僕が医者になるまでの道のり② ~下宿生活の始まり・教官の衝撃的な言葉~

前回の記事「僕が医者になるまでの道のり①」の続きです。

大学近くの田舎で下宿生活が始まったある日、夜道を歩いていると、月が明るいということに僕は生まれて初めて気が付きました。
「こんな暗い田舎に来てしまった!僕の人生は終わった・・。」と無気力になった僕は、それからカップうどんと卵だけの生活を送るようになりました。

そんな生活が1か月ほど続いたころ、動悸を感じた僕は大学の健康センターを受診しました。
診療の結果、不整脈が見られたため、診察してくれた医師から食生活が乱れていないか質問されました。そこで、この1か月の食生活を伝えたところ、その医者に「あんたなぁ、しっかりしなさい!」と言われました。
その言葉でハッと目が覚めた僕は、諦めきれなかった東京への夢も吹っ切れ、ここでの学生生活を楽しもう、と心を切り替えることができました。 

その後、僕は学生生活を楽しむため(彼女を探すため)、下心いっぱいで英会話クラブとバドミントン部に所属し、それなりに楽しい学生生活を送っていました。
結局女の子には振られまくったのですが、無事バドミントン部で未来の奥さんと出会うことができました。

専門課程1年生(今でいう大学3年生)の時、最初の医学の講義で僕にとって衝撃的な出来事がありました。
講義のために約30万円かけて医学書を買い揃え、その中でも一番分厚い解剖学の本を持って出席した最初の専門課程の講義の時、担当教官から「本日は教科書の使い方について学びます。」と言われました。
僕は「高いお金を払って買ったから、やっぱり教科書の使い方から学ぶんだな。さすが大学は違うなぁ。」と思い、授業を注意深く聞こうとしました。するとその教官は、「教科書の使い方において最も基本的で、最も大切なことは、『教科書は信じるな!』ということです。」と言ったのです!その時の僕は「高いお金を払ったのに、どうしてくれるんだ!」と怒りの気持ちが湧きました。
でも、この教官の言葉を大切にしなくてはいけないんだ、ということが後になって証明されていくことになるのですが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。  

「僕が医者になるまでの道のり③」に続く。

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