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キャリア迷子、モヤモヤを感じている方へ!「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略(読書感想)

10代や20代の頃、40代といえば「成熟した大人」で、「バリバリ仕事をして充実した人生」を想像していました。実際は思っていたほど成熟していないし、仕事以外のあれこれ(家事・育児)で、「バリバリ仕事」にはほど遠い現実があります。

仕事に対する気持ちと経験はある。
でも、働く時間を制限せざるを得ない理由がある。若い頃に比べて、体力の低下も気になってきた。
今の仕事に大きな不満はないけれど、なんとなくしっくりこなくて転職サイトを覗いてみたり。
定年まで20年くらいあるけど、このままでいいのかな?
キャリア、やりがい、子育てと仕事の両立。子の養育や老後の不安。親の介護。
収入は今のままで大丈夫?理想と現実のギャップ。
人生の折返しに入った今、私はいったいどうしたいのかな。
モヤモヤ、モヤモヤ……

これらは、今まさに私自身の心の中でうごめいている感情です。
人生の時間は限られているから、「これから先、どうやって生きていこうか」と悩み、壁にぶち当たる。
このような中年期特有の心理的危機状態(モヤモヤ感)を、著者の尾石晴さんは『40歳の壁』と命名しました。(これを書いていて、「そうか、私は中年なんだ……」と気づいて凹みました)

40歳の壁、越えたい……!!
日々モヤッている私が一気読みした本、
『40歳の壁』をスルッと超える人生戦略 一生「お金・つながり・健康」を維持できるキャリアデザイン(尾石晴・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン)
非常に面白かったのでシェアしたいと思います。


人間が幸せを感じる3つの土台

これを読んでくださっている方は、「自分がどんなときに幸せを感じるか」について考えたことはありますか?
美味しい料理を食べているとき、趣味に没頭しているとき、友人とおしゃべりしているとき、初めての場所へ旅行するとき、お給料がアップしたとき……
幸せを感じる瞬間はたくさんあるけれど、それらの幸せを得るために必要な要素もまた、ひとつではないことに気づきます。
例えば、ある程度の収入がなければ趣味にお金を使えない。人とのつながりがなければ、友人とおしゃべりに興じることもない。お金はあっても、元気に移動できる身体がなければ旅行は楽しめない。

「お金」「つながり」「健康」の3つの要素は、人間が幸せを感じる土台ともいえます。土台がないと家は建たない。強い風が吹いたり、大雨(人生あるある)が降ったりすると、すぐにグラグラしてしまう。

「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略(尾石晴・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン)P.48より

本の中で著者は、お金・つながり・健康を維持できるもの=「仕事」であると仰っています。これについては、私自身もこの本を読む前から、うっすら感じていたことでした。仕事がなければ収入は得られない。お金があっても、有意義に使える時間や関心事がなければ宝の持ち腐れになる。健康な心と体がなければ、人と出会ったり、仕事や趣味を楽しむことはできない。
どれかひとつの要素でも欠けてしまったら、幸福度は一気に下がってしまいます。
3つの要素を100%キープできなくても、なるべく減らさないように維持する方法を考えなければ……。本を読んで、改めてそう考えたのでした。

本の中では、生涯現役で働くことを視野に入れ、「自分業」(3つの要素を満たす仕事、本業・副業・複業、やりがいや裁量権を持てる仕事のこと)の見つけ方や始め方について詳しく触れていますが、ここでは割愛します。

「人生の目的」を必死に探していませんか?

私の人生、このままでいいのかな……?
仕事をする意味って?家庭をもつ意味って?未来(老後)は明るいの?
そもそも、生きる目的ってなんだろう。
壁にぶち当たったとき、こんなことを考えていませんか?
多くの人は「人生の目的」を見つけるために、勉強をしたり、いろんなことに挑戦したりするのではないでしょうか。その中から「これだ!」と思うものを見つけらる人はとてもラッキーですよね。
でも、そう簡単に「人生の目的」は見つからず、「目指すべき方向がわからない!」とモヤモヤを感じることになる……。

ちなみに「人生の目的」は探すものではありません。自分の価値観に基づいて選び取ってきた過去の経験から導き出すものです。自分の中に「眠っている」ものだったり、すでに「わかっている」ことだったりします。

