台(地獄)だからこそ、同じ話を書いた二人が、担当を逆にした地獄も見たい。あれ?私が地獄をおかわりしたいだけか?






人は人の失敗にどれだけの価値を見出すのか?

人は人の失敗にどれだけの価値を見出すのか?
著・釈迦堂入史

 過去作からも思うけど、入史さんの文章は毎回違う人が書いているかの様に書き味が変わるので、本当はCLAMPさんみたく4人ぐらいいるんじゃないか?と思ってしまう。
 本作は4本の短編(うち一つは試し読み)で、3本目がタイトル表題の話にあたる。
 これね……発想が凄い!私めっちゃ好きだわ!!!!!
 好き嫌いは分かれると思う。私は匂わせメタが大好きだ!どのくらいって、そりゃもう浦賀和弘さんもそうだし、綾辻行人さんのどんどん橋とかさ。あれ系が本当に好きなんだけど、あの辺のミステリーって読者を騙す為の匂わせメタなわけじゃん。
 今作は別に読者を騙す話でもないのに、メタが成立する面白さ。これは凄いぞ。下手に説明するとネタバレになるので読んだ方が早い!
 私は取り置きで買ったので、配布資料付きだったワケですが、配布資料付きを手に入れた方は【夢の終わり、そして】はマジでお勧め。というか私が好きな話。




 他の本のレビューはまた後日書きます。


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