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#2 第一印象

 ヘルシンキに到着したのが現地時間の朝4時。パスポートを見せるときのあの高圧的な審査が全くなく、入国審査官である金髪碧眼の男性を見て「うわ~、イケメンだ~、海外だ(?)~」と思っていたらあっさり入国していた。その後wi-fiと事前にスクリーンショットしていた画面を頼りに、なんとか鉄道のホームまで行き、切符を買うことができた。

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 フィンランドという国の第一印象はずばり、「静かな国」。
 空港から日本でいう東京駅のような中心部の駅まで移動するために電車に乗ったのだが、印象的だったのは電車のアナウンスは駅名のみであることだ。それも「次は~です」のように丁寧ではなく淡々と駅名が呼ばれるのだ(そう聞こえただけかもしれない)。「次は○○、○○です。お出口は右側です。The next stop is ○○, the doors on the right side will open.~」というのに慣れてしまっている私は、日本の電車は意外と騒がしかったのだと気づかされた。
 それだけでなく電車に乗る人もとても静かだ。私が乗ったときは2人の若いレディの喋り声が聞こえただけで、彼女らが降りると本当に何の音もなく、今まで電車の中で感じたことのない静寂さが広がっていた。その静寂さはフィンランドに到着したばかりの私にとって少し負担に感じもした。とりあえず私は「何このアジア人」と思われないように気丈に座っているので必死だった。

空港からヘルシンキ中央駅に行くまでの電車
8月でもすでに寒く今後を憂う

 そこから長距離鉄道の旅へ。晴れていたこともあり景色がきれいだった。日本では見られない、ムーミンが隠れていそうな針葉樹林が広がっていたが、どこか懐かしいようなのどかな景色だった。
simカードを買うつもりだったがヘルシンキから一直線にきてしまいうっかり忘れた。そのために駅まで迎えに来てくれた現地の学生と連絡が取れず行違ったがそれが唯一のトラブルで、それ以外、それはそれはスムーズに到着することができた。

電車の中から見えた針葉樹林ともくもくした雲
のどかでおばあちゃんに会いに行くような気分になる

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 最後に合計21時間の移動の旅を終え無事寮にたどり着いた人間がベッドに入る前に走り書きしたものをそのまま載せておく。
「本当に眠さがマックスなので、今日会ったルームメイトの紹介をしておく。一人はドイツ出身。おしゃべりで可愛い。紅茶が好き。もう一人はフランス出身。私はほぼ初めてフランス人とあったが「あ、フランス人だ」とわかるほどの気品。サラダ大好き。
英語を間違えても話すぞー!と意気込んでいるようには見えない。間違えても気にしないし、伝わらなくてももう一回ゆっくり、または表現を変えていってあげるだけ。
楽しそう。わつぃも混ざりたい。ジョークとか言えるようになりたい。

てかシムナイトきついよ。wifi繋がるの遅すぎでしょ。
これからのことも考えてシムの購入を検討します。
本日の出費、トータル70.59€。一万くらいですね。
VR学割できなかったの痛すぎた。まあしょうがない。
マジ眠いので寝ます。ようやく横になって寝れるの調嬉しい。」


 したことのないような変換ミス・タイプミスがありクスっと笑えるが、言語やルームメイトについては初日ですでに思うことがあったようだ。またいずれ詳しく書かなくては。





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