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日本の農 輸出に向けて強化!

最近日本政府が国内の農産物を輸出するために様々なシステムや環境への投資を始めている。そこには食料品の輸出大国であった中国が、世界最大の食糧輸入国になりつつある背景があるのだろう。

しかし、農の生産現場から見るとこの政府の政策はどのように映るのだろうか。今の状況と今後の予想される変化から考えてみたい。

現在、日本政府が目標としているのは5兆円の食糧輸出である。これは野菜だけでなく肉や加工品(お酒)等も含まれた数字のよう。確かに日本の加工品や高単価品も含めれば不可能な数字ではない。

しかし、ふと気にならないだろうか?
日本の食糧自給率は40%前後である。その低さで国外に食料品を売ろうというのである。大丈夫だろうか? 

実際、2020年12月には年間3000万tもの小麦を輸出するロシアが、国内供給の安定化のために輸出制限を始めている。同時期にトウモロコシや大豆を中心にアルゼンチンなどが輸出規制を始めた。

世界的な不況や不安がつのると食糧の確保が始まるわけである。それはコロナで余計に刺激されているからだが、潜在的に食糧危機に対する不安がなければ起こらない現象でもある。

では、国内の自給率を100%にしてから輸出に切り替えるのか、というとそうもいかない。国内の野菜は価格が高くなりやすい。売れない作物や製品は誰も作りたくないし、誰もやるわけがない。

そこで、多少高くても高品質として海外に売り先を作る。売り先の確保されれば生産者も心配なく生産に注力できる訳だ。それが国の進めようとしている方針だろう。そしていざ国内の需要に供給が間に合わない時は、輸出を制限すればいい。

広い視点で見れば欠点のない方策に思える。ただし、それが生鮮食品でなければの話だ。生鮮食品では国内の流通に乗せ、港に大ロットで集め、冷凍コンテナで出荷する。それで果たして採算が合うのであろうか? いささか疑問は残る。

とはいえである。国内にとどまらず、世界に市場を広げることで見えてくる可能性は大きい。今まで儲からない産業の代名詞のように言われてきた農業も、より組織化していく事で海外に向けた戦いが可能になっていく未来が見えてきている。

あとは、中間の輸送物流業に不当なマージンを取られず、生産者へ正当な利益が残る仕組みさえ整えば言う事はない。不安は多いが、期待もしながら今後の経過を見ていく事にしよう。


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