花岡 正樹
一般人も欲しくなりそうな洗練された大学グッズが浮き彫りにする、大学グッズの本当の価値。
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一般人も欲しくなりそうな洗練された大学グッズが浮き彫りにする、大学グッズの本当の価値。

花岡 正樹

大学グッズというと、私の場合、まず頭に浮かぶのが大学の校章がドーンと入った瓦せんべいなのですが、あなたは何を浮かべますか?……と、唐突な出だしではじめてみたのですが、今回、取り上げたいのは、大学グッズについてです。

瓦せんべいもそうですが、大学グッズは、大学名や校章の主張が激しくて、関係者でないと、なかなか購入するのをためらってしまうものが多々あります。しかし、今回、見つけた大学グッズは非常に洗練されており、在学生や卒業生でなくても購入したくなりそうなデザインをしていました。ステキな大学グッズを見ていてふと思ったのですが、そもそも大学グッズは、なぜ、誰が、買うのでしょうか。今回は、そんなことについて、つらつらと書いてみました。

今回、見つけたのは桜美林大学とアパレル「COLLEGE MARKET」とのコラボレーションについて書かれたプレスリリースです。学園創立100周年を機に、学生や卒業生だけでなく、一般の人も日常的に身につけることのできるオリジナルのアパレル・グッズ類の販売をはじめる、とのことです。

リリースには、今回、販売するアパレルやグッズの画像が何枚かついており、どれもほんとおしゃれでした。また、桜美林を「OBLN」と表現したり、大学名は直接載せず、創立者に影響を与え同大学の英語名にもなっている教育学者「J. F. Oberlin」の名前を入れたり、一目見るだけでは桜美林大学だとはわからないものの、わかる人にはわかる、といったデザインになっていたのも印象的でした。

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桜美林大学の今回の取り組みを調べていて知ったのですが、「COLLEGE MARKET」は、他にも中京大学、帝京大学ともコラボレーションをしているようです。「COLLEGE MARKET」のサイトはECサイトになっており、ここで販売されていました。

中京大学、帝京大学のアパレル・グッズも、桜美林大学に負けず劣らず洗練されたものばかりです。どの大学のものも、大学名がデザインを邪魔していないし、おしゃれな服&グッズとして成立しています。でもそう思う一方で、じゃあ自分は購入するのか?と自問自答すると、やっぱり躊躇してしまうんですね。その理由は、デザインとかまったく関係なく、ただただ、これら大学の出身者ではないからです。

FireShot Capture 134 - COLLEGE MARKET|カレッジマーケット - collegemarket.jp

そこであらためて思ったのですが、大学グッズって、デザインが優れているから買うというものではないんですよね。もちろん、悪いよりは良いほうがいいに決まっています。でもそれって本質じゃない。大学そのものに愛着があるからこそ欲しくなるし、購入するわけです。これって出身校かどうかとも関係しているけれど、イコールでは結べないように思います。その大学の教職員だったり、自分の子供が通っていたりしても愛着は湧くし、なかには購入する人もいます(実際、私のまわりにもそういう人はいます)。その大学と縁もゆかりもない人は、単純にその大学への愛着が湧いていないから食指が動かないだけ、のように思うのです。

だとすると、大学グッズを売るのに必要なのは、グッズそのもののプロモーションではなく、いかに大学に愛着を持ってもらうかになります。極端な話、一般人に売るなら、広告を打つより、学生たちが売りたい人がいるエリアの祭りにでも協力する方が、よっぽど効果があるような気がします。

大学グッズを販売する肝が、自校への愛着を育むことなら、商品がいくら洗練されていても、どれだけ広告を打っても、商品は売れません。これってプロモーションがすごく難しいし、プロモーションの枠で考える限り、おそらく失敗するでしょう。でも、だからこそ、といったらいいのか、大学グッズの販売数は、大学とステークホルダーとの関係性を捉えるうえでの指標になる可能性があります。

大学への帰属意識や愛校心というのは、なかなか数値化しにくいものです。これを大学グッズを使うことで、”見える化”していくことができれば、新しい戦略やコミュニケーションを考えるうえでのヒントになるかもしれません。そして、現時点で大学グッズがよく売れている大学は、実はすごいことなので、もっと誇ったりアピールしたりしてもいいんじゃないかなと、これを書きながらふつふつと思った次第です。

<追記>
大学グッズは、アイドルグッズに似ているのかもしれません。アイドルグッズがいくら洗練されていても、そのアイドルを推していなかったら、そもそも欲しいと思えません。そして、グッズを多く売るには、グッズのプロモーションより、アイドルとしての本業に精を出すことが大事です。大学も本業を頑張って”推し”てくれる人を増やすことが、グッズ売上アップの何よりの近道なように思います。

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花岡 正樹
株式会社hotozero代表、ウェブマガジン「ほとんど0円大学」編集長。大学関連のニュースや出来事について思ったことを思いつくまま書いています。著書『年齢不問! サービス満点!! 1000%大学活用術』(中央公論新社)ほか →hotozero.co.jp