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よくよく考えると実は尖っていた立教大学のコロナ対策が教えてくれる、大学の姿勢を行動で示すことの大切さ。

GW前に立教大学がコロナ感染症対策のために3.7億円を投じたという記事を見つけました。積極的に対応しているなぁと思いながらも、そのときは読み飛ばしたのですが、よくよく考えてみると、実はけっこう尖った使い方なのかなと思いなおしたので、今回これについて取り上げてみることにしました。

まずは記事をご覧ください。じゃじゃん。

短い記事なのですが、さらに端的にまとめてしまうと対面授業の割合を大幅に増やすため、感染防止対策のために約3億7500万円を使ったという内容です。まぁ、大学だし、そういうこともするわなと思ってしまうのですが、これよくよく考えると、それなりにすごいことだと思うのです。

まず、オンライン授業の施設・設備の拡充なら、コロナ以降も利用できますが、換気設備の拡充や特殊な透明マスクの購入はコロナ禍でしか役に立ちません。それに、コロナパンデミックも2年目となり、オンライン授業に対する評価も落ち着いてきており、オンライン授業が増えたとしても、昨年ほどの批判は起きにくい状況にあります。しかも立教大学の経営学部では、オンライン授業の学生意識調査を昨年の秋にしており、双方向型オンライン授業の授業満足度が対面授業を上回ったという結果も出ています。

さらにこれらに加えて、ワクチンも完成し予防接種もゆっくりではあるけれどはじまったので、半年ないし1年後には落ち着く可能性が高い。コロナが落ち着いた場合、当然このコロナ対策は受験生に対するアピールポイントになりません。

こういった状況を踏まえて、少し意地悪な見方をすると、立教大の3.7億円の投資は、やってもやらなくてもいい投資だし、やったところで半年か1年ぐらいで意味をなさなくなる投資、といえるのかもしれません。そういう投資をしたことを無駄だといいたいのかというと、そうではありません。それに立教大です、こういったことをすべて理解したうえで、それでも必要だと判断して投資しているように思います。

最初、記事を読んだときに、立教大は対面授業を大切にしているんだー、と思ったのですが、いろいろと考えを巡らせていくと、当初、感じたよりもずっと対面授業を大切にしているのではないかと思うようになりました。これはもう少し広い視野でとらえるなら、立教大学が教育をどう捉えているかを物語る一つのエピソードといえるのかもしれません。

今回の立教大の取り組みは、額としては大きいものの、ニュースとして見たら、そんなに大きくは取り上げられていません。でも、こういう芯のある活動を積み重ね、それが少しずつでも世に出て行くことが、大学のイメージづくりにつながっていくように思います。ブランディングも大事ですが、このような大学の在り方を行動で示すことは、もっと大事なことなのかなと思ったりするわけです。

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