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コロナ禍でわからなくなった、”みんな”の情報を伝えるのに最適なメディア、在学生向けオウンドメディアを考える。

国内ではじめて新型コロナの感染者が確認されたのが2020年1月16日。とうとうこの騒動も、収まる気配を見せずにまる1年が過ぎてしまいました。学生たちにとって非常に大変な1年であり、大学側のサポートもオンライン授業をはじめ、これまでにないものがたくさん生まれた1年でした。

こういった状況が今後もしばらく続きそうななかで感じるのは、学生向けの広報活動って、これまでになく大切になってきているのでは、ということです。とくに、学生向けのオウンドメディアは、今こそてこ入れどきなのかなと思います。

学生が学生のためにつくるオウンドメディア

学生向けのオウンドメディアが、どうして大事なのかについて書く前に、まずこれがどういうものなのかをご紹介しましょう。いくつか代表的なものをピックアップしてみます。

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明治大学「MEIJI NOW」。就活、留学、学習などをテーマにした在学生インタビューが充実

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武蔵大学「きじキジ」。連載ものはなく、多様な切り口の記事が見ていて楽しい

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追手門学院大学「Bridge ONLINE」。コロナ禍を受けて誕生した新メディア。学生が知りたいことを記事化している

うん、どのサイトも何やら楽しげです。これら学生向けのオウンドメディアの特徴は、コンテンツの企画や制作に、学生たちが関わっていることが多いということ。また、記事づくりで取材するのも、在学生や教職員、卒業生と、学生たちにとって身近な人が中心になります。

みんな何してる?を伝えるメディア

では、なぜ学生向けのオウンドメディアが、コロナ禍でより必要になるかというと、この記事の絶妙な位置づけなんですね。大学が学生にしっかりと伝えなければいけない情報については、学生向けのイントラネットや大学HPの「重要なお知らせ」なんかを通じて届けられます。また、学生同士の他愛のない会話であれば、Lineなどで日常的にやりとりをするでしょう。でも、このどちらにも属さない情報というか、両方の真ん中あたりに位置する情報が、学生向けのオウンドメディアの記事だと思います。

これらオウンドメディアの記事は、対面がメインだったときの大学生活であれば、ないよりはあった方がいいぐらいの情報でした。でも、日常的に大学に行けなくなると、大学全体の方針と、友達たちとの日常会話という、マクロとミクロの情報しかオンライン上ではなかなか手に入らなくなります。その他大勢の人たち、つまり“みんな”についての情報があまり得られないのです。

みんなの情報というのは、たとえば、なんとなくみんなが就職活動の準備をはじめ出したとか、なんとなくみんなが国試対策へのギアを一段階上げだしたとか、そういう空気感です。1年生であれば、試験に向けてどれくらい勉強すればいいのかとか、勉強の仕方なんかも、みんながどうしているかがわからないと、すごくやきもきしそうです。これって、大学HPのお知らせには間違いなくのっていないし、仲の良い友達とのLineのやりとりだけでは、確証を得られない情報になります。

在学生向けのメディアというのは、こういった学生たちの不安をすくいとって、みんなが何をしているか、何を考えているかを共有するうえで、とても適したメディアだと思うのです。さらにいうと、みんながどうしてるのかという情報を共有するうえで、記事形式での情報発信にこだわる必要はないんですよね。学生向けオウンドメディアという枠を取りはらって、学生向けの情報発信・共有の拠点として、たとえばオンラインイベントを開催したり、オンラインサロンの運営をしたり、そういった活動にまで広げていけるかもしれないし、コロナ禍の今はこういう展開がやりやすいし、生まれやすい状況にあります。なので、やりようによっては、コロナ禍だからこそ生まれた、新たな学生文化みたいなものを、学生向けのオウンドメディアを起点に育てていけるのかもしれません。

コロナ禍でのベーシックなサポートについては、この1年間であらかた整ったように思います。もしもうしばらくこの状況が続き、学生たちのためにさらなる支援をしていくのであれば、それはもう一歩、学生たちに寄り添ったものになっていくべきです。学生オウンドメディアを、ぜひその取っ掛かりとして利活用してみてはどうでしょうか。

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