「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略(尾石晴・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン)P.80より

「目的」=夢や願望。つまり、目指すべきゴールです。
そう考えると、「そうか。ここまで生きてきたのに、人生の目的をいちから探すなんて、そもそも変な話だな」と腑に落ちました。
私はこれから先、どんな人生を送りたいのか。どんなゴールだったら「幸せな人生だった」と思えるのか。
そのためには、これまでの自分史(過去の経験)を振り返って、「どんなときに楽しみや幸せを感じたか」「どんなことにやりがいを感じたか」「お金や時間の使い方で、満足度が高いのはどのようなときか」など、自分の価値観(大事にしていること・もの)の棚卸しをする必要があると気づきました。
逆に、これまでの人生で「あんなことしなければよかった」「あれは人生の汚点だった」と思えるようなことがあったとしても、「これから先、◯◯なことは自分の人生に必要ない」と学ぶ機会だった思えば、これまでの経験は無駄ではなかったと自分を肯定できます。

「私が幸せと感じる状態」を言語化しよう

「◯◯が好きだ」
「◯◯な場所が楽しい」
「◯◯な人が好きだ」
「◯◯を成し遂げたい」
「◯◯なモノに囲まれたい」
これらの◯◯が集まることで、あなたが「幸せと感じる状態」がつくられます。みんな不幸になるために生きているわけではありません。この「幸せと感じる状態」にたどり着くために人生を歩んでいます。
つまり、「幸せと感じる状態」を言語化したものが「人生の目的」です。

「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略(尾石晴・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン)
P.80‐81より

ここで大切なのは、「私が幸せと感じる状態」を言語化することです。
他人軸ではなく、自分軸で「好きなもの・こと」「楽しいと感じること・場所」などを言語化していくこと。
他人にどう見られるかではなく、「自分がどう感じるか」「自分が幸せと感じられるか」という視点で、それらを言語化していきます。
本の中で、著者は「やりたいこと100リスト」を書いてみることを推奨しています。最近は、「やりたいことリスト」「ウイッシュリスト」などのページを設けている手帳が増えています。そのような手帳を活用してもいいですし、普通のノートに書き出してみるのもいいと思います。

ちなみに、私が愛用している「ジブン手帳 DAYs」にも、「今年やりたい100のリスト」「フリーリスト」がついています。

「人生のカーナビ」に目的地を設定しよう

「幸せな状態を言語化する」って、むずかしいことではありません。
自分の中にある素直な「好き」や「願望」を、そのまま書き出すだけです。
私も、初めのうちはなかなか言葉にできませんでしたが、とにかく書いてみることで「あ、こんなこともやってみたい」とか「これはやってみて楽しかったな」とか、いろいろ出てきました。誰かに見せるものではないので、自由に、素直に書いてみるといいと思います。


ここで、私が本の中で一番心に響いた言葉をご紹介します。

人生の目的の言語化は、人生のカーナビに目的地をセットするようなものです。

「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略(尾石晴・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン)P.85より

40代になり、「人生の後半戦に入った」と感じる人は多いと思います。
後半戦に入ったけど、このままで戦える?これまでの作戦で大丈夫?武器は足りてる?……このような中年期特有の心理的危機状態(40歳の壁)は、大小あれど、誰しもが経験するのもだと著者は言います。

「40歳の壁」の存在に気づき、立ち止まったり、登ったり、すり抜けたりして、自分の価値観と対峙した人は強いものです。

「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略(尾石晴・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン)P.24より

そう、「40歳の壁」に気づけた人はラッキー!なんです。
だからこそ、自分の人生に主体性を持ち、これから歩んでいく方向性(目指す場所、目的地)について考え、自分にとっての幸せを追求していくことが大事なんだと、この本を読んで感じたのでした。
人生のカーナビに、目的地(自分にとって幸せな状態)をセット(言語化)しておけば、時間がかかっても回り道をしても、いつかゴールにたどり着ける!と思えば、ちょっと気持ちが楽になりませんか?

今回読んだ本はこちらです。
気になった方は、ぜひ手にとってみてくださいね。




